たまに絵を描いたり、工作したりするので、結構色々な紙に印刷する機会があります。今回の記事はその経験が少し反映されています。 最近はコピー機というと、コンビニやスーパーに置いてあるものがほとんどですが、昔は個人でやっている書店や文房具店の片隅にも置いてありました。 こういったコピー機は今よりも禁止事項が少なく、自由に使えたんですよね。
Written By 八色 さかえ
冒頭から昔話で恐縮ですが、私が小学生のころは、夏休みの宿題に絵日記が出されました。
描くための用紙として配布されたのは、あらかじめ枠線が印刷された画用紙でした。
それで、ありがちなのですが、これを紛失して非常に困りました。
最終的には友達に紙を借りて、コピーさせてもらった記憶があります。
今ならプリンターで印刷すれば、簡単に作れます。
他のちょっとした掲示物なども、手軽に作れて便利です。
ということで、今回はプリンターで画用紙を印刷する方法について解説します。
当たり前ですが、プリンターで扱える用紙サイズ以上の画用紙は使えません。
家庭用のインクジェットプリンターは、用紙の最大サイズはほとんどがA4ですから、その範囲に限定されます。
それ以上のサイズを印刷する場合には、2枚以上に分割して印刷するぐらいしか方法がありません。
A3サイズが印刷できるインクジェットプリンターもありますが、A4対応モデルよりも割高です。
実際、A4対応モデルは1万円以下で買えるのに対し、A3対応モデルは最低でも1万5,000円します。
複合機なら倍の3万円です。
特に給紙トレイから印刷するプリンターの場合、印刷できる用紙が限られがちです。
できれば、許容範囲が比較的広い手差し印刷ができるプリンターが良いでしょう。
印刷できる厚さの限界値はプリンターごとに異なりますが、大体0.25~0.30mmの範囲です。
参考までに、ハガキの厚さは約0.22mmで、一般的な画用紙の厚さは約0.25mmです。
詳細については、マニュアルを確認するか、メーカーに問い合わせるかすると良いでしょう。
特にインクジェットプリンターの場合、画用紙に印刷できても、インクがにじむことがあります。
そのほか、発色も若干ぼやけた感じで鮮明さに欠けたり、インクのノリや定着が悪いこともあります。
たくさん印刷するのであれば、事前にテストプリントした方が良いでしょう。
とりあえず、まずは普通紙を指定しましょう。
それで印刷できなかったら、違う紙を指定しなおします。
特に給紙トレイを使わず、手差しトレイから印刷する場合は、普通紙を指定しても問題なくできることが多いです。
普通紙で印刷できなかった場合は、画用紙に近い厚さの紙を指定してみましょう。
一般的な画用紙の厚さは約0.25mmです。
プリンターメーカー各社の印刷専用紙では、マット紙や写真用紙が近いです。
はがきや封筒もわりと近いので、こちらを設定しても良いでしょう。
普通紙でもマット紙でも印刷できる場合は、印刷の色合いが若干異なることもありますので、好きな方を選べば良いと思います。
そのほか、印刷品質レベルを変更したりするだけでも、色合いが変わります。
納得がいくまで、何度か試すと良いでしょう。
最も簡単なのは、手差しトレイです。
手差しトレイはサイズフリーな構造になっていることが多く、ほとんどの場合、画用紙のサイズに合わせてガイドをセットする程度で印刷できます。
用紙の許容範囲も広く、プリンターによっては、ルーズリーフのような穴が開いている状態の紙でも印刷可能です。
さらに、ドライバの設定に用紙のこすれを軽減する項目があれば、プリントヘッドと用紙の間隔が広くなるので、印刷しやすくなります。
ただ、手差しトレイが短く、画用紙を支えきれずに垂れ下がってしまうことがあります。
枚数が少ない場合は手で支えれば十分ですが、何枚も印刷する場合は支えになる厚紙などをトレイに貼り付けるなど、若干の工夫が必要です。
また、引き出しのような形状のカセット型トレイの場合は、プリンターにもよりますが、基本的にトレイに収まるサイズであればセットできます。
A4やB5など、JIS規格に沿ったサイズであれば、確実です。
JIS規格ではない八つ切りの画用紙などの場合は、トレイの構造に左右されます。
用紙ガイドを紙のサイズに合わせてスライドさせてセットするタイプのトレイであれば、用紙ガイドの可動範囲内に収まればセット可能です。
ただし、カセット型トレイは手差しトレイに比べて厚さの許容範囲が狭く、画用紙によっては上手く印刷できないこともあります。
また、四つ切の画用紙はA3以上のサイズですので、そもそも家庭向けのプリンターでは印刷できません。
ごく普通に、文房具店やホームセンターで売っている画用紙に印刷が可能です。
ただ、インクが少しにじんだり、鮮明さに欠けたりはします。
このほか、画用紙とは若干異なりますが、水彩画に使う水彩紙にも印刷ができます。
ただし、毛羽立ちの多い紙は、インクヘッドに毛羽が付着してかすれて印刷されてしまうことがあります。
そうかと言って、表面がツルっとしたケント紙のような紙に印刷すると、インクのノリが悪かったりします。
確実に印刷したいなら、インクジェットプリンター用の水彩紙を使うと簡単です。
なお、パソコンで描いた線画を画用紙に印刷して、絵の具で着色したい場合は、耐水性のある顔料インクの方でないと、インクが水に溶けます。
万全を期したいのなら、レーザープリンターで印刷するのが確実です。
いずれもプリンターごとに仕様が微妙に異なりますので、事前にテストプリントした方が良いでしょう。
こちらもレーザープリンター専用の画用紙を使うのが、最も簡単です。
アレコレ確認する必要もなく、そのままセットして使えます。
普通の画用紙の場合は、手差しトレイが付いているものなら、印刷できる可能性が高いです。
ただ、プリンターごとに仕様が異なりますので、事前にマニュアルで使える用紙を確認した方が良いでしょう。
使える用紙の一覧に画用紙が含まれていなくても、印刷できる厚さをクリアしていれば、印刷できます。
ただし、厚さは良くても、エンボス加工のしてある紙は印刷不可など、例外もあります。
マニュアルを良く確認しましょう。
レーザープリンターの場合、ドラムに詰まって故障になることもありますので、ご注意ください。
画用紙は厚さがあるので、普通紙よりも紙詰まりが発生しやすいです。
インクジェットもレーザーも、対処方法はそれほど違いはありません。
まずは、詰まっている紙を破かないように、ゆっくりと引き出します。
これで取り切れない場合は、カバーを開けて給紙ローラーに詰まっている紙を取り除きます。
インクジェットプリンターの場合は、インクヘッドの下に紙が詰まっていることもあります。
この場合は、インクヘッドを移動させて取り除きます。
インクヘッドの移動方法はプリンターごとに異なりますが、大体は手で移動させるか、特定のボタンを押して移動させます。
給紙トレイの奥に詰まることもありますので、給紙トレイを外して、中を確認しましょう。
詰まった紙が残っていると、再度詰まる原因になるので、良く確認してください。
四つ切の画用紙などA3以上のサイズは、一般家庭向けのプリンターでは1枚に印刷できません。
2枚以上に分割して印刷するぐらいしか、方法はありません。
1枚に印刷するには、業務用の大型プリンターがあるところで印刷するほかないです。
キンコーズなどの出力サービスの専門店を利用するのが、良いでしょう。
1枚でも対応してくれますし、持ち込んだ紙でも印刷できます。
お店まで遠くて行けなくても、ネット上から注文が可能です。
事前にどんな用途に使うのか伝えれば、それに合った方法で印刷してくれます。
手持ちのプリンターで印刷できるのかよくわからない場合も、こういったサービスを利用すれば簡単で確実です。
自宅にプリンターがない場合、コンビニのコピー機で印刷しようと思う人もいるでしょう。
コンビニのコピー機ならA3まで対応してますので、八つ切りの画用紙にも印刷が可能です。
しかし残念ながら、コンビニのコピー機では手差し印刷は禁止されています。
画用紙など用紙を持ち込んで印刷することも、できません。
大学が近いコンビニだったりすると、コピー機が複数台置いてあったりして、手差し印刷が可能だったりするのですが、そういうところはごく稀です。
また、たとえ手差し印刷ができたとしても、万一持ち込んだ画用紙がドラムに詰まったりして、不具合を起こした場合に自分で対応できなくてはいけません。
最悪の場合、故障することもあり得ますので、おすすめしません。
スマートフォンやパソコンが普及しても、やはり日付を確認するには紙のカレンダーを見る人もいると思います。
自分で印刷すれば、家族の写真など好きな絵柄が入れられます。
カレンダー部分のフォーマットも自由自在です。
最初から家族の誕生日や結婚記念日など、個人的な記念日を記載できます。
画用紙で作れば厚みがありますので、しっかりしたものができます。
画用紙を円形に印刷し、それを2枚貼り合わせれば、うちわとして使えます。
強度をアップさせたい場合は、ダンボールなどを芯材にすると良いでしょう。
うちわの骨があれば、それに合わせて印刷し、貼り付ければOKです。
暑い季節を好きな絵柄のうちわで、楽しく涼しく乗り切れます。
紙で作るプラモデルのようなものです。
物によっては、かなり精巧な作りになっており、紙製とバカにできません。
個人的におすすめは、航空自衛隊の3D紙飛行機です。
航空自衛隊の戦闘機などを作れるPDFデータが、無料で公開されています。
これをプリンターで画用紙に印刷して、組み立てます。
切り取ったり、貼り合わせたりするので、カッターナイフやのりが必要です。
結構細かいので、作る手間がかかりますが、その分完成した時の達成感があります。
紙飛行機なので、飛ばすこともできます。
ただ、画用紙だと厚みがある分だけ重いので、あまり飛ばないかもしれません。
プリンターで画用紙に印刷する方法について、色々と紹介してきました。
しかし、これはあくまでも一例にすぎません。
というのも、プリンターはモデルごとにそれぞれ仕様が異なります。
手差し印刷に対応しているプリンターでも、モデルごとに印刷できる用紙が微妙に異なります。
インクもモデルごとに異なります。
にじみや発色の違いで、仕上がり具合に差が出ます。
画用紙も色々で、厚みや紙質が異なります。
このため、どのプリンターでも一様にこうすれば印刷できる、とは断言できません。
ある程度は予測できますが、はっきりしたことは実際に印刷してみないことには、わかりません。
前項の繰り返しになりますが、プリンターも画用紙も、それぞれ微妙に異なります。
ですから、これなら大丈夫、と断言できない点が多々あります。
それでも、最初からいきなり画用紙をセットして印刷することは可能です。
それで印刷できれば、問題ありません。
しかし、プリンターによっては紙詰まりで故障することもありますので、個人的にはおすすめしません。
事前にマニュアルで印刷できる紙の厚さを確認してから、印刷した方が良いでしょう。
そこまで調べるのが面倒であれば、プリンター専用の画用紙を買うか、出力サービスに依頼するのが簡単です。
参考元
- いろいろな用紙のプリント設定 | 学ぶ | エプソンのフォトポータル | エプソン
- よくある質問(FAQ)|エプソン | こすれ軽減の設定方法について教えてください<Windows 8/8.1/10>
- 紙の厚さについて|教えて!紙博士|紙通販ダイゲン
- 紙の厚さを表す「kg」や「g」について 【画材の通販は画材販売.jp】
- 紙のサイズついて「紙について」のまめ知識:印刷の職人さん
- 水彩紙に印刷してみた - アート・ワン
- レーザープリンターで画用紙に線画を印刷・水彩絵の具で着彩してみました | 猫はあなたと遊ばない