スピーカーとアンプのワット数(W数)について解説!音量との関係は?

この記事を執筆するにあたって

無線技術士の免許を持っており、電気や信号などの知識があります。

Written By kikuchi d

目次

スピーカーやアンプのワット数(W数)について解説します

スピーカーとアンプとワットの関係

オーディオ機器には各種の専門用語が関連しますが、中でも良く目にするのがワット数。良く聞く言葉だけれども、実際、はっきり分からないと言う人もいるかも知れません。今回は、スピーカー、アンプそしてワット数の疑問を解決します。

スピーカーやアンプのワット数(W数)とは?音量との関係は?

まず、オーディオを含む家電製品には付き物のワット数という言葉について基本を押さえましょう。

そもそもワット(W)とは?何の単位?

端的に言って、ワット数(W数)は『電力』の単位ですが、『仕事率』の単位でもあります。

仕事という言葉が出てくるとと分かりづらいですが、たとえばスピーカーは、電気信号のエネルギー(≒電力)を音響に変換する『仕事』を行う装置です。

何かの装置が、ある瞬間にどの位の仕事をするか、を表すのが仕事率です。

ただし、オーディオ機器など電気製品では、ワット数は電力として表すのが一般的です。

電気の力が大きいという事は、仕事の率も大きい、つまり大音量が出る。そんな風な関係があります。

スピーカーのワット数(W数)とは何を意味する?音量との関係は?

一般に、『〇〇ワットのスピーカー』と言う場合のワット数は、『定格入力』を表しています。

定格入力は、スピーカーが実質的に受け入れられる仕事の上限と考えて良いでしょう(最大入力と書かれている場合もあります)。

カタログに定格入力として記載されているワット数より大きな電力を加えても、スピーカーの寿命を縮めたり破損したりするので、注意が必要です。

アンプのワット数(W数)は何を意味する?音量との関係は?

スピーカーが音響を発する(仕事をする)のに必要な電力を供給するのが、アンプです。

アンプにも電力の上限があり、カタログでは『定格出力』と書かれています。これが、アンプがスピーカーにさせる事が出来る仕事の最大値です。

つまり、どんなに大きなスピーカーを使っても、アンプの定格出力より大きな音は出せない、という事になります。

スピーカーやアンプを選ぶ時のワット数(W数)の目安ってどのくらい?

アンプのメーター

スピーカーやアンプのワット数はどのように選んだら良いでしょうか。

スピーカーのワット数(W数)の目安

好みや考え方にもよりますが、現実的に言うと30W程度の定格入力を持つスピーカーで、音量に不足を感じる事は少ないでしょう。

したがって、リビングでリラックスしながら音楽を楽しむ用途や、PCの横に置く場合のワット数としては、20~30W程度が目安となります。

一方、定格入力が100W以上のスピーカーでは、小さな音からとても大きな音まで、無理なく再生できるという利点があります。

例えば、クラシックの交響楽などを本格的に楽しむ用途には、100W〜200W級のスピーカーが目安になると言えるでしょう。

アンプのワット数(W数)の目安、

基本的にはアンプのワット数も、スピーカーの場合と同じ考え方です。

これも用途に寄りますが、普通の家庭では、10Wの電力に相当する大音量を再生し続けるという事は、ほぼ無いと言えます。

したがって、ほぼ不満なく音響を再生できるアンプとしては、40W程度の出力があるものが目安となります。

より本格的な用途、たとえばホームシアターなどには100Wを超えるアンプが必要かもしれません。ただしこれも、より豊かな音響を再生するための、ゆとり分と言う事になります。

スピーカーやアンプのワット数(W数)はどのように計算されてる?

さて、スピーカーとアンプを接続するシステムのワット数は、どのように計算されているでしょうか。

ここでは、少し計算式を出して解説します。

スピーカーのワット数(W数)の計算方法

スピーカーが消費する電力、つまりワット数には、以下の要素が関係します。

  • ・スピーカーのインピーダンス、単位はΩ(オーム)
  • ・スピーカーに加わる電圧、単位はV(ボルト)

インピーダンスとは、電気回路において電流の流れにくさを表すパラメータです。

インピーダンスについてはこちらの記事で詳しく解説しているのできになる方はこちらの記事も読んでみてください。

これらを用いて、スピーカーが消費する電力(ワット数)を求める計算式は以下のようになります。

ワット数 = 電圧 ×(電圧 ÷ インピーダンス)

例えば、スピーカーのインピーダンスが8Ωの場合、約2.83Vの電圧をかけると1Wの電力が消費される事になります。

アンプのワット数(W数)の計算方法

アンプが出力している電力(ワット数)は、出力(+と-)の2端子間に表れている電圧(単位はV)と、そこから流れ出す電流(単位はA)の積(掛け算)で計算します。

ワット数 = 出力電圧 × 出力電流

上記の出力電圧と出力電流は、スピーカーのインピーダンス(上の項参照)の間に、以下のような関係性があります。

出力電流 = 出力電圧 ÷ インピーダンス

例えば、インピーダンス8Ωのスピーカーが1Wの音響を再生している時に流れている電流は以下の通りです(出力電圧は2.83Vとします)。

約0.354(A)= 2.83(V)÷ 8(Ω)

これから、アンプの出力電力を計算すると、以下のようにやはり1Wとなり、スピーカーの場合の式と整合性が取れている事が分かります。

約1.0(W)= 0.354 × 2.83

引用元:日本工業標準調査会:データベース-JIS規格詳細画面

スピーカーとアンプのワット数(W数)のバランスをとろう

バランスが大切なスピーカーとアンプのワット数

上記の通り、アンプが出力するワット数は、スピーカーのインピーダンスとの関係で決まります。

ただ現在では、スピーカーのインピーダンスは4Ω~8Ωの間でほぼ決まっており、また、アンプの方もそれ全てに対応しています。

したがって、小型のアンプを大きなスピーカーに接続しても、アンプが定格出力を超えるという事はありません。

問題になるのは、小型スピーカーに大きなワット数のアンプを接続した場合です。

小型のスピーカーであっても、インピーダンスは高々8Ωであり、そこに大型アンプが過剰に高い電圧を加えると、電力がスピーカーの定格入力を超える事が考えられます。

音響の再生能力と安全性を考慮するのなら、スピーカーとアンプのワット数は等しいか、アンプの側がやや小さめの組み合わせが、バランス的にはベストと言えるでしょう。

引用元:社団法人 日本音響学会 -- The Acoustical Society of Japan --

スピーカーやアンプ選びにはワット数(W数)以外も考慮にいれよう

実は、スピーカーとアンプのワット数は、音響再生能力を示す要素の1つに過ぎません。

他の重要な要素としては、スピーカーの場合なら『再生周波数帯域』などが有ります。これは、低音から高音まで、どの程度を再生できるかを示すデータで、周波数(ヘルツ Hz)の範囲で表示されます。

人の可聴範囲が20Hz~20,000Hzですので、その範囲をいかに広くカバーしているか、が音質の良し悪しに関係します。

アンプについて重要なものとしては、『全高調波歪率』というパラメータがあります。

この数字(パーセンテージで表示される)が小さい程、そのアンプは音楽ソースの信号を正確に再現している事になります。

現在の技術では、0.1%か、さらに一桁下くらいの性能は常識的となっています。

この数字を比較して、小さい方のアンプを選択するというのも1つの目安となります。

まとめ

スピーカーとアンプのワット数(W数)

スピーカー、そして、アンプのワット数(W数)について解説をしました。

ワット数は、スピーカーの場合がどの程度大きな音響を再生できるか、アンプの場合はどの程度大きな信号を出力できるか、を示します。

また、実際に音響に変換されるワット数は、アンプとスピーカーのインピーダンスの組み合わせに寄り決まります。

ワット数やそのほかのパラメータを参照しつつ、スピーカーとアンプはバランスよく選択しましょう。

関連リンク

文中にも出て来たインピーダンスについてはこちらの記事で解説しています。
きになる方はこちらの記事も読んでみてください!

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kikuchi d
実は深くて広い(?)家電の世界を探求しましょう!
家電やAV機器の中身や仕組みなども、できるだけ明確に解説できたら良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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