自宅のエアコンをダイキン製にしたのは、エアコンに自動掃除機能が付くようになって5年ぐらい経過した頃でした。 当時はまだ今ほど自動掃除機能が普及していなかったようで、設置してくれた業者さんには「一般家庭で自動掃除機能付きエアコンを設置するのは珍しい」なんて言われました。 でも、この機能が付くと、本当にエアコンの手入れが楽になります。
Written By 八色 さかえ
ダイキンは、世界シェア1位の空調専門メーカーです。
開発から生産まで一貫して行っており、その技術力と信頼性の高さは世界的にも知られています。
家庭用エアコンでもそれは同様で、他社に比べて価格が高いにも関わらず、売上ランキングの上位に入り評判も良いです。
口コミサイトでも他社よりも基本性能が優れている、という評判が多いです。
私の自宅のエアコンもダイキンですが、以前使っていたエアコンよりも穏やかにしっかり効くところは素晴らしいです。
ただ、良いところばかりでもなく、それなりに弱点もあります。
ということで、今回はダイキンのエアコンについて、長所も短所も含めて評判や実際に使った感想などを紹介していきます。
撮影:八色さかえ
口コミでダイキンのエアコンを選んだ理由として、最も多くみられるのは、そのタフさ。
故障が少ないのはもちろんですが、厳しい環境下でも動作するという点で評判が良いです。
ベーシックモデルでも暖房は外気温-15℃、冷房は同じく45℃でも動作します。
他社の場合、暖房は20℃以下、冷房は43℃と記載しているところがほとんどです。
特にダイキンのように暖房の動作温度の下限を明確に記載しているのは、主要なエアコンのメーカーでは日立だけです。
寒暖の差が激しい環境でも使えるという理由で、ダイキンを選ぶ人が結構います。
空調専門メーカーであるダイキンのエアコンは、部屋全体の温度を均一にすることに主眼を置いています。
これを実現するための機能としては、冷房時に天井に向けて送風を行う「風ないス」や、気流を広範囲に届ける「立体気流」などがあります。
ダイキンのエアコンは、温度だけではなく湿度も調整します。
通常のエアコンでは設定温度に到達すると、運転を停止してしまうので、湿度が上がって蒸し暑くなってしまいます。
これを解消するには、設定温度を下げる必要がありますが、そうすると今度は寒くなってしまいます。
ですが、ダイキンのエアコンは設定温度に到達した後も、除湿を継続しますので、同じ設定温度でも快適です。
設定温度を下げませんので、消費電力が増えず、結果として節電につながります。
口コミにはこの点についての評判がほとんど見られないのですが、ダイキンのエアコンの最大の特徴は実はココです。
冬場にエアコンで暖房をかけると、乾燥するのが悩ましいところです。
そうでなくても空気が乾きがちな季節なのに、それに拍車がかかってしまいます。
風邪の原因にもなりかねません。
しかし、ダイキンのエアコンには加湿機能が搭載されており、暖房しても室内が乾燥しにくいです。
外気中の水分を室外機から取り込んで加湿するので、給水の必要もありません。
この機能が付いているのは、ダイキンのエアコンだけです。
ですので、口コミでもこの機能が欲しくてダイキンのエアコンを選んだ、という人が結構います。
ただ、評判は良いと悪いの両極端です。
撮影:八色さかえ
口コミで良く見かけた評判の一つです。
冷暖房ともに効きが良く、快適だという意見が多く見られました。
ダイキンのエアコンは他社よりも使用できる外気温が厳しく設定されており、全体的にタフな作りになっています。
これはグレードに関係なく、ダイキンのエアコンであればどんなモデルにも言えることです。
他社に比べると、価格が高めで値引きもあまりしませんが、それだけの価値があります。
ダイキンのエアコンはグレードが下がるごとに、機能が減るというわかりやすい構成になっています。
このため、最も安いグレードのEシリーズは機能的に最もシンプルで、価格もお手頃です。
口コミの評判では、アレコレ機能が付いていない分だけシンプルで操作が簡単で良い、という意見がありました。
ダイキンのエアコンでは最上位グレードのうるさら7だと加湿機能もあり、確かに多機能で素晴らしいです。
しかしその一方で、操作が複雑になるというデメリットもあります。
これが特に高齢者には面倒だという声もあり、シンプルさを求めるのであれば、Eシリーズがおすすめです。
Eシリーズは機能が少ないだけで、エアコンとしての基本性能は他社の同クラスのモデルと比べて見劣りしません。
ただし、他のシリーズはすべて日本製なのに対し、このEシリーズは大半が中国製です。
ダイキンのエアコンには、いくつかフィルターが付いています。
Eシリーズでは2種類のフィルターが用意されています。
しかし、同じEシリーズでも住設モデルには、光触媒集塵・脱臭フィルターが同梱されていません。
他のシリーズの住設モデルにはすべて同梱されているのですが、このEシリーズだけは別売りです。
しかも、他のシリーズに比べてフィルターのサイズが一回り小さい上に、フィルタの寿命も他は10年なのに3年と短くなっています。
口コミの評判を見ると、この点が不満だという意見が複数ありました。
ちなみに、この光触媒集塵・脱臭フィルターは、ネット通販で1,700円ぐらいで売っています。
Eシリーズはダイキンのエアコンとしては最も安いのですが、それにはこうした理由もあるのですね。
撮影:八色さかえ
ダイキンのエアコンには、Cシリーズから自動掃除機能が付いてきます。
エアコンの手入れで面倒なフィルター掃除をする必要がなく、楽で良いと口コミでも評判が良いです。
私の自宅で使っているのもこのFシリーズで、確かに掃除の手間が省けて楽です。
以前は、最低でも月一ペースで掃除が必要でした。
しかし、自動掃除機能が付いてからは、冷暖房が切り替わる時期に一度だけやれば済むようになりました。
自動掃除機能はダイキン以外のメーカーでも、中位グレード以上なら大体付いています。
掃除して取れたホコリすら自動で捨てる機能まで付いているエアコンもあり、これだと本当に掃除の手間が少ないです。
ダイキンのエアコンにはFシリーズから「プレミアム冷房」という、湿度調整機能が搭載されています。
これは冷房で設定温度に到達したら、一旦冷房を停止し、除湿だけ行う機能です。
湿度が上がらなければ、温度を下げなくても快適に過ごせますので、設定温度を下げる必要がありません。
ですから、消費電力も抑えられます。
ただ、除湿をするということは電力を使うということで、言うほど違いがあるのか疑問だという口コミもあります。
しかし、冷房の設定温度を下げて寒くなるのが苦手な人には、快適と評判が良いです。
家電メーカーのエアコンはセンサーやカメラで効率的な温度調整して節電しようとしていますが、ダイキンのエアコンはあくまでも空調による節電に重きを置いています。
この辺りは空調専門メーカーらしい姿勢です。
撮影:八色さかえ
エアコンの加湿機能は、ダイキン独自の技術です。
そして、この機能を搭載しているのは、ダイキンのエアコンの中でも最上位グレードのうるさら7だけです。
他社にも似たような機能がありますが、それは「加湿」ではなく「保湿」する機能で、湿度を高めることはできません。
うるさら7を選ぶ人は、大体この機能を目当てにしています。
しかし、口コミサイトでの評判は、賛否両論な感じです。
冬場にエアコンで暖房を入れても空気が乾きにくいという良い評判もあれば、動作音がうるさいとか、加湿器ほど湿度が上がらないといったよくない評判もあります。
前項で紹介したFシリーズは、奥行きが30㎝と少し大きいです。
しかし、うるさら7の奥行きはそれを上回り、なんと40㎝近くあります。
口コミの評判でも性能は良いけど、この飛び出した感じに違和感があるという意見がありました。
ただ、ダイキンのエアコンに限らず、最近のエアコンは奥行きがあります。
これは省エネ能力を向上させるために、エアコン内部の熱交換機のサイズが大きくなったせいです。
うるさら7の場合は、自動掃除や加湿の機能が付いているので、余計に奥行きが大きくなっています。
とはいえ、全体的なデザイン自体はシンプルなので、口コミサイトでもそれほど気にならないという人もいます。
ちなみにこの奥行き感を解消しようと、ダイキンは2018年に「risora(リソラ)」という新モデルを発売しています。
このrisoraの奥行きは、うるさら7の半分以下です。
もしかすると、今後はもう少し薄いモデルが登場するかもしれません。
うるさら7は加湿機能が付いている分だけ、他のシリーズよりも室外機が大きめです。
ダイキンのエアコンではコンパクトな部類に入るEシリーズに比べ、幅は約40㎝、高さは約50㎝、奥行きは約30㎝大きいです。
マンションのベランダなどに設置すると、かなり存在感が出てしまうこともあります。
また、室外機が大きいということは、重量があるということでもあります。
さらに、加湿機能が付いているおかげで、取り付けるホースが余分に必要です。
このため設置業者の中にはダイキンのエアコンの性能は認めるものの、このうるさら7については設置が面倒なので、敬遠する人もいるようです。
口コミサイトでダイキンのエアコンの加湿機能についての評判を見ると、暖房しても喉が痛くならないという意見を良く見かけました。
暖房の乾燥は冷房の底冷えと並んで、エアコンを敬遠する理由として良く聞くことです。
しかし、ダイキンの加湿機能付きエアコンなら、このような問題を解消できます。
上手く機能させれば、低い設定温度でも体感温度を高めることができ、節電も期待できます。
冬場の乾燥したシーズンでも喉や肌が潤い、風邪予防や美肌にも有効です。
エアコンの暖房は乾燥するので、加湿器を使っている人も多いと思います。
しかし、ダイキンの加湿機能付きエアコンなら、それが不要になります。
外気から水分を取り込んで加湿するので、給水の必要もありません。
加湿器は結構スペースを取りますし、掃除も面倒です。
小さな子どもがいる家では、ぶつかってケガする危険もあります。
そういう点で、ダイキンの加湿機能付きエアコンは便利です。
口コミサイトでも床がスッキリして、手入れも楽になったと評判です。
ダイキンが提示している加湿機能付きエアコンの加湿量は、モデルごとに多少異なりますが、おおむね1時間あたり750~500ml程度です。
これは加湿器とほぼ同じ加湿量になります。
しかし、うるさら7の加湿機能は、外気から水分を取り込んで加湿します。
つまり、外気に水分がないと加湿できないのです。
寒さが厳しい地域など、外気が乾燥している環境下では、加湿機能がフルに効果を発揮できない可能性があります。
実際、口コミサイトの評判では思ったほど加湿されないので、エアコン機能しか使っていない、という人がいました。
加湿機能はダイキンのエアコンの目玉なだけに、何とも残念なことです。
撮影:八色さかえ
私の自宅では2012年に、S28NTFXS-Wというダイキンのエアコンを購入しました。
フィルター掃除をするのが面倒で、自動掃除機能付きのエアコンを探した結果、これになりました。
当時のFシリーズは、ダイキンのエアコンで自動掃除機能が付いている最も安いモデルでした。
加湿機能は自宅に加湿器がありますし、当時は冷房だけ使うつもりでしたので、全く選択肢にありませんでした。
ダイキンを選んだのは、自宅のメンテナンスで何かとお世話になっている地元の建築屋さんのおすすめだったからです。
口コミサイトでも同じような感じで、ダイキンを選んでいる人が結構います。
それで、肝心の機能性についてですが。
冷暖房ともに、部屋全体がムラなく均一の温度にする、という点では優れています。
これはダイキンのエアコンの長年のポリシーなのだそうですが、口コミサイトの評判ではこの点について明確に評価する意見が見当たりませんでした。
その代わりに「パワーがある」とか「効きが良い」という評判を良く見かけました。
おそらく、これが部屋が均一に空調されているのと同じ意味なのかもしれません。
風向きの設定次第では、エアコンから出る気流が直接身体に当たらないようにもできます。
私は冷え性持ちなので、これが非常に助かります。
ただし、暖房は冷房ほど均一感がなく、天井が暑くなりがちです。
自動掃除機能は本当に便利です。
これまで月一ペースで掃除していたのが、冷暖房が切り替わる時期に一度掃除するだけで良くなりました。
しかし、エアコンのフィルター周りの部品が多いのと、構造が少し複雑なのが難点です。
特にエアコンの前面パネルは、ハメ込みを外すのが難しいです。
力の入れ加減によっては、ハメ込んであるツメを折ってしまうのではないかと、ヒヤヒヤします。
これは最近のモデルでも変わっていません。
もう少し簡単に取り付けられるようにしてくれると、良いのですが...
それから、内部クリーン機能も不満です。
これはエアコン内部を乾燥させてカビやニオイを防ぐ機能なのですが、稼働時間が2時間と長いのです。
就寝前に電源を切ると、これが始まってしまいます。
動作音は昼間ならそれほど気になりませんが、寝るにはうるさいです。
鬱陶しいので、最近はたまにしか使っていません。
これも口コミサイトで、同様の意見を見かけました。
Eシリーズの2017年住設モデル。
6畳程度の部屋向けです。
ネット通販の価格は、約45,000円。
ダイキンのエアコンでは最下位グレードですが、基本的な機能はそろっています。
ダイキンのエアコンのウリの一つである、タフさも健在です。
シンプルさと5万円以下というお手頃価格もあり、口コミサイトには多数の評判が寄せられています。
除湿機能が付いているので、冷房を良く使う人には向いています。
注意点としては、まず自動掃除機能がなく、フィルター掃除は自分で行う必要があることです。
さらに、住設モデルの場合は光触媒集塵・脱臭フィルターが別売りです。
フィルターのサイズも他のモデルより小さく、寿命も3年で短くなっています。
量販店モデルのAN22UESには、フィルターが同梱されています。
フィルターの価格はネット通販では1,700円程度です。
そのほか同じEシリーズでも量販店モデルは、4.0と5.6kWクラスのモデルのみ日本製で、住設モデルはすべて中国製です。
Cシリーズの2018年住設モデル。
ネット通販の価格は約60,000円。
前項のS22UTESより、一つ上のグレードに当たります。
口コミサイトの評判としてはS22UTES同様、ダイキンのエアコンらしいタフな作りで冷暖房ともに効きが良い、という意見が見られました。
Eシリーズとの主な相違点は、「風ないス」と自動掃除の機能が追加される点です。
風ないスとは、気流を身体に直撃させない機能のことです。
冷房の時は天井に向けて、暖房の時は床に向けて、それぞれ気流を送ります。
冷房で足元が冷えたり、暖房で頭がのぼせたりするのを防げます。
また、自動掃除機能が付いているので、フィルター掃除が楽です。
ダイキンのエアコンで、自動掃除機能が付いている安いモデルが欲しい人におすすめです。
そのほかEシリーズ同様、モデルごとに生産国が異なります。
住設モデルはすべて日本製ですが、量販店モデルは4.0kWクラス以下は中国製となっています。
うるさら7の2018年住設モデル。
ネット通販価格は、約10,0000円強。
こちらも6畳程度の部屋向け。
うるさら7のモデルとしては、最も安価です。
ウリは何といっても、うるさら7にしか搭載されていない加湿機能です。
他社にも保湿機能はありますが、加湿ができるエアコンはダイキンだけです。
口コミサイトでも、この機能が欲しくて購入したという評判が多く見られます。
上手く使いこなせば、設定温度が低くても温かく感じるので、節電もできます。
うるさら7はダイキンのエアコンではフラッグシップモデルであり、機能が全部盛りです。
冷暖房ともに下位グレードのモデルにはない、きめ細かな気流制御機能があり、より効率的な温度調整ができます。
ただし、加湿機能の分だけ奥行きがあり、動作音がやや大きいという評判もあり、人によっては気になるかもしれません。
フラッグシップモデルらしく、シリーズの全モデルが日本製で信頼性は高いでしょう。
インターネットの世界は広大です。
今回記事内で参考にさせていただいたダイキンのエアコンについての評判や口コミも、ごく一部に過ぎません。
また、評判や口コミは第三者がするものであり、その判断基準は人によって様々です。
したがって参考にはできますが、その内容が必ずしも自分に当てはまるとは限りません。
ですから、それだけで判断せずに、マニュアルや実物を見るなど、異なる角度から見ることも必要でしょう。
なお、ダイキンのエアコンには工務店などの住宅設備業者が取り扱う住設モデルと、家電量販店で取り扱う量販店モデルがあります。
価格が微妙に異なりますが、それは付属する配管の長さが違うためで、性能的には同じです。
基本的には安い方を選んで構いません。
最後に、この記事の内容に関して疑問があれば、お問い合わせフォームからお問い合わせください。
随時、加筆・修正の対応をさせていただきます。
ダイキンのエアコンは、他社と比べると確かに高価です。
値引きもあまりしません。
しかし、それに見合うだけの性能があります。
口コミサイトの評判では、故障が少ないという意見が何件かありました。
仕様によれば、動作保証期間は10年となっていますが、実際にはそれを越えて動作していることもあるようです。
これはエアコンとしての基本性能が、しっかりしているからこそでしょう。
ただし、ダイキンのエアコンには家電メーカーのような親切さに欠ける部分もあります。
そこは好き嫌いが分かれるかもしれません。