家電製品を購入するときに気になるのは、価格はもちろんですが、そのほかに、故障はないか、何年もつか、ということがあります。
この記事では、
電子レンジの寿命あるいは耐用年数は何年か?
電子レンジが寿命に近づくとどんな症状が出るのか?
寿命を延ばす方法はあるのか?
不具合が出てきたときに、修理に出すべきなのか、買い替えた方がよいのか?
買い替えのタイミングはどんなときになるのか?
不要の電子レンジの処分はどうしたらよいのか?
というような切り口から電子レンジを寿命について考えてみましょう。
耐用年数ということばは、主に法的な意味で用います。国税庁による備品の減価償却資産の耐用年数から、電子レンジの耐用年数は、「電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気又はガ ス機器」の分類に入り、6年と定められています。
また、家電製品を対象としている公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会による「補修用性能部品表示対象品目と保有期間」では、電子レンジの部品は8年とされています。この部品の保有期間というのは、メーカーが対象の製品の製造を打ち切ってからその製品の部品を保有していなければならない期間で、メーカーはこの期間をその製品の耐用年数としています。
寿命は、製品がその製品が持つべき機能を失うまで、すなわち壊れるまでの期間を意味します。電子レンジの場合、主な構成部品は、マグネトロンという電磁波の発振管と回転モーターですが、マグネトロンの寿命は2000時間といわれ、1日30分の使用で10年になるという計算になります。
このことから、電子レンジは、8~10年が寿命といえるでしょう。一般に単機能しか持たない製品の寿命が長いことがいえます。電子レンジでも、10年以上、20年あるいはそれ以上使用しているということが実際にあります。
家電製品は技術の進歩により、寿命が延びる傾向があります。寿命が来る前に新製品に買い替える人も多くいます。ただし、故障が発生して修理ができる期間を考えれば、電子レンジの寿命は10年が適当であるといえます。
電子レンジで寿命が近くなったときはどんな症状が出て来るでしょうか。以下に列挙してみましょう。
正常な使い方をしていて、機能しなければ、マイクロ波を発生するマグネトロンの異常あるいは寿命と考えます。このときは、寿命に近いというより、完全に寿命がきたことになります。
通常熱くならないところですので、異常現象です。電源部の不具合が考えられます。電気部品の寿命を疑ってよいでしょう。火災の危険をはらみます。
スイッチを含め、電源部の異常が考えられます。温度ヒューズの場合もあります。
回転モーターの異常になります。モーターの寿命が考えられます。
操作ボタンの異常です。ボタンスイッチの寿命になります。あるいは内部回路の異常が考えられます。マイコンを積んでいる機種では、電源コードの抜き差しで回復しなければ、異常と判断してよいでしょう。
音の発生個所と原因によりますが、正常ではないので部品の寿命を疑ってみます。
電源部の基板の焼損が考えられます。負荷がかかったか、電気部品の劣化によるものでしょう。
庫内の汚れによる場合もあります。電源部の焼損の場合もあります。
また、こちらの下記の記事では電子レンジから煙がでる原因に絞って解説しております。煙が原因で寿命かな?と考えている人はぜひ合わせてご覧ください。
記事:『故障?電子レンジから煙が出る原因と対処策を解説!煙臭い時は?』
電子レンジは使い方によって寿命を縮めてしまうことがあります。寿命を縮めるのは、マイクロ波の発振管であるマグネトロンを劣化させることや電気部品に負荷を過大にかけることによります。
食品から出る水分や脂分により庫内が汚れますが、それを放置しておくと、発煙や発火の原因になります。
マグネトロンから発せられるマイクロ波が吸収されるものがないために、再びマグネトロンに戻ることになり、劣化が早まります。
長時間の連続使用は、調理物を高温にするため、突沸が起こる場合があります。電子レンジ庫内での爆発につながります。
調理物の突沸で、沸騰や爆発が発生する場合があります。液体の調理には過熱しないで、高温にならないように注意が必要です。
寿命が縮む原因の逆を行うことが、長持ちさせることになります。
庫内に汚れや傷がない状態で、きれいになっていることが必要です。使用前に掃除するのは面倒でしょうから、使用後に毎回掃除するようにするとよいです。マイクロ波が適切に食品に当たるようにして、汚れによる発煙や発火が起こらないようにしてください。
いわゆる空焚きをしないようにして、マイクロ波が食品に必ず当たって吸収されるようにしてください。
食品の量が少ない場合は、ダミーになるものをいっしょに入れるようにすると安心です。例えば、シューマイ1個だけの加熱は避けて、シューマイ1個を陶器の皿にのせ、さらに小さなおにぎりをラップに包んでいっしょに入れるというような配慮が必要です。
長時間使用して食品が過熱することがないようにしてください。過熱により発煙や発火が生じる恐れがあります。
液体を沸騰させるまで加熱させないでください。ラップでもよいですから、ふたをするようにしてください。発煙や発火につながります。
電子レンジが寿命だと気がついたときは、修理に出さず、買い替えた方がよいです。マグネトロンの劣化によると考えられる場合は、交換になりますので、費用で2万円近くはかかります。
使用年数が8~10年でしたら、迷わず買い替えを考えるでしょうが、5年くらいでしたら、修理をしてみようかという気になるかもしれません。しかし、その際は、他の部品も相応の劣化が見られるでしょうから、交換後はそれまでと同年数だけ使用ができるかどうかは保証されません。
購入価格が10万円クラスのものでしたら、修理見積りを依頼して検討してみるのもよいかもしれません。高額製品でなければ、買い替えを優先したほうが安心料も含めても良策でしょう。
寿命がきたら買い替えることが必要になります。すぐに必要というのでなければ、買い替えのタイミングを見つけて購入します。いつがよいでしょうか?どんなタイプがよいかによって、購入した方がよいという時期が少し変わります。
電子レンジの場合、新機種は7月頃に出ます。このころを見計らえば、新機種に出会えます。新機種の値段が一番高い時期でもあります。
新機種が出る前に新旧の切り替わりがありますが、新機種が出るのが7月とみると、5月頃が旧機種の在庫整理のタイミングになり、価格的に安く求められます。
電子レンジに限りませんが、安く買いたいというときは、販売業者の決算の時期が狙い目です。
セールは安く買えるタイミングになります。量販店に限らず、地域の電気店の情報に注意しておけば機会を見つけられます。
寿命がきた電子レンジを処分するにはどうしたらよいでしょうか?その方法を挙げてみましょう。寿命がきた電子レンジは、オークションやリサイクルには出せませんから、廃棄処分になります。
電子レンジは粗大ごみとして扱われます。家電リサイクル法の対象にはなりません。粗大ごみとしての料金がかかります。料金や出し方は、各自治体に相談してください。申し込めば取りに来てくれます。料金がかかりますが、300円くらいの料金にしている自治体が多いですので、粗大ごみに出すという方法がもっとも簡便です。
不用品回収業者に頼む方法です。電話をすれば回収に来てくれます。回収費用がかかります。回収費用は回収業者により異なると考えてください。
自治体の回収は、回収日が別途定められますので、急いで処分しなければならない場合は、回収業者に頼ることになります。
家電リサイクル法と異なり、小型家電リサイクル法が平成25年から施行されました。電子レンジは、自治体によってはこの小型家電の対象になっているところがあります。
対象にしていない自治体もあります。対象にしているかどうかは各自治体に尋ねてください。回収費用は無料ですが、各自治体で回収拠点があって、そこへ持ち込むことになります。
特別に長寿命を売りものにする製品はありませんが、おすすめできる電子レンジとしては、品質保証マークは必須で、マグネトロンが信頼あるメーカーの製品であることが必要な最低条件になります。容量的に20L~30Lを選択しました。 機能が多くなるにしたがって価格も上がります。また、一般に故障率も上がる傾向にありますが、寿命の点では、どの電子レンジに対しても本質的に変わらないと見てよいでしょう。
電子レンジ単機能で、オーブン機能はありません。シンプルな構成です。容積が17Lでコンパクトですが、間口が広く。庫内も広い空間を有しています。安価で、一人暮らしに向きます。簡便ですので高齢者に適します。
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オーブン機能がついているものです。ドアは縦開きです。容積は23Lです。価格的に無理の少ない範囲です。
スチーム機能を有し、2段オーブンの製品です。コストパフォーマンスに優れています。
容積は26Lで、庫内は広く、手入れがしやすい構造です。 人気商品の一つです。
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過熱水蒸気とオーブンレンジの加熱により、油を使わずに揚げ物や焼き物の調理ができます。この商品の容積は22Lですが、31Lの商品MRO-TS8もあります。同じ方式を用いている上位機種MRO-TW1もあります。
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加熱水蒸気のみで調理するシャープ独自の製品です。多彩な機能を有し、オーブン電子レンジでは最高級品の類です。
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電子レンジは、洗濯機のように水回りでの使用がなく、空調機のように室外機もなく、テレビのように部品も多くなく、環境の良いところで、食品のみを扱うという使用環境に恵まれていますので、環境による故障は少ない製品です。食品の汚れに気を付けて庫内の清掃を怠らなければ、長持ちします。
電気製品としての信頼性が要求されますが、電子レンジの寿命を決める主役は、マグネトロンというマイクロ波の発振管です。マグネトロンの寿命が2000時間といわれますが、長時間の連続使用を続けなければ寿命が延ばせます。それでも製品としては寿命を10年とみてよいでしょう。20年以上使用している場合もありますので、使い方による要素を有する製品といえます。電気製品すべてについていえることですが、製品を掃除によって常にきれいに保ってきれいな状態で使用するのが寿命を延ばすコツになります。
他にも気になる家電製品の寿命について解説している記事がいくつもあるので、気になった方はぜひ読んで見てください。
更新日時 | 更新内容 |
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2018/08/03 | 関連記事の更新 |