家電量販店でもネット通販でも、あまりにも多数の商品がある分野の一つがUSBメモリ。値段と容量の違い以外に選択肢はあるのでしょうか?
ここでは、そんな疑問にお答えし、USBメモリ選びの目安になるいくつかのポイントをお話ししたいと思います。
こちらの記事では、USBメモリとは何かを解説しております。ぜひ合わせてご覧ください。
USBメモリは、主にその容量の違いで多くの製品が発売されています。現在の売れ筋は16GB~32GB。コンピュータの世界ではメモリの容量は基本的に倍々ゲームです。16の次は32、その次は64、128、256と続きます。
コストと容量のバランスで、低価格向けには8GB、比較的コストパフォーマンスのいい大容量として128GBまでが現在の主流と考えていいでしょう。
半導体技術の進歩に伴い、Flashメモリチップ(USBメモリの中身)は大容量化し、1GB当たりの単価は年々低下しています。そのため、一昔前では考えられなかったような、256GB、512GB、1TB(1024GB)、2TBのような大容量USBメモリも発売されています。わたしが現在使用しているノートパソコンのSSDが128GB、デスクトップパソコンのHDDが1.5TBです。もう、USBメモリに負ける時代となりました。
みなさんも、今お使いのパソコンのSSD/HDDやスマートフォンの内部メモリの容量が、USBメモリを購入する際の一つの目安になるのではないかと思います。
USBメモリの容量と価格を考える目安として、1GB当たりの単価、があります。
8GBのUSBメモリは、価格的には16GBとそん色がありません。
1GB当たりの値段は割高に感じる場合があります。
16~32GBのUSBメモリは、1GB当たりの値段がおおむね40円前後、本体価格にすると600円(16GB)~1,200円(32GB)程度が最低価格帯です。先に述べましたとおり、半導体技術の進歩でFlashメモリチップが大容量化します(低価格化ではありません)ので、小容量のUSBメモリは市場から消えていきます。1GB、2GBのような小容量USBメモリは一世代前のメモリチップだったりしますので、USBメモリとしての販売価格は安くはなりません。
64GB~のUSBメモリの場合、1GB当たりの単価が30円、60円、120円のように複数のグループに分かれてきます。本体価格にすると、2,000円~6,000円が目安でしょう。同じ容量でも、対応するインターフェイス、データの読み書きのスピード、付加機能によって値段が異なってきます。
ちなみに、512GBを超えるようなUSBメモリの場合は、おおよそ100円/GB前後です。大容量のため本体価格は40,000円(512GB)~198,000円(2TB)程度の価格帯になります。
USBメモリは、その容量以外にも多くの選択肢があります。ここではいくつかのポイントを紹介しましょう。
USBメモリを"挿す"ための規格で、電気的な規格では、古くはUSB2.0、最近ではUSB3.0、USB3.1(Gen1)などがあり、新しいほど転送速度が速いです。ただしUSBメモリの挿さるパソコンやスマホ本体の対応にも依存しますので要確認です。なお、本体、USBメモリの両方が対応する規格で自動的に認識しますので、使えないという心配はありません。
物理的な規格としては、USB A(最も標準的)、マイクロUSB micro-B(マイクロUSB、Androidスマホで主力だった)、USB Type-C(最新のスマホで使用される)、Lighteningコネクタ(iPhone/iPad)などがあり、USB Aのみの対応が最も安価です。最近では、パソコンだけでなくスマホにも対応できるように、複数のコネクタを持つものも販売されています。
USBメモリは、小さくて抜き挿し出来てデータの移動などとても便利。その反面、扱いを間違えると紛失の危険もあり、中のデータの保護も重要。そのために、中のデータの暗号化機能を備える商品も存在します。メモリを紛失するよりも、データの保護のほうが重要、主に企業や個人事業主の方におすすめです。ただし、価格はあきらかに高くなります。
USBメモリを購入する目安としては、目的に合った容量のほかに、接続したい機器のインターフェイスやその使用目的(個人/法人、機密情報の有無)に応じて、購入価格も検討しましょう。
ここからは、用途別のUSBメモリの容量の目安について考えてみましょう。
一般的な音楽や画像は、WAV/AAC形式やJPEG形式です。これらは圧縮フォーマットとも呼ばれ、比較的ファイルサイズが小さくなるように規格されています。
一つのファイルで数MB(MBはGBの1024分の1)程度ですので、8GBのUSBメモリでも数千の音楽や画像を保存することができます。音楽CDなら数百枚のアルバムです。
転送速度が遅くても、小容量なら少しの時間で我慢できますので、低価格な8GBをお薦めします。
なお、今流行りのハイレゾオーディオや一眼デジカメのRAWデータは、各ファイルがいっきに大容量化しますので、別途④に書きます。
動画の場合、その解像度、圧縮フォーマット、総時間でファイルサイズが大きくかわります。
DVD (HD、MPEG2フォーマット、120分)では最大9.4GBです。MPEG4やHEVCフォーマットで圧縮すると小さくなりますが、やはり一つのファイルで数百MB~数GBが目安になってきます。購入される場合は、最低64GBを目安に、できれば128GB以上をお薦めします。
今お使いのパソコンのHDD/SSDの容量はどれくらいでしょうか?ご自分のファイルだけをバックアップするのか、それともOSやアプリケーションまで丸ごとバックアップしたいでしょうか?
このあたりの使い方によってUSBメモリの容量が変わりますが、今お使いのHDD/SSDの半分以上が目安になると思います。これで十分に音楽や画像、ご自身で作成されたファイルのバックアップは可能だと思います。
①でありました音楽や画像と一線を画すのが、今流行りのハイレゾオーディオや、一眼デジカメや高級コンデジでサポートされるRAWデータ(受光部のイメージセンサーが検出したデータを無加工で保存)。ファイルサイズとしてはまさに一桁違いますので、最低64GB、快適に使用する場合には128GB以上を目安に購入しましょう。また、ファイルサイズや最大保存容量が増えますので、データの転送時間も長くなってきます。少し高くてもデータ転送が速いものを選ぶのもポイントです。
まず低容量USBメモリとしては、何よりも低価格戦略。ショップによっては600円を切る価格で販売されていることも。そんな中でも、世界でもFlashメモリで有名な企業は、韓国Samsungとわれら日本の東芝であり、その東芝が放つ格安USBメモリです。USB2.0なのでスピードに期待はできません。
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暗号化に対応した、USB3.0のセキュリティーUSBメモリーです。ノーマルなUSBメモリとの価格差はおおよそ10倍。それでもデータを頻繁に持ち出したり共有したりするような、企業人や個人事業主の方には、お薦めします。しっかり暗号化してオフィスの外に持ち出しましょう。
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8GBのUSBメモリで紹介したものとの違いは、メモリ容量とインターフェイスの違いです。容量が大きくなってくるので転送スピードも考えてUSB3.0を一つの目安です。それでも、1,000円を切るようなとにかく低価格が魅力です。
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まだまだ、Androidスマホで使用されるマイクロUSB(USB microB)にも対応し、スマホとパソコンの間でのデータのやり取りに便利な一品です。スマホの機種変更のときのバックアップにも使えます。USB3.0で高速転送にも対応しています。
iPhone/Android/パソコン対応の拡張メモリ装置。USB/マイクロB/Lightningのそれぞれのコネクタに対応し、相互の機器間でデータのやり取りに使用できます。特に、iPhone/iPadに対応したUSBメモリは種類が少なく、手元に一つ持っているとお友達とのデータ交換にも便利です。1GB当たり100円が購入の目安になっています。
USB 3.0/3.1に対応する高速USBメモリです。Xperia/Galaxy/Nexus/Zenfone/Huawei P/New MacBook Pro/ASUS Chromebook等、最新のUSB Type-C搭載のデバイスに対応します。今後、Type-Cへ統一されることを見込んだ先進の商品です、デザインも◎。
Amazon.co.jp限定のパッケージですが、お手頃価格でありながら、USB3.1 & USB 3.0の高速読み書きに対応。スライド式キャップは、さりげなく使い勝手いい商品です。寿命のあるUSBメモリに対して、無期限保証付きもポイントの一つ。
USB3.0 OTG対応、Type-CコネクタですのでAndroidスマホで使用できます。Type-Cコネクタは今後の標準になっていきますので、お手元に一つ用意しておくのがいいと思います。スマホで使う場合、USBメモリのサイズが小さいほうが扱いやすく、またなによりカッコいいデザインというのがこの商品の購入の目安になります。
親指サイズの小型設計で、ノートパソコンに挿しっぱなしにしても最小限の出っ張りでの運用が可能です。USB3.0対応で最大150MB/sというスペックですので、モバイルノートパソコンのSSDの拡張用にデータ保存領域として最適です。
Apple Certified (Made for iPhone)認証済み、iPhoneやiPod touchなどでも使用できますが、本来はiPad Proのような大容量デバイスにお勧めします。4k動画のバックアップなどにいかがでしょうか。
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USB3.1インターフェイスを搭載した高速USBメモリ、無期限保証も付いています。ノートパソコンのSSDを拡張する、またフルバックアップにも使用できる容量です。
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同じくサンディスクですが、こちらは大容量でありながら標準的なスピードです。この商品の最大の魅力は何といってもコストパフォーマンス。1GB当たりの単価は30円前後になりますので、データ保存用に最適です。
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USB3.1/3.0 最大読込380MB/s, 最大書込70MB/sと書き込みスピードは遅いですが、最大の特徴はその価格。既に25,000円を下回る価格で販売されており、コストパフォーマンスは抜群です。動画などの大容量データを保存するのに最適です。
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USB3.0/3.1 Gen1対応の高速読み書きがが特徴。価格なりの価値ある一品です。スピードを活かして、単なるデータ保存だけでなく、内蔵ストレージの拡張にも使用できます。5年保証なのでガンガン使いましょう。
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1TBを超えるUSBメモリは、現在ほとんど選択肢がありません。このくらいの容量になってくるとUSBインターフェイスである必要性が薄れてきます。そんな状況の中で頑張っているのが、Kingston DataTraveler Ultimateシリーズ。USB 3.1 Gen 1対応の高速タイプであり、高級感もあります。10万円を超える価格は本当に高価ですので、5年保証が活きてくる商品です。
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ここでは、世の中にある無数のUSBメモリを全て紹介できる訳ではありません。また、半導体技術の進歩と共に、今後発売される新型USBメモリについても、今ご紹介することは不可能です。そんな中で、購入を検討されているみなさんに、今出来るUSBメモリの容量と商品選びの目安を、用途に別けてここで紹介したいと思います。
パソコンから他のパソコンへのデータの移動や、他の方にデータを共有したい場合、基本的にはデータ量は多くなく、また頻度も高くないと思いますので、低価格小容量のUSBメモリで十分に活躍してくれることとも思います。1,000円以下の8GB程度でいいと思います。
ただし、法人や個人事業主が使用する場合には、セキュリティ対応のモデルを選択しましょう。何かあってからでは、手遅れになります。
パソコンやスマホのバックアップ目的であれば、容量が適切であれば読み書きのスピードは重要ではありません。64GB程度の低価格なUSBメモリがひとつの目安ではないでしょうか。
主にパソコンのHDD/SSDの容量不足を補うためには、読み出し/書き込みのスピードも重要になってきます。またUSBメモリの容量は、HDD/SSDと大きく違わないことも使い勝手に影響します。最低128GB以上で、読み書きのスピードにこだわりのあるタイプが必要になります。
今回は、USBメモリの容量と購入に際しての目安に関してお話してきました。
年々、低価格、大容量、高速化の進化を遂げるUSBメモリは、その容量だけでなく目的や使い方によっては安価なものでも十分に使いこなせる場合もあります。
USBメモリを、低価格低容量の書き換え可能なデバイスとみるか、もしくは、大容量なバックアップデバイスとみるか、SSD/HDDの追加容量とみるか、それぞれの、みなさんの購入されたい目的に応じて、適切な選択の一助になればと思います。