今回は、SONY XBA-A1について徹底的にレビューしたいとおもいます。SONY XBA-A1は2014年10月24日に発売されました。SONYのXBAシリーズの音作りは多くの人に受けが良く、以前から評判がありました。今回のAシリーズも音質がとても良く、かなりの販売台数が出た商品です。また価格によるクラス分けも的確で様々な年代層が手を出しやすい商品であるとも言えます。
・ハイブリッド2ウェイドライバー
・新開発リニアドライブバランスド・アーマチュア
・シンメトリックアーマチュア
・ダイレクトドライブ構造
・重低音のリズムを正確に再現するビートレスポンスコントロール
・ドライバーユニット一体型制振ハウジング
・銀コートOFC線を採用
・独立グラウンドケーブル
・シリコンフォームイヤーピース
・からみにくいセレーションケーブル
・持ち運びに便利なキャリングケース付属
ヘッドホン部 (1)
型式: 密閉ハイブリッド
ドライバーユニット: ハイブリッド2ウェイ(9mmダイナミック+バランスド・アーマチュア)
感度: 107dB/mW
再生周波数帯域: 5Hz-25,000Hz
インピーダンス: 24Ω(1kHzにて)
最大入力 (2): 100mW (IEC)
コード長: 約1.2m、銀コートOFCリッツ線
コードタイプ: Y型
入力プラグ: 金メッキL型ステレオミニプラグ
質量 (3): 約7g(ケーブル含まず)
付属品: イヤーピース、ハイブリッドイヤーピースSS,S,M,L(各2)、シリコンフォームイヤーピース,S,M,L(各2)、保証書、クリップ、キャリングケース、コード長アジャスター
(1): レシーバーのある製品はレシーバー部を含みます
(2): IEC(国際電気標準会議)規格による測定値です
(3): コードは含みません
まずは、SONY XBA-A1のデザインを見てみましょう。
私がこのSONY XBA-A1で一番気に入っているデザインは左右非対称のカラーリングです。L側はラインとL表示の部分がシルバーになっていますが、R側ではその部分が赤になっています。これがデザイン的にオシャレなポイントなのですが、この左右非対称のカラーリングは、左右の見分けが簡単につくという副次的なメリットを生み出しています。これによって装着時にかかる時間が数秒短縮されています。短縮時間は数秒ですが、毎日使っているとこの恩恵は日々積み重なっていくのを感じます。このSONY XBA-A1を使い始めてから3年以上が経ちますが、非常に丈夫です。というのも、まずイヤホン本体とケーブルの部分がシリコン素材の部品によって保護されているため、断線が非常に起きにくいです。イヤホンの故障の原因の上位にランクインする断線ですが、その大半はイヤホン本体とケーブルの接続部分か入力プラグ部分です。さらに、入力プラグ部分も金メッキL型ステレオミニプラグが採用されているので、この部分も断線しにくい仕様になっています。外観は塗装がなされていますが、この耐久性も優れているように感じます。3年も使っていると結構そのままカバンに放り込んでしまったりしているのですが、なかなか塗装が剥げません。部分的にはいくつも傷は入っているのですが、この扱いでこの状態は全然許容範囲であると思います。
※イヤホンの徹底レビューをする際は、公平を期すためデジタルオーディオプレイヤー (DAP) をSONYのZX-1に固定しています。
耳に刺さることのない安定した高音域を流してくれます。女性ボーカルの声や合唱曲などは結構耳に刺さるような音になってしまいがちなのですが、SONY XBA-A1ではそのようなことがほとんどありません。SONY XBA-A1の強みであるリッチな重低音域といい相乗効果を発揮しています。もう少し高音域を主張してもいいと思うことはありますが、SONY XBA-A1にとってはこれがベストパフォーマンスなのでしょう。
つややかな中域を再生してくれます。ボーカルの声はどことなくうるおいがあるように感じます。ほかのイヤホンで同じ曲を聴いていたときは、ボーカルの背後で奏でられる楽器の音色に意識が集中していたのが、SONY XBA-A1に変更してみたところ、ボーカルの声の余韻が気持ちよくて感動したのを良く覚えています。現代の日本で、クラシックやサウンドトラックなどのボーカルなしの音楽しか聴かないという方は少ないと思います。だとしたら、このSONY XBA-A1は一度は試していただきたいイヤホンだと言えるでしょう。
とてもふくよかな重低音域を奏でてくれます。ただただドンドン、ズンズン鳴らすチープなイヤホンとはわけが違います。音の良さなんて私には分からない、という方でも絶対に気が付くクオリティーの違いがあります。このSONY XBA-A1のふくよかな重低音を一番感じるのは、ダンディーな声を持つアーティストの楽曲だと思います。例えば、2014年のグラミー賞受賞曲であるBlake Sheltonの「Mine Would Be You」なんかはSONY XBA-A1の良さが存分に発揮されます。Aメロのボーカルの声の響きはなかなか再現しにくい部分だと思いますが、SONY XBA-A1はまるで水を得た魚のように得意げに、かつ余裕をもって鳴らします。
下の写真を見てください。
耳に装着してみるとやや左右に飛び出した絵になりますが、装着している私本人はそれほど耳に重さを感じるようなことはありません。ユニバーサルタイプのイヤホンですので、全体として耳に完全にフィットするような形状ではありませんが、使用感は良好です。少なくとも、3年使い続けているうちで、不快に感じることは一度もありませんでした。
遮音性が弱みだと私は感じています。音質や表現力が優れているが故に、この遮音性の欠点が目立って感じるのかもしれません。この大きさでこれだけの音を鳴らせるが故に、その力強さを抑えることができていないように感じます。ですので、カフェや図書館でリスニングをする際は少しばかり音漏れに注意が必要です。電車の中だからといって大音量でリスニングすることもおすすめしません。
濃密な音を堪能することができます。SONY XBA-A1の音を体験してしまうと上位モデルが気になってしまうことでしょう。
透明感というよりもコンサート会場で聴いているようなどっぷりとした音作りの傾向があります。
2017年9月30日現在価格ドットコムで13,700円です。この価格でこのクオリティーなら「買い」です。
ふくよかな中域と重低音域が特徴のSONY XBA-A1はリスニングの楽しみに改めて気付くことができる優秀なイヤホンだと思います。高級イヤホンへのエントリーモデルとして購入するのはおすすめできます。このイヤホンで音の深みを知ることができると思います。そして、音楽の聴き方も徐々に変わってくるのではないかと思います。