健康管理やダイエットに欠かせない体重計の存在。今や体重を測るだけでなく体脂肪率から内臓脂肪レベル、筋肉量といった体組成も測れる体重計が主流となっています。
筆者も体組成計を使用しているのですが、筋肉量はどのように測っていて、正確に測れているのか知りたいと思っていました。
今回の記事では、筋肉量と筋肉率のバランス、筋肉量の平均値、体重計の筋肉量はどのくらい正確なのかについて詳しく解説していきたいと思います。
また、おすすめの体重計についてもご紹介します。
筋肉とは、伸びたり縮んだりすることで身体を動かす運動器官の働きをしています。
身体のさまざまな部位を動かす「骨格筋」、心臓を動かす「心筋」、胃や腸などの消化管や血管を動かす「平滑筋」の3つに区分されています。
また、姿勢や体位を維持する働きのほか、熱を発生させて体温調節や体温維持を行って代謝を上げる働きや、外部からの圧力や衝撃を吸収し身体を守るといった保護を行うなど、人間の身体にとって重要な組織です。
筋肉量とは、「骨格筋」「心筋」「平滑筋」を含むすべての筋肉の全体量を表すものです。
つまり、体重は全身の重さになりますが、筋肉量は筋肉だけの重さになります。
参考元:筋肉量を知る重要性
人間は二足歩行で生活しているので、常に重力の影響を受けており、身体を支えるための筋肉が必要になります。
ところが、筋肉量が減ると、身体を支える力が衰えるため、転倒しやすくなったり怪我が重症化しやすくなります。
つまり、筋肉量が多いと、姿勢を維持するほか、歩いたり走ったりなどの運動器官を円滑に動すメリットがあります。
筋肉が活動する際に熱が発生します。例えば、運動した後は身体が熱くなりるので汗をかいたり、寒い場所では身体が震えて筋肉の細かな振動で熱を発生させて**体温調節を行います。
筋肉量が増えると熱が発生し、血液の循環がよくなり代謝が上がります。
代謝が上がることで、身体が消費するカロリー量が高まり、太りにくくなるメリットがあります。
筋肉量が増えると熱が発生して体温が上がり、血液の流れがよくなることで免疫力が高まります。
リンパ球などの免疫細胞は、体内に侵入した細菌やウイルスに反応して体外に排出する生体防御機能を司ります。
これらの免疫細胞を活性化するのが、筋肉内に蓄えられているグルタミン(アミノ酸)です。
したがって、筋肉量が多いと免疫力が上がり、怪我の早期治癒や病気になりにくくなるといったメリットがあります。
参考元:Sixth sense Lab
筋肉量とは、身体全体の筋肉の量を(kg)で表わすものであり、運動をよくしている人や体格が大きい人ほど大きい数字になります。
筋肉率とは、百分率(%)で表す数字であり、筋肉の量ではなく「割合」になります。体格に関係なく、数字が高いほど「筋肉質」ということになります。筋肉率が低いと脂肪が多いことになります。
筋肉の燃焼がよくできている理想的な体型です。これからも適切な食事摂取と有酸素運動を心がけていきましょう。
ダイエットに効果的な体型といえます。筋肉量が多いので、このまま運動を続け、脂肪を燃焼させて筋肉率を高くしていきましょう。
筋肉量が少ないので代謝が高くないため、太りやすい体型といえます。運動を行って筋肉量を増やして代謝を高めていくことで、筋肉率が高くなり痩せやすい体質に変わっていきます。筋トレやダンベル体操などをおすすめします。
運動不足の体型といえます。将来的に生活習慣病などに罹りやすいリスクがありますので、毎日の生活に有酸素運動を積極的に取り入れることをおすすめします。
参考元:岡崎げんき館
男女における年代別の平均筋肉量を調べてみました。計算方法は下記になります。
体重×体脂肪率=体脂肪量
体重-体脂肪量=除脂肪体重(脂肪を除いた体重)
除脂肪体重÷2=筋肉量
筋肉量÷体重=筋肉率
BMIとは、体重と身長の関係から肥満度を示す体格指数です。このBMIが24.9以下と25.0以上では筋肉量の平均が変わります。
BMI=体重(kg)÷{(身長m)×(身長m)}
また、厚生労働省による体脂肪率の平均目安は以下の通りとなっています。
●女性
BMIが24.9以下:20〜25%/BMIが25.0以上:30%
●男性
BMIが24.9以下:15〜20%/BMIが25.0以上:25%
平均体重47.3kg、体脂肪率(25~30%)
※10代の場合、平均筋肉率がなく、体脂肪率はBMI24.9以下の場合25%、BMI25.0以上の場合30%から(25〜30%)で計算
47.3kg×25~30%=11.8~14.1kg(体脂肪量)
47.3-(11.8~14.1)=35.5~33.2kg(除脂肪体重)
(33.2~35.5)÷2=16.6~35.5kg(筋肉量)
したがって、筋肉量の平均は16.6~35.5kgとなります。
平均身長158.0cm、平均体重51.6kg、平均筋肉率39%、BMI平均20.8
51.6kg×39%=20.1kg
したがって、筋肉量の平均は20.1kgとなります。
平均身長158.2cm、平均体重52.0kg、平均筋肉率37%、BMI平均20.8
52.0kg×37%=19.24kg
したがって、筋肉量の平均は19.24kgとなります。
平均身長158.0cm、平均体重55.5kg、平均筋肉率33%、BMI平均22.3
55.5kg×33%=18.3kg
したがって、筋肉量の平均は18.3kgとなります。
平均身長158.0cm、平均体重55.0kg、平均筋肉率30%、BMI平均22.4
55.0kg×30%=16.5kg
したがって、筋肉量の平均は16.5kgとなります。
BMI:24.9以下:14.0kg
BMI:25.0以上 :17.0kg
平均体重63.3kg、体脂肪率(25~30%)
※10代の場合、平均筋肉率がなく、体脂肪率はBMI24.9以下の場合20%、BMI25.0以上の場合25%から(20〜25%)として計算
63.3kg×20~25%=12.6~15.8kg(体脂肪量)
63.3-(12.6~15.8)=47.5〜50.7kg(除脂肪体重)
(47.5〜50.7)÷2=23.7~25.3kg(筋肉量)
したがって、筋肉量の平均は23.7~25.3kgとなります。
平均身長171.6cm、平均体重66.5kg、平均筋肉率44%、BMI平均23.1
66.5kg×44%=29.2g
したがって、筋肉量の平均は29.2kgとなります。
平均身長172.0cm、平均体重71.2kg、平均筋肉率37%、BMI平均24.0
71.2kg×37%=26.3kg
したがって、筋肉量の平均は26.3kgとなります。
平均身長170.8cm、平均体重70.6kg、平均筋肉率34%、BMI平均24.2
70.6kg×34%=24.0kg
したがって、筋肉量の平均は24.0kgとなります。
平均身長169.2cm、平均体重68.1kg、平均筋肉率31%、BMI平均23.8
68.1kg×31%=21.1kg
したがって、筋肉量の平均は21.1kgとなります。
BMI:24.9以下:22.0kg
BMI:25.0以上:24.0kg
筋肉量や筋肉率について、確認するために必要なものとは何でしょうか?
筋肉量と筋肉率を算出するためには、体脂肪率が必要であることが分かりました。
体脂肪とは、人間が身体を動かすエネルギー源になるもので、体温維持などを行うなど欠かせないものです。
体脂肪率とは、体重のうち、体脂肪の重さが占める割合のことです。
健康診断における肥満判定は、体重ではなくこの体脂肪率で判断しています。体脂肪率が高いと、高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病の原因となり、体脂肪を知ることで肥満予防など健康管理になります。
「体脂肪計」では、体重だけでなく体脂肪を計測する機能があり、気軽に調べることができます。
筋肉量を計測できる便利な体重計があります。メーカーや機種によりますが、体脂肪計の中に筋肉量を表示するものがあります。
また、最近では体脂肪計にかわり「体組成計」といった便利な体重計が登場しています。
「体組成計」とは、体重、体脂肪量だけでなく、筋肉量や基礎代謝、体水分率に至るまで様々な項目を測定することができる優れた体重計です。
筋肉量が減ると、脂肪が蓄積しやすくなるだけでなく、骨量も減少することがわかっています。骨量とは、骨全体に含まれるミネラルの量でありカルシウムの量を意味します。女性にとって骨量の減少は、骨粗鬆症などの病気の原因になります。
筋肉量を計算するためには、下記の計算式が必要です。
体重×体脂肪率=脂肪量
体重-体脂肪量=除脂肪量
除脂肪量÷2=筋肉量
筋肉量÷体重=筋肉率
このように、筋肉量を測るためには体脂肪率の測定が必要です。
体脂肪計や体組成計では、筋肉は電流を通しやすく、脂肪は通しにくいという性質を利用して、微弱な電流を流して脂肪の量を測っています。
例えば、筋肉が少なく脂肪が多い人では、電流が通りにくいため電流を流すための圧力(電圧)が大きくなります。流す電流の値と、検出される電圧の値を基に、電流の通りにくさ(電気抵抗値)を算出しています。
脂肪の多い人(筋肉の少ない人)→電気抵抗値が大きい
脂肪の少ない人(筋肉の多い人)→電気抵抗値が小さい
体脂肪率が測定できたら体重と掛け合わせて脂肪量を算出し、除脂肪量を求め、筋肉量を測るという仕組みです。
参考元:タニタ公式サイト
タニタの場合、エックス線を使った解析装置で、幅広い年代の男女1万人の体脂肪率をデータ化しています。このデータを基に、年齢や身長などに応じて電気抵抗値を補正し、体脂肪率を出しているとのこと。
体脂肪を初めて使う際、性別や身長、年齢を入力が必要なのはこのためです。
また、データ、抵抗値から体脂肪率を推定する計算式、体脂肪率の補正の仕方について、メーカーや機器によって異なります。したがって、同じ人でも違う数値が出る可能性があります。
また、測定のタイミングでも誤差が生じます。
朝は、就寝中の発汗で電流を通しやすい水分が失われるため、体脂肪率は高めになります。
食後は、電流を通さない物の重さが増えるため、体脂肪率が高めになります。
入浴後は体温が上がるため電気抵抗値が小さくなり体脂肪率が低めになります。
このように、体脂肪率は変化するものであり、体脂肪率を基に算出される筋肉量も多少の誤差が生じると考えられます。
正しく測定するためにも、毎日同じ条件で測定されることをおすすめします。
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いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、筋肉量を測るには体脂肪率が必要で、体脂肪計や体組成計で測定できることが分かりました。
また、筋肉量は体脂肪率で変動するため、正確に測るためにも毎日同じ条件で測定するとよいでしょう。
筋肉量が多いと、運動機能の維持のほか代謝や免疫が上がるので太りにくく病気になりにくいといったメリットがあります。
筋肉量の平均値や目安を知って、筋肉の量を増やすことを心がけることで、健康管理に大いに役立つと思います。