【SONY MDR-EX15APは往年のラジカセだった】

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歳がバレそうなのを覚悟しつつ語りますが、私quenjiroが中高生の頃はラジカセが全盛期でした。中でも重低音を特徴とした製品が非常に流行しまして、ウォークマンなどの携帯プレイヤーにもベースのブースト機能があるものが人気を博しておりました。また音源といえばCD・レコードばかりでなく、カセットテープやFMラジオなど、やや音質に癖のあるものが今よりずっと幅広く聴かれておりました。今回『SONY MDR-EX15AP』を試して、図らずもそんな懐かしい時代を思い出したのです。さてその理由とは。

MDR-EX15AP quenjiro01

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【音質】☆☆☆☆★

・高域☆★★★★

 『MDR-EX15AP』の高音域については、あまり質がよくない印象です。木の音も金属の音も全てプラスチックの音に聴こえます。本来の音からかなり変質して聞こえるため、特にロックなどの激しいハイハットやシンバルなどは、騒がしいばかりで楽しめません。騒がしいのをこれ見よがしに強調してきますので、正直疲れます

・中域☆☆★★★

 ボーカルなどは聴こえやすいのですが、特定の帯域を持ち上げて他を犠牲にしている感があります。その結果、若干の篭り感が生じているようです。通話音声の聴きやすさとリスニング使用の妥協点がこの『MDR-EX15AP』の中音なのかもしれません。そう考えながら聴くと、音楽さえ電話越しの音に聴こえてきます。

・低域☆☆☆★★

 低音域はかなり主張してきます。じっくり聴くとアタック感以外はぼやけ気味なのですが、迫力は十分です。このおかげで、低音が聴いたソースなら気持ちが良いですが、じきに他の音域の品質の不釣り合いに幻滅します。救いは音量を落としても低音の効果は楽しめることです。『MDR-EX15AP』は音量控えめがオススメです。

・音の透明感☆★★★★

 クリアさは全く期待できません。楽器と楽器の間に薄い膜が張ってあるような、もどかしい分離感です。ライブ音源などを聴いても、会場の外で聴いてるようとまでは言いませんが、何だか人ごとのような疎外感を感じさせます。いわゆる団子状態といっても良いぐらいですが、『MDR-EX15AP』の低音の品質が突出しているので、やたら香りだけはいい団子のようです。

【コストパフォーマンス】☆☆☆★★

『MDR-EX15AP』は実勢価格1400円前後(2017年9月現在)で販売されていますが、最近はこの価格帯でもそれなりのパフォーマンスをみせる製品もいくつかありますので、個人的にはコストパフォーマンスの高さはあまり感じません。しかしながら、迫力のある低音、マイク付き、有名メーカー製、この3点が揃っていてこの価格と考えれば、それほどコスパが悪いとも言えないかもしれません。

【デザイン】☆☆☆☆★

・デザイン ☆☆☆★★

曲面を上手くまとめた可愛く優しいデザインです。プラスチック製のハウジングをクリアパーツで覆うことで、涼やかな質感を演出しています。ケーブルやジャック周りは価格なりで特別な配慮は感じません。マイクを備えたリモコンはボタンが一つのみですっきりとシンプル。ただしこのマルチファンクションボタンが少々曲者です。シングル・ダブル・トリプルクリックすることで、視聴時・待機時合わせて都合6通りの操作ができるというものなのですが、そのために6通りの操作を暗記するのは少々手間。加えてトリプルクリックは判定が厳しく成功率が低いです。どちらも個人的な問題かもしれませんが。

MDR-EX15AP quenjiro03

・装着感 ☆☆☆☆★

ベーシックな形状ですので『MDR-EX15AP』の装着に迷うことはないでしょう。一般的な装着方法だとマイクが胸元に位置することから、感度や衣擦れの雑音の原因になりかねませんので、耳の裏にケーブルを這わす、いわゆる”シュアがけ”をしたほうがいいかもしれません。耳孔に突っ込むカナル型としてはソフトなつけ心地で、インナーイヤー型のイヤホンのような装着感です。2時間ほど装着してみましたが、痛みもほとんど感じません

【付属品】☆☆☆★★

 付属品はイヤーピースがS/M/Lと大小合わせて三種類ついてきます。『MDR-EX15AP』の取扱説明書には「低音が不足していると感じたときは、耳にフィットするイヤーピースに交換してください」とありますが、不足しているのはその他の帯域なのでちょっと閉口します。それはともかく、他に” ケーブル長アダプター”という、ケーブルを巻きつけて長さを調節できるパーツがついてきます。便利なのですが、一方向に巻きつける仕様なので若干断線が心配です。

【機能性】☆☆☆☆★

マイクがついています。録音して聴いた限りでは音質は良好です。通話やボイスメモ、簡単なでも録音などなら問題なく利用できる印象です。またマルチファンクションボタンは、『Smart Key』というXperia端末専用アプリで機能の割り当てを変更することが可能です。防水性能はありません。

遮音性については可もなく不可もなくといったところでしょうか。遮音性よりは音漏れ対策の方を重視しているようで、製品サイトには” 音漏れに配慮し、空気の通気量を調整する孔を小さくした筐体構造を採用。音漏れで特に気になる中高音の外部への放出を抑えています。”とあります。

【利用シーン】

 個人的にはじっくり腰を据えて聴くには物足りない印象ですので、屋内での使用はオススメしません。外出時のBGMとして利用するなら良いでしょう。耳が痛くなりにくいので、長距離移動時にも使えると思います。また重量も軽く、ケーブル長アジャスターも付属していますので、軽いランニングやフィットネス等の運動時にも良いのではないでしょうか。

【ジャンル】

 適したジャンルを述べるのは非常に難しいです。ベースを強調した最近の音楽全般と言いたいところですが、聞き進めていくうちにどれも物足りなくなっていくのが難点です。録音バランスに偏りのない70年代以前ぐらいの音源を、小さめの音量で聴くのが耳に優しい聴き方と、個人的には思います。

【総合評価】☆☆★★★

MDR-EX15AP quenjiro04

 迫力のある低音、篭り気味の中音、ペラペラの高音…。『MDR-EX15AP』のその音質は、低音が効いたラジカセでFMを聴いたあの頃を思い出させるものでした。「ラジカセのような音」は、決して悪い形容ではありません。言い方を変えれば「ラジカセのように気軽なスタイルで楽しめる音」とも言えるのです。価格も安いので、そのようなライトな感覚での利用、あるいはあの頃の感覚をもう一度、と思う向きにもオススメできるかもしれません。ただしくれぐれも音量は控えめを心がけてください。

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quenjiro

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