アコースティックピアノと電子ピアノの違いを解説!どっちがおすすめ?

この記事を執筆するにあたって

ディジタル技術検定1級制御部門に合格しており、電子回路などの知識があります。

Written By kikuchi d

目次

アコースティックピアノと電子ピアノの違いについて解説します

方式ごとに違うピアノのしくみ

ピアノ購入を検討する場合、アコースティックタイプが良いか、電子ピアノが良いか悩むポイントです。

どちらを選ぶにしても、ある程度仕組みや違いを知って置いた方がベターな事は違いないでしょう。

と言う訳で、今回はアコースティックピアノと電子ピアノの違いや、選択のポイントを解説します。

アコースティックピアノと電子ピアノの違い

ピアノの違いとは

違い① 発音方式の違い

アコースティックと電子式、その違いの大きな部分は、何と言っても発音の原理にあります。

弦を叩く打音が基本のアコースティックピアノ

アコースティックピアノの原型は、音に強弱を付けにくいと言うチェンバロの特性を改良するため、ハンマーで弦を打って鳴らす方式に改良したものです。登場したのは1709年の事でした。

今でも継承されているこの発音方式は、弦の振動、響きなど、ピアノの音色に豊かな魅力を与える理由ともなっています。

引用元:ピアノのしくみ:音が出るしくみ - 楽器解体全書 - ヤマハ株式会社

電子回路が音を合成する電子ピアノ

電子ピアノは、そういったアコースティックなピアノの音響を、電子回路内部で行う信号処理により再現するものです。

最近では、高級なグランドピアノを実際に鳴らして、その音響をデータとして取り込んだ(サンプリングといいます)電子ピアノが主流です。

そのデータを、演奏者が押すキーの動きと関連させ、どう再現するかと言うのが、楽器メーカー各社の技術の見せ所となっています。

違い② 構造的な違い

複雑で重くなりがちな機構のアコースティックピアノ

アコースティックピアノの鍵盤からハンマーを動かす仕組みを、アクション機構と呼びます。

実は、この機構には、鍵盤のキーから指を離した時に弦の振動を止めるダンパーなど、様々な仕組みが組み込まれています。

アコースティックピアノの重量がかさむ理由の1つは、キー1つ1つにつながった、このアクション機構にあります。

構造的には簡素で軽量化しやすい電子ピアノ

電子ピアノのキーは、普通の電気的接点(つまりスイッチ)で構成することも可能で、かなりシンプルかつ軽量に作る事ができます。

また、弦の振動を共鳴させる音響的な仕組みは必ずしも必要ないので、その部分でも軽量化が可能です。

電子ピアノではなくアコースティックピアノがおすすめな人

アコースティックピアノがおすすめな人は

それでは、迷った時にアコースティックピアノを選んだ方が良いのは、どのような人でしょうか。

① 本当の鍵盤タッチを表現したい人

ピアノの音色は、ハンマーが弦を叩く強さによっても確実に変わります。また、キーを押し下げて音が鳴るまでの感触やタイミングも、アクション機構独特の有機的なものがあります。

そういったピアノ本来の演奏感や表現を楽しみたい、あるいは、それを学びたいと言う人は、アコースティックピアノを選ぶ方が良いと言えるかも知れません。

② 音の響きに拘る人

アコースティックピアノは、弦の振動を共鳴板や本体響かせる事で、複雑な味わいの有る音を生み出します。

これは、電子機器のソフトウェアや回路では、簡単に再現できないものです。

そういった豊かな音響に拘りが有る人も、アコースティックピアノが向いていると言えるでしょう。

③ ペダルの操作感に拘る人

ピアノには3つのペダルがあります。それらは、アクション機構へつながっていて、ピアノの音を伸ばしたり音色を調整するものです。

それを踏み込んだ時の重さや効き具合、タイミングなどは、演奏する上での大きな要素になります。

本格的なペダル操作を学びたい人などは、やはりアコースティックピアノに拘った方が良いと言えそうです。

アコースティックピアノではなく、電子ピアノがおすすめな人

電子ピアノがおすすめな人は

では、電子ピアノを選ぶポイントはどのようなものでしょうか。

① ピアノの置き場所に制限がある人

何と言っても、小型軽量であるのが電子ピアノのメリットです。

しかも、最近の電子ピアノは様々な技術により、アコースティックの音質に迫るものを再現できるようになっています。

居住スペースなど、現実的な問題を考慮した時には、電子ピアノを選ぶ理由は十分あると言えるでしょう。

② DTMやバンドで使いたい人

電子ピアノのもう1つのメリットは、他の電子機器と直接つなげる事が出来ると言う点です。

PCで自動演奏(DTM)をする場合、ライブ演奏でアンプにつなぐ場合など、電子ピアノにはアコースティックに無い大きな利便性が有ります。

③ 幅広い音色で演奏したい人

電子的に音を合成する電子ピアノは、普通では触れないようなグランドピアノの音から、オルガンの音まで生み出せるものがあります。

こういった音の幅広さは、アコースティックピアノでは味わえない面白味の1つと言えます。

幅広い音色で多様な使いかたをする人などは、電子ピアノが適しているでしょう。

アコースティックピアノと違いがあまりないおすすめ電子ピアノ

それでは、電子ピアノのなかでもアコースティックに迫る性能があるものを、3機種ご紹介します。

ローランド デジタル ピアノ V-Piano Grand GP-7-PES

Roland ローランド デジタル ピアノ V-Piano Grand GP-7-PES 88鍵

限りなくアコースティックのグランドピアノに近づけた、ローランド電子ピアノの最上級機種が、この『GP-7-PES』です。

この電子ピアノの大きな特徴は、ピアノの仕組みや音響特性をモデル化して内部に組み込んだ、『V-Pianoテクノロジー音源』と呼ばれる発音システムでしょう。

若干余談になりますが、現在では制御工学などの分野でも、取扱う対象の物理特性をモデル化(数式化)し解析する事で、最適な制御を行う手法が普及しています。

この『GP-7-PES』は、そういったモデリング技術を、楽器に応用した製品だと言えます。

この電子ピアノの内部は、全ての鍵盤に数式モデル化した仮想的な弦が張られていて、それを仮想的なハンマーが叩く動作を、電子的な演算で再現しています。

このために、アコースティックピアノの音を再生するだけのサンプリング方式には難しい、弦同士の干渉や弦のうねりといった響きの再現も、精密にできるようになっています。

さまざまなピアノの音成分(ハンマー・アクションからのノイズ成分、弦そのものの振動など)を、ピアノ本体の最適なエリアで再生させる音響システムも相まって、現状で限りなくアコースティックに近い電子ピアノの一台であるのが、この『 V-Piano Grand GP-7-PES』です。

公式サイト

YAMAHA Clavinova CLP-635B

ヤマハ 電子ピアノ(ブラックウッド調) YAMAHA Clavinova(クラビノーバ) CLP-635B

ピアノの演奏者にとって、鍵盤のタッチが重要な要素である事は言うまでもありません。

この『Clavinova CLP-635B』は、鍵盤にグランドピアノ同様なハンマーを採用し、その戻りにバネを使わない鍵盤アクションを搭載した電子ピアノです

これにより、低音域では重く高音域では軽いグランドピアノの鍵盤タッチを忠実に再現した機種となっています。

内臓された音源は、アコースティックピアノの生音データをより多くサンプリング(録音)しており、本物のピアノが発する深い余韻などを生み出す事が可能です。

さらに、タッチの強弱で音色が変化すると言うピアノの特性を、可能な限り自然に再現します。

また、『アコースティックオプティマイザー』機能により、ボディ内部の音の流れが調整され、自然な響きを作りだします。

引用元:公式サイト

KAWAI CA48R

KAWAI カワイ / CA48R プレミアムローズウッド調 電子ピアノ

グランドピアノの鍵盤は、弱く最後まで押さえ切った時に小さなクリック感を指先に伝えてきます。

この電子ピアノ、『カワイ CA48R』は、そういった繊細な感触も演奏者に対して再現するため、グランドピアノと同じシーソー式の構造を持つアクション機構を搭載しています。

また、3つのペダルもグランドピアノの操作感を解析した上で、それを再現するよう設計されています。

音響的には、カワイ自身が製造しているグランドピアノを細密に録音(ステレオサンプリング)した音源を使用。より本物のピアノに近づく工夫がされています。

電子ピアノの利点としては、豊富な設定変更ができる『コンサートチューナー機能』もあります。

この機能は、ハンマーの硬さ、鍵盤タッチなどの10パターンの設定から、演奏者が用途に応じ選ぶ事ができるものとなっています。

引用元:公式サイト

アコースティックピアノと電子ピアノの違いについて疑問が残ったら

ピアノの選択にまよったら

現在では、電子ピアノもかなり進化していて、一般的なレベルでは、本物のアコースティックピアノと比べても、そん色の無い音を出していると言えます。

しかし、楽器の演奏には繊細な感覚が大切なのも事実。カタログやウェブサイトを見るだけでは、その電子ピアノが本当にアコースティックの代わりになり得るかは、判断しきれないものでしょう。

その様な時は、実物を実際に演奏するに越した事はありません。

楽器販売店へ出向けば、在庫しているピアのを弾き比べる事もできますが、多くの機種をじっくり比較したいなら、メーカーのショールームに行く事もおすすめです。

ピアノメーカー各社とも、下の様なショールームでユーザーが実物を検討できる体制を整えています。

まとめ

しっかり比較して自分にあったピアノを

アコースティックピアノは、弦をハンマーで叩いて音を出します。その音は、ピアノ本体が共鳴する事で、豊かな響きを生み出しています。

現在の電子ピアノは、そういったピアノの音響特性や、ハンマーを駆動する鍵盤の感触までを、様々な技術を駆使して再現しています。

また電子ピアノでは、複数機種のグランドピアノの音色をデータとして記憶しているので、設定の変更により幅広い表現が可能でもあります。

最終的に、アコースティックと電子ピアノの違いは、演奏する人の感覚により判断する事になりますが、各メーカーはショールームなどで実物を試せるようにしています。

そういった場所も利用しつつ、各種ピアノの違いをじっくり見極めて、自分にあった一台をみつけてください。

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kikuchi d
実は深くて広い(?)家電の世界を探求しましょう!
家電やAV機器の中身や仕組みなども、できるだけ明確に解説できたら良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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