Logo家電BOAT
【「ながら聴き」に特化した「耳をふさがない」新感覚イヤホン、ambie】

目次

“No music, no life.”、そして”No music, no thanks.” が信条の「西の風」です。ふだんはバロックな人なんですが、ジェラルド・フィンジなどの現代音楽をはじめ、気分が乗れば(?)プログレやハードロック、映画音楽にモダンジャズ、アニソンまでなんでも聴きかじる間口の広いリスナーだと自負しております(聴きもせずにその音楽を判断するような食わず嫌いではありません)。

そんな門外漢に毛が生えたような音楽愛好家ではありますが、今回ご紹介するのは巷で話題の(?)「ambie sound earcuffs[以下、ambie]」です。「ambie」は、勾玉を思わせるようなその奇抜なデザインにまず驚かされます。現在、カナル型と呼ばれるタイプが主流のイヤホン市場にまったく正反対の発想で勝負をかけてきたかのような「ambie」ですが、個人的にはほんとうに久しぶりに「ワクワク感」というか高揚感をおぼえた日本製品です。それでは「ambie」の使用感などを中心にレビューしようと思います。

ambie 西の風寺上01

ambie 西の風寺上02

【音質】☆☆☆★★

・高域☆☆☆★★

「ambie」は「耳をふさがない」ことを売りにしたイヤホン。カナル型のような「耳穴を完全にふさぐ」タイプでないと困る、という方にはまったく向いていない、ということをまずはじめにお断りしておきます。「ambie」はあくまでも「周囲の音も聞こえる、そして音楽もそこそこいい音で楽しめる」というコンセプトの製品。そう割り切ってはいたものの、じっさい聴いてみると高域は思っていた以上によく再現されている、と感じました。

・中域☆☆★★★

高い音域というのはもともと耳に入りやすいものですから、高域の再現性はわりとよい…というのは当たり前かもしれません。「ambie」装着前におおよそ予想はしていましたが、やはり中音から低音の再現性は、お世辞にもあまりよいとは言えません。ながら聴きに徹したイヤホンゆえ、このへんは致し方ないかな、という感じです。

・低域☆★★★★

おそらく「ambie」の好みがハッキリ分かれるのが、低音の再現性能でしょう。残念ながら「ambie」の低域はかなりやせ細った印象。これはひとつにはドライバーユニットの口径が9mmしかない、という物理的制約も関係しているのではないかと思われます。一個人の要望としては、改良型を発売するときはもっと大口径のドライバーを採用してほしいものです。

・音の透明感☆☆☆★★

中音-低音の再現性は頼りない、と書きましたが、その代わり「ambie」ではたとえば楽器どうしの距離感、空気感といったものはあくまで箱庭的ながらも、かなり再現されていると感じました。これは「耳をふさいでいない」デザインに起因するのではないかと思われます。通常の「耳穴を完全にふさぐ」タイプのイヤホンはたしかに重低音に迫力がありますが、「音」がストレートに鼓膜めがけて飛んでくる感じです。でもピアノやヴァイオリンの「生の音」は、そういうふうには耳に届いていません。じっさいは演奏家が奏でた音は反響板や側面の壁、天井などで反射され、聴き手の耳に届くのはそのほとんどが反響音であって楽器から発した音をじかに聴いているわけではないからです。「ambie」は耳をふさいでいないため、現実の生演奏の聴こえ方に近い感覚があると感じました。

【コストパフォーマンス】☆☆★★★

「ambie」はおそらく世界でも初めてのユニークな設計思想のイヤホンなので、実売5,000円台というのは妥当な線かもしれません。ただ、薄っぺらなサイフの持ち主から言わせれば「これであともう少し音質がよければ…」と思ってしまうのもまた事実。これは【音質】でも書いたように、ドライバーユニットの直径を10mmかそれ以上に大型化するとか、もう少し改良が必要だと思います。そうすれば5,000円台でもじゅうぶんお買い得感が得られる製品になるでしょう。

【デザイン】

・デザイン☆☆☆☆☆

「ambie」はフォルムデザインの発想がとにかくユニークですが、じっさいに使用してみると思っていた以上にしっくりきます。これはなんといっても「耳穴をふさいでいない」製品だからなのでしょう。「イヤカフ」と銘打っているようにボディが耳たぶをしっかりつかんでくれるので、通常の開放型イヤホンのように汗ですべり落ちる、なんて心配は皆無。友人グループと会話しながら右へ左へ首を振ってもずり落ちることもありません。ひと言でいえば、「ambie」はデザインの斬新さと実用性を兼ね備えた秀逸なイヤホン。カラバリはマイハートホワイト、アスファルトブラック、カクタスグリーン、トイプーブラウン、スタンプオレンジ、ポップスカイ[ 画像のモデル ]の6色。

ambie 西の風寺上03

・装着感☆☆☆☆☆

「ambie」は開放型でも密閉型でもないまったくの独自形状イヤホンですが、いざ装着してみるといままで使用してきたどのイヤホンよりも長時間の連続使用に向いていると感じました。それどころかイヤホンという介在を忘れてしまう錯覚さえおぼえました。耳穴をふさいでいないというのがこんなにも快適なのか、ということを改めて感じさせてくれるイヤホンです。何時間でもつけていられるこの感覚は、同価格帯の他社製品でも味わえないもので、とても稀有な体験だと思います。硬度の異なるシリコン素材でできている「ambie」本体表面の肌触りもソフトで、耳への違和感はまったくありません

【オリジナリティ】☆☆☆☆☆

ずばり、「ambie」というイヤホンじたいが独創性のカタマリです。よくぞこういう製品を出してくれた、と拍手を送りたいくらい。イヤホンに関して個人的にぜったいに譲れないのは、長時間装着で疲れないこと、耳に違和感がないことです。いくら楽曲の再現性能がよくてもココでつまずくと音楽に集中できないからです。「ambie」はこの点でもひじょうに優れていると思いました。

【機能性】☆☆☆★★

スマートフォン接続時に利用可能なハンズフリーマイクとマルチファンクションボタンのコントローラーが付属しています…が、あるのはボタンひとつだけ。5,000円台の他社製品と比べると貧弱な印象を受けます。ハンズフリーマイクだけでよかったんじゃないでしょうか。そうすればもっと価格を下げられたはずで、いまいち中途半端な印象は否めません。イヤピースはかんたんに脱着でき、そのためなのかスペアとしてもう一組同梱されています(個人的にはイヤピースが落下する、ということはありませんでした)。ただし「ambie」は最初に書いたように勾玉のような独特な形なのであるていどの「慣れ」が必要。最初に装着するときは鏡を見ながら行ったほうがよいでしょう。

【利用シーン】

「ambie」は【デザイン】でも書いたように、装着していることも忘れてしまうほどあまりにも自然にフィットするため、基本的にはオールアバウトに使用できる製品だと思います。ただ、「開放型」以上に開放構造のため、音漏れにはじゅうぶん気を配ったほうがよいと思われるので、公共交通機関など第三者の迷惑になりそうな場合のみ、密閉型イヤホンに付け替えるなどの対策が必要かもしれません。ただし「ambie」は構造上、接続している機器側の音量をかなり上げ気味にしてちょうどよいくらいなので、交通機関利用時のみ音量を絞る、という単純な対策でも有効だと思います。
「ambie」は耳たぶをがっちりつかむ構造で、見た目は貧弱そうなイヤピースも意外と外れにくいため、かなりハードな運動でもずり落ちる心配はありませんし、汗ですべることもないのでワークアウト向け、と言うことはできると思います。仲間との会話も楽しみつつ、音楽も聴く、というのが「ambie」らしい使い方。ただし防水 / 防滴仕様ではないので、その点は注意が必要です。

【ジャンル】

「ambie」は構造上、密閉型のような高音質や臨場感を求めたい方にはまったく向きません。友人との会話など、周囲の音も聞く必要があるときにはじめて真価を発揮する製品です。なので「音質」にこだわりたい、楽曲に没入したいという方にははっきり言っておすすめできません。「ambie」が得意とする音楽ジャンルは典型的な「ながら音楽」、つまりポール・モーリアのようなイージーリスニング系のBGMなど、ストリングスが爽やかなメロディーラインを奏でるような楽曲にとくに向いていると感じます。ダイナミックレンジの広い楽曲、たとえばベートーヴェンやブラームスの交響曲作品 … の再生には苦しいでしょう。

【総合評価】☆☆☆★★

ambie 西の風寺上04

以上、項目別に「ambie」をレビューしましたが、製品の使用感全体の印象は、 1). デザインの革新性とその使いやすさ 2). 全域にわたってクリアで、生演奏に接しているかのような人工的ではない、自然な音の再現性 3). とにかく疲れない、装着していることさえ忘れるほど快適な装着感、この3点に尽きるような気がします。なんといっても「耳穴がムレない」、これは最高にすばらしい。半面、あまりにユニークな形状のため装着に手間取ったり慣れるまで時間がかかる、とくに低音が貧弱、全体的に響きに厚みがないなどの欠点もあります(そして、プラグ部もL字型のほうがもっと使い勝手が向上すると思います)。
以上、「ambie」についてメリット / デメリットを書いてきましたが、個人的には日本製品でひさびさのヒット作ではないかと思っています。でもやはり音質的には少々キビしい…のも事実。なのでせっかくこのような画期的製品を世に問うたわけですから、メーカーにはドライバーユニットの大型化・高音質化を図った改良版「ambie」をぜひとも開発していただきたいと思います。「総合評価」は、そういう期待もこめてつけました。

「ambie」のおもな仕様

形式:ダイナミック

ドライバーユニット:9mm、ドーム型(CCAWボイスコイル)

最大入力:100mW

インピーダンス:16Ω(1kHz)

ケーブル:約1.2m、Y型(リモコン / マイク付き)

プラグ:金メッキI型4極ステレオミニプラグ

本体重量:約5.2g

マイク部

形式:エレクトレットコンデンサー
指向性:全指向性

開回路電圧レベル:-40dB(0dB=1V / Pa)

有効周波数帯域:20 Hz~20,000 Hz

付属品:予備のイヤピース(1セット)

前へ
1 / 1
次へ

【編集部より】あなたの感想を教えてください

こちらの記事はいかがでしたか?もし同じ疑問を持っている知り合いがいた場合、あなたがこの記事を友人や家族に薦めたりシェアしたりする可能性は、どのくらいありますか? より良い記事を作るための参考とさせていただきますのでぜひご感想をお聞かせください。
薦めない薦める

この記事を書いた人

Written By
西の風

このカテゴリのおすすめ記事

スポンサー

この記事に似ている記事

    スポンサー