食器乾燥機は洗った食器を乾かし、毎日の家事の負担を軽減してくれる便利な家電の一つです。
価格も高くても1万円程度と、食器洗い乾燥機よりも安く、手軽に導入できます。
しかし、その一方で乾かすには電気を使うため、電気代がどのくらいかかるのか気になります。
そこで今回は、食器乾燥機を使った場合にかかる電気代を実際に計算してみます。
さらに、食器乾燥機を節電して使う方法や、本体以外にかかるコストについても紹介します。
食器乾燥機の購入検討の参考になれば、幸いです。
食器乾燥機とは、その名のとおり、水洗いした食器を乾燥する機械のことです。
乾燥機能付きの洗いカゴ、と言ったところでしょうか。
洗った食器を拭く手間が省け、家事の負担を軽減できます。
ふきんで拭くよりも確実に水分が取れる分、雑菌などの繁殖も防げるため、衛生面でも安心です。
モデルによっては、まな板が収納できるものもあり、まな板を漂白して除菌する手間ひまが省けます。
価格帯としては、概ね5,000~1万円程度です。
このうち売れ筋は、約7,000~1万円台。
画像は三菱の食器乾燥器 クリックするとAmazonに移動します
国内の家電メーカー各社から様々なモデルが出ており、選択肢は比較的豊富です。
メジャーなところでは、象印や三菱電機、パナソニック、東芝があげられます。
ややマイナーなところでは、山善やコイズミから出ており、こちらは価格的にお手頃です。
食器乾燥機と似たような家電に食器洗い乾燥機がありますが、これで節水と節電をするには、まとめ洗いが推奨されています。
しかし、家族の食事時間がバラバラでまとめ洗いが難しい場合には、食器乾燥機の方が向いています。
価格も食器洗い乾燥機よりも安く、導入しやすいです。
まず、食器乾燥機の消費電力に使用時間をかけて、1時間あたりの電気消費量(Wh・ワットアワー)を算出します。
ここでは食器乾燥機の消費電力を270W、使用時間を45分とします。
270W × (45分 ÷ 60分) = 202.5Wh
次に、WhからkWh(キロワットアワー)に換算します。
1Whは1000分の1kWhなので、1000で割ります。
202.5Wh ÷ 1000 = 0.2kWh
最後に、1時間あたりの電気代をかけて電気代を算出します。
ここでは、1時間あたりの電気代を27円とします。
0.2Khw × 27円 = 5.4円
これで、食器乾燥機の1回あたりの電気代が計算できました。
前項で算出した電気代を元に、日数ごとの電気代を計算してみます。
まず、1日2回使うと電気代は10.8円。
さらにこの条件で1ヵ月(30日)使うと、電気代は324円。
1年(365日)使うと、電気代は3,942円となります。
経済産業省の家計調査によれば、2016年の一般家庭における電気代の平均値は、年間102,710円です。
食器乾燥機の年間の電気代は3,924円で、この平均値の3.8%程度となります。
電気代は消費電力が多ければ増えますので、なるべく消費電力が低い方が電気代を節約できます。
そういう観点から選ぶのであれば、東芝の「VD-B5S」は消費電力が220Wと、他に比べて低めです。
ただし、あまり消費電力が低すぎると、今度は食器が乾くまでに時間がかかる恐れもあります。
仕様参考:東芝公式サイト
特に冬場は水温が低く、食器が乾くまでに時間がかかります。
そんな場合でもお湯で洗えば、早く乾くので電気代の節約になります。
食器に付いている水分が少なければ、乾きが早く、節電になります。
食器の糸じりなど、水のたまりやすいところは良く水切りしましょう。
パナソニックや象印の一部の食器乾燥機には、節電機能が付いています。
途中で熱風乾燥から送風乾燥に切り替える「送風モード」が、その代表的なものです。
また、パナソニックのFD-S35T4には、「オート乾燥スイッチ」という機能が付いています。
これを使うと、センサーが室温に合わせて自動的に乾燥時間を調整してくれます。
参考に、パナソニックのFD-S35T4の電気代を計算してみましょう。
●標準運転した場合の電気代
280W×45/60分÷1000 = 0.21kWh
0.21kWh×27 = 5.67円
●送風乾燥した場合の電気代(A:熱風乾燥32分、B:送風乾燥13分)
A: 280W×32/60分÷1000 = 0.14kWh
B: 280W×13/60分÷1000 = 0.00kWh
A+B = 0.14KWh
0.14kWh×27 = 3.78円
標準運転よりも3割弱ぐらいの節電になることがわかります。
仕様参考:パナソニック公式サイト
画像はパナソニックの食器乾燥機 クリックするとAmazonに移動します
食器乾燥機の電気代以外のコストについても、見ていきましょう。
まず、本体ですが、これは1万円~6,000円程度です。
高いモデルと安いモデルの最大の差は、何といっても「節電モード」の有無でしょう。
これが付いていれば、消費電力量が通常の2~3割減になります。
後は部品関連の差です。
高いモデルは洗える部品のほとんどが、ステンレス製になっています。
逆に安いモデルになると、樹脂製の部品が多くなります。
高いモデルでは、包丁入れなどのオプションの数が増えます。
その他、消臭や抗菌といった効果が付いてきたりします。
メーカーによっては、本体以外に別途購入する必要があるものがあります。
例えば、排水用のホース。
パナソニックのFD-S35T4の排水ホースは、別売りです。
価格は1,000円(税抜)程度です。
吸気用フィルタのように、消耗したら交換する必要がある部品もあります。
参考までに、三菱電機のTK-ST11のフィルタは200円(税抜)です。
モデルごとに詳細は異なりますので、購入前にこのような部品の有無を確認した方が良いでしょう。
お手入れは、水で洗うか拭くかのどちらかです。
汚れが落ちにくい場合にクエン酸を使うぐらいで、別途必要な道具はありません。
食器乾燥機で電気代を節電したい場合、節電モードが付いている1万円クラスのものを選ぶのが確実でしょう。
通常運転と比べて、電気代が2~3割少なくなるのは、やはり大きなアドバンテージです。
消費電力が低い食器乾燥機を選ぶことでも節電は可能ですが、あまり低いとパワー不足でなかなか食器が乾かないことも考えられます。
ともあれ、年間4,000円程度の電気代で、食器を拭く時間が省けます。
これが得なのか、損なのか、どう見るのかは、あなた次第です。
また、下記の記事では"衣類乾燥機"の電気代について徹底解説しております。他の家電の電気代がきになる方、ぜひ、合わせてご覧ください!
記事:『衣類乾燥機の電気代は安い?除湿機などと徹底比較!1回でいくら?
』