はじめまして、「しん」と申します。
私は音楽に精通しているわけではないのですが、イヤホンによって再現される音に違いがあることを知ってから自分に合ったイヤホンを探しています。
今回は2017年8月に発売されたYell Acoustic(エールアコースティック)社のBluetoothワイヤレスイヤホン「Air Twins(エアーツインズ)」について徹底レビューしたいと思います。
Yell Acousticは、デザインと音の融合を目指すオーディオブランドです。
デザインへのこだわりはAir Twinsを梱包している化粧箱からも見て取れます。
Air Twinsは開閉部分がマグネット式の化粧箱に梱包されています。開けるとこのような感じです。
カラーバリエーションはブラック、ホワイト、レッドの3色です。充電用Micro USBケーブルはホワイトのみのようです。
左右のイヤホンを繋げるケーブルは無く完全に独立しています。同梱品は以下のとおりです。
・Air Twinsイヤホン本体(出荷時にMサイズのイヤーピースが装着されています)
・バッテリー機能搭載ケース
・充電用Micro USBケーブル
・イヤーピース(シリコンイヤーピース:S、M、Lサイズ、低反発イヤーピース:1セット)
・取扱説明書(日本語表記)
バッテリー機能搭載ケースの大きさを表すために比較対象にたばこの箱を置きました(写真左上)。
ケースの上半分はスライド回転する仕組みになっていて、スライドさせるとイヤホン充電ポート(写真左下)とUSBポート(写真右下)が表れます。
持ち運ぶ時にはイヤホン充電ポートにイヤホンを差し込んで収納します。
イヤホンの重さは片方5gで、イヤホンを収納した際のバッテリー機能搭載ケースの重さは110gほどです。
オーディオコーデック:SBC
バッテリー容量:55mAh
電圧:3.7V
感度:93dB/mW
周波数:20Hz-20KHz
インピーダンス:16Ω
充電所要時間:約1時間
音楽再生時間:約3時間
(バッテリー機能搭載ケースをフル充電した場合、約20回の充電ができるので合計で約60時間の音楽再生に対応しています)
サイズ:φ15mm×21mm
質量:片方5g
Bluetoothバージョン:4.1
Bluetooth対応プロファイル:A2DP/HFP/HSP/AVRCP
通信距離:10m
充電容量:2800mAh(リチャージャブルリチウムイオン)
DC出力電圧:5V/1A、(MAX)5V/1.5A
DC充電電圧:5V/1A、(MAX)5V/1A
充電所要時間:約3時間
サイズ:φ82mm×27mm
重量:102g
使い始める前に充電する必要があるのですが、まずバッテリー機能搭載ケースを充電しないとイヤホンに充電ができません。
バッテリー機能搭載ケースのフル充電に約3時間、その後、イヤホンのフル充電に約1時間、合計で約4時間かかります。
バッテリー機能搭載ケースは付属の充電用Micro USBケーブルを使用してアダプターやパソコンからの充電ができます。
イヤホンはマグネット式でバッテリー機能搭載ケースのイヤホン充電ポートに接続して充電します。
イヤホンの充電所要時間は約1時間とのことでしたが、初めての充電にもかかわらず約30分ほどで充電中を示すLEDランプが消灯しました。
私が普段聞いている音源はCDから最小サイズのビットレート(128Kbps)で取り込んだMP3ファイルで、音質にはあまりこだわりがありません。音質を判断する音源が既に圧縮されていることをあらかじめご承知おきください。
今回音質を調べるにあたってクラシックを中心に聞いてみました。
Air Twinsの音質(音や声の品質)は、音源の再生状況が安定していれば全体的に悪くはないと思います。
高域と中域の音の再現性は高いものの、低域の音の軽さを感じました。
私が試用している環境ではどうしても右耳のイヤホンの音が途切れる現象を解消できず、音が途切れないにしても「ブツッ」といった雑音が入ることがありました。
高音域の音質を調べるにあたってクラシックの曲を聞いてみたところ、弦楽器の高音をはっきりと聞くことができました。
高域の音の再現性は高いと思います。
中音域の音は聞き取りやすく、J-POPのボーカルの声がはっきりと聞こえました。
中域の音の再現性は高いと思います。
低音域では音の存在は感じられますが、ずっしりとした重さは感じられず音が軽い印象を受けました。
私の耳では明瞭なクリアさは感じられませんでした。音がこもるということではないのですが、とても薄いオブラートに包まれたようなまったりとした印象を感じました。
完全独立型ワイヤレスイヤホンと、モバイルバッテリーとして使えるバッテリー機能搭載ケースの2つが10,000円以下で購入できるのでコストパフォーマンスは高いと思います。
完全独立型イヤホンなので使う時に絡まったケーブルをほどく煩わしさは無く、なおかつ、イヤホンの充電がイヤホンケースに収納している間にできるので使い勝手が良いと思います。
Air Twinsのイヤホンは無駄を省いたデザインで、バッテリー機能搭載ケースは丸形のシンプルなデザインです。
バッテリー機能搭載ケースをひと目見ただけではイヤホンケースだと思わないのではないかと思います。
ただ一つ難点なのは、ケースのイヤホン充電ポートがイヤホンを取り出しづらい形状になっていることです。
Air Twinsには一般的なシリコンイヤーピース(S、M、Lサイズ)と、低反発イヤーピースが1セット付属しています。
シリコンイヤーピースは、各サイズを着けてみて頭を左右に振ってみても外れることはありませんでした。
低反発イヤーピースは、シリコンイヤーピースよりもフィット感があり、頭を激しく振ってみても耳から外れにくかったですが、1時間半ほどつけていたら少し痛みや疲れを感じてきました。
シリコンイヤーピースのほうが長時間つけていても痛みや疲れは感じませんでした。
Air Twinsは耳から外れにくくはなっていますが左右のイヤホンが耳の穴にはまっているだけなので少し心もとなさを感じます。
Air Twinsのオリジナリティは、左右のイヤホンが完全に独立していることと、バッテリー機能搭載ケースのコンパクトで個性的なフォルムだと思います。
イヤホンのボタンで電源のオン・オフ、Bluetooth接続、音楽の停止、再開(音楽の再生は音源の端末側で操作する必要があります)が操作でき、電源のオン・オフ、Bluetooth接続などの操作に対しては音声で知らせてくれます。
電源のオンは、イヤホンの左右のボタンを同時に長押しすると青のLEDランプが点滅し、音声案内が流れます。
電源のオフは、片方のイヤホンのボタンを長押しするだけでももう片方のイヤホンの電源も自動的に消えます。
Bluetooth接続は、Air Twinsには一度接続登録したデバイスに自動でペアリングする「オートペアリング機能」が付いているので次回からはイヤホンのボタンを押すことで簡単に接続できます。
イヤホンは片耳(モノラル)での使用もできます。
しかし、Air Twins のBluetooth接続状態は不安定で右耳のイヤホンの音が途切れることがあります。
Air Twinsは音源の端末からBluetoothの電波をステレオでメインチャネルである左耳のイヤホンに送信し、その後、電波を振り分けてサブチャネルの右耳のイヤホンに転送する仕組みで、左耳のイヤホンから右耳のイヤホンへの通信が一時的に途切れる場合があるという注意書きが取扱説明書に記載されています。
頻繁に途切れる場合は、対処法として音源の端末のWi-Fi設定をオフにして左耳のイヤホンに近づけるように記載されています。
対処法を試したところ改善はされますが、机の上に置いたスマートフォンと左耳のイヤホンの距離が50cmしか離れていなくても右耳のイヤホンの音が途切れることがありました。
通話は左耳のイヤホンのみで行うので音楽を聞いている時よりも電波状態は良いです。通話品質は可もなく不可もなくといった感じです。
マイクは左耳のイヤホンに内蔵されているのでハンズフリー通話は非常に便利です。しかし、他者からは電話をかけているようには見えず独り言を呟いているように見えるかもしれません。ご自宅でのパソコンを使いながらの通話や、お料理をしながらの通話などに向いているのではないかと思います。
イヤホンのバッテリー切れが近づくと音声で知らせてくれます。
イヤホンケースがバッテリー機能を搭載しているので、イヤホンをイヤホンケースに収納している間に充電されるため煩わしさがありません。
遮音性は、中くらいの音量で周りの環境音が聞こえるので普通だと思います、逆に音漏れは、スマートフォンの音量を最大にして再生すると50cmほど離れた距離で歌詞が聞き取れるほどに聞こえます。低反発イヤーピースのほうがウレタンイヤーピースよりもフィット感が高いので音漏れが多少低減しているように感じました。
Air Twinsは、Bluetooth接続状態が悪い場合、「万が一頻繁に途切れる場合は、端末をメインチャネル(L)に近づけてみてください。」という注意書きが取扱説明書に書かれているので、スマートフォンなどの携帯端末に接続した利用シーンしか考えられていないように思います。
音が頻繁に途切れる場合は、音源の端末と左耳のイヤホンとの距離が近ければ音が途切れる頻度は減るので、例えば音源の端末がスマートフォンだった場合、男性であればジャケットの内ポケットにスマートフォンを収納する、女性であればバッグにスマートフォンを収納して左肩にかけるなど、音源の端末と左耳のイヤホンとの距離を近づける工夫が必要だと思います。
イヤホンは片耳(モノラル)での使用もできるので、左耳のイヤホンだけを使ってラジオを聞くのは手軽で良いかもしれません。
イヤホンケースがバッテリー機能を搭載しているので、Micro USB端子から充電する様々な電子機器に充電できるので旅行の際に便利だと思います。
私はJ-POPを中心に聴いていますが読書やパソコンでの作業を行う際にはBGM にジャズやクラシックを聴いています。
レビューを書くにあたってJ-POP、クラシック、ジャズの曲を聞き比べてみましたが、Air Twinsで聞く音楽のジャンルとしては、楽器の演奏がメインのクラシックよりも、ボーカルがメインのJ-POPやロックが向いていると思います。
Air Twinsは、使用環境を選ぶイヤホンだと思います。
左右完全独立型のイヤホン、モバイルバッテリーとして使えるバッテリー機能搭載ケース、それぞれが特徴的ではありますが、イヤホンのBluetooth接続状態が不安定で頻繁に右耳のイヤホンの音が途切れて音楽を聞くのにストレスを感じました。
なるべく安定した動作を求める場合、音源の端末のWi-Fi設定をオフにして左耳のイヤホンに近づける必要があります。
私のイヤホンの試用環境は以前レビューしたSoundPEATS社のQ9Aを試用した時と変わっていません。
Q9AもBluetooth接続のイヤホンですが、Wi-Fiの設定を気にせずに使うことができました。
私が試用したAir Twinsが故障していないとして、イヤホンのレビューの前提条件が両耳で聞くことができることであるならば、両耳で音が途切れることなく音楽を聞くことができないAir Twinsは低評価を付けざるを得ませんでした。