使いたい電気器具の近くにコンセントがないときなどに延長コードを使います。
延長コードが短かったり、延長コードとして用いたテーブルタップのプラグ受けが足りなかったりするときに、延長コードにさらに別の延長コードをつなぎたくなる場合があります。
たこ足配線といって一つのテーブルタップに多くの電気器具をつなぐ場合の危険性は、つなぐ電気器具の合計の電気容量を越えなければ使えるという認識をもって気を付ける方が多いでしょうが、延長コードに延長コードをつなぐのは問題ないと考える方は多いでしょう。
危険性はないでしょうか?
ここでは、延長コードに延長コードをつないでも大丈夫か?危険な場合がないか?延長コードに延長コードをつないだとき電気代は多くなるだろうか?について考えてみます。
注)ここで延長コードというのは、差込プラグ1個、プラグ受け1個、および差込プラグ1個とプラグ受け1個を両端部につなげるコードからなるもの、いわゆる電源延長コードを呼び、複数のプラグ受けを有するものは、テーブルタップと呼んでいます。
こちらは延長コード
こちらはテーブルタップ
延長コードに延長コードをつなぎたいというケースはどんなときでしょうか?
電気器具に付属の電源コードだけでは足りず、延長コードを1本使用しますが、それでもまだ届かないために延長コードをさらに足すという場合です。
例えば、電気掃除機を使う場合、外で大工仕事や水まきなどの仕事をする際の機器を使用する場合、地下室で仕事をする場合などがあります。
電気機器の中には電源コードの長さが短いものもあります。あるいは電源コードがある程度の長さを有してもコンセントのある壁際に障害となる物があって結果的に十分な長さにならない場合があります。
手持ちの延長コードが短いものばかりで、所望の場所まで届かないため、手持ちの短い延長コードを足していく場合です。
延長コードがなく、テーブルタップでコードを延長したい場合です。延長コードが1本あってさらにつなぐ1本にテーブルタップを延長コードとして使用する場合と、テーブルタップを延長コードとして2本つなぐ場合があります。
延長コードの規格は、125V/10Aまたは125V/15Aです。
延長コードの後の方につなぐ電気器具の電気容量が100V/10A以下または100V/15A以下であれば、それぞれの電気器具に125V/10Aまたは125V/15Aの延長コードを2本連続接続しても基本的に問題ありません。
延長コードに延長コードをつないで大丈夫なケースを次に挙げます。
電気器具が100V/15A以下の場合、125V/15Aの規格の延長コードに125V/15Aの規格の延長コードをつなぐと大丈夫です。
電気器具が100V/10A以下の場合、125V/15Aの規格の延長コードに125V/15Aの規格の延長コードをつないでも大丈夫ですし、また、125V/10Aの規格の延長コードに125V/10Aの規格の延長コードをつないでも大丈夫です。
電気器具が100V/10A以下の場合、125V/15Aの規格の延長コードを上流側すなわち壁のコンセントに近い方にし、下流側に125V/10Aの規格の延長コードをつなぐのは大丈夫です。
電気器具が100V/15A以下の場合は、この組み合わせではつなげません。100V/15A以下の電気機器は必ず125V/15Aの規格の延長コードを用いなければならないからです。
上記の①と②のケースは、延長コードとしてテーブルタップを使用する場合も同じです。
いずれの場合でも、コンセントと差込みプラグ、および差込みプラグとプラグ受けの間にほこりなど異物が入らないようにすることが安全につながります。
テーブルタップに電気機器を複数台接続するときは、テーブルタップの規格に応じて、電気機器の合計の電気量が100V/10A以下または100V/15A以下であることが必要です。
すなわち、規格が125V/10Aのテーブルタップには、100Vの電気機器の複数台の電流の合計が10A以下であること求められます。規格が125V/15Aのテーブルタップには、100Vの電気機器の複数台の電流の合計が15A以下であること求められます。
延長コードに延長コードをつないで危険なケースは、前記の延長コードに延長コードをつないで大丈夫なケース以外のケースです。すなわち、
電気器具が100V/15A以下の場合、125V/15Aの規格の延長コードに125V/10Aの規格の延長コードをつなぐのは危険です。大丈夫なケース①に述べたことと同じです。
電気器具が100V/15A以下の場合、125V/10Aの規格の延長コードを上流側にして125V/15Aの規格の延長コードを下流側につなぐのは危険です。
電気器具が100V/10A以下の場合、125V/10Aの規格の延長コードを上流側すなわち壁のコンセントに近い方にし、下流側に125V/15Aの規格の延長コードをつなぐという組み合わせでも規格からは危険性はありませんが、上流側には規格の大きな延長コードにするということにしておけば安心です。
テーブルタップについても同じことがいえます。
また、各接続部にほこりなどの異物がある場合は危険です。
テーブルタップに電気機器を複数台接続するときに、テーブルタップの規格に応じて、電気機器の合計の電気容量が100V/10Aまたは100V/15Aを越える場合は危険です。
さらに付け加えれば、延長コードあるいはテーブルタップを何本もつなげていくことは、接続部がそれだけ増える分、安全面からは好ましくありません。
延長コードあるいはテーブルタップも電気用品の一つですから、電気代がかかるでしょうと心配する向きがあるかもしれません。
延長コードは、抵抗が非常に小さく負荷になりません。
したがって、延長コードに延長コードをさしても電気代に影響することはありません。
かなり厳密な話になれば、コードの長い方が短いものより、また細い方が太いものより抵抗が大きくなりますから、長くすると、厳密な測り方や何年という長期間でみると差が生じてくるかもしれません。また、延長コードを何本も繋げることも、接続部の抵抗が増すことになり、厳密には負荷が増えることになり、年に何銭のオーダーになるのでしょうが、電気代が上がる方向です。
それでは、延長コードに延長コードをつなぎたい時の参考になる商品を挙げてみましょう。
延長コードの構成で重要な部分はプラグとコードの取り付け部分です。ここがしっかりしたものを選びます。
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抜け止め機構を有しています。
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ほこり防止機能を有しています。
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延長コードに延長コードをつなぎたいという人の意図は、コンセントが遠いので長い延長コードがほしいが、手持ちの延長コードが短いからつなげようということであったり、テーブルタップのプラグ受けに数が少なくてテーブルタップを延長コードとして加えていこうとしたりする方が多いようです。
このような方は、無理に延長コードに延長コードをささなくても、少しお金がかかりますが、スマートに解決できます。
すなわち、長さがほしい場合は長い延長コードを使うことがよいですし、プラグ受けが少ないという不満でしたら、プラグ受けの個数の多いテーブルタップを求めることです。例えば、
長いコードで20mのものです。
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プラグ受けの多いテーブルタップで、10個のプラグ受けを有するものです。
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これらを有効に使うことで、問題解決ができる場合があります。
また、そのような対応により、接続部が多くなるために生じてくる安全性の懸念が消えるという利点も出てきます。
延長コードに延長コードをつないで使用しても問題ありません。その際、使用する電気機器の電気容量に応じて、延長コードの規格を選ぶことが必要です。延長コードに延長コードをつなぐときは、同じ規格の延長コードにするのが原則です。
テーブルタップを延長コードと同様につなぐことも問題ありませんが、電気機器の合計の電気容量が、テーブルタップの規格以下のなるように注意してください。
延長コードに延長コードをつないで使用しても問題ありませんが、基本的には、延長コードに延長コードをつないで使用することは避けた方が、安全性の見地からは、懸念が少なくなります。
延長コードに延長コードをつながないですむ方法を考えるのが適切です。テーブルタップについても同じことがいえます。