マイクの感度とは何か解説!iPhoneやAndroidのマイクの感度は調整可?

この記事を執筆するにあたって

第一級陸上無線技術士の免許を持っており、電気や信号の知識が有ります。

Written By kikuchi d

目次

マイクの感度について解説します

マイク 感度

電話やAIスピーカーなど、音声認識の技術が定着するにつれ、日常生活の中でマイクを使う事が増えています。

一言でマイクと言っても、それぞれ、特性や性能が決められていて、用途にあった物を賢く選ぶ必要が有ります。

そういった特性の中で代表的なものの1つが『マイクの感度』。

今回は、マイクの感度の意味や、感度に関する様々な事柄を詳しく解説します。

マイクの感度とは?dbで表される数値の意味は?

マイク 感度

マイクの感度とは?

マイク(マイクロフォン)は、音響(音圧)を電圧に変換する装置です。マイクにおける感度とは、一定の音響を受けたときに、そのマイクがどの程度の大きさの電気信号を発生する事が出来るかを示すものです。

端的に言えば、感度の高いマイク程、小さい音をより良く電気信号に変換する、という事になります。

日本においては、日本工業規格(JIS)の『JISC5502 マイクロホン』において、感度の測定方法が決まっています。

引用元:マイクロフォン感度の理解

dbの値が変わるとどうなるの?

マイクの感度は、『db(デシベル)』という単位の数値で表示されます。dbは、比率を加算や減算を使って計算できる数学的な方法です。

マイクの感度の場合は、1パスカルの音圧を受けた時1Vの電圧を出力する(1V/1Pa)という基準性能との比率を表しています。

参考のために計算式を示すと、以下の様なものになります。

感度(db)= 20 × log10 (マイク性能 / 基準性能)

1/2はー6db、1/10はー20dbに

一般的なマイクは、上記の基準性能より低いものとなり、感度にはマイナスの符号が着きます。

db表示の簡単な例を挙げると、以下の通りです。

マイクの性能が基準性能の1/10、つまり1パスカルの音圧に対して0.1Vの電圧を出力するのであれば、感度は-20dbです。

また、マイク性能が1/20(0.05V/Pa)である時は、-26db(-20db-6db)となります。

この様に、比率が足し算・引き算で計算できるのが、デシベル表示における利点の1つと言えます。

実際の性能としては、-40〜-50dbの感度を持つマイクが多い様です。

引用元:オーディオ・コンポーネントの感度の理解と測定

角度や音の高低でも感度が変わる!?

マイクには、音の入って来る角度によって感度が変化するタイプが有ります。この感度の変化パターンを指向性と呼びます。

指向性の例としては、前面からの音に感度を高くした『単一指向性』や、前と後ろなど2方向からの音に感度が強い『双指向性』などが有ります。また、全方位からの音を均等に拾う事ができる『無指向性』のマイクも有ります。

もう1つ、感度に関わる事項として周波数特性というものも有ります。これは、音の周波数(波長、音程)に対してマイク感度が変化するパターンの事です。

マイクの性能により、それが出力する電気信号の周波数成分に偏りが生まれると、音質が影響を受けます。

マイクの周波数特性は、その構造によって傾向が分かれるので、用途に合わせて適宜選択する必要が有ります。

マイクの感度が高い方が良いケース

マイク 感度

マイクは、感度によって用途が分れます。感度が高いマイクが適している用途を上げると、以下の様なものとなります。

① スタジオ録音

一般的に言って、感度の良いマイクは、(内部の振動版の質量が小さいなどの理由で)拾う事が出来る周波数も広範囲になりやすいと考えられます。

スタジオで生楽器を録音する場合、特に音源からマイクを離して設置する時などは、感度と周波数特性が良いマイクが適しています。

この用途には、『コンデンサ形マイクロフォン』が多く使われる様です。

② 防犯用途・ウェブカメラ

防犯カメラや、PC用のウェブカメラなども、音源から離して設置される事が多いので、マイクには一定の感度が必要となります。

また、この用途には、小型軽量で実装し易い事も求められます。

こういった場合は、『エレクトレットコンデンサ形マイクロフォン』が多く使われる様です。

③ 産業用・測定

街中などの環境を調べる上で、騒音レベルを適切に測定する事が必要な場合が有ります。そのための装置が『騒音計』と呼ばれるもので、これもマイクによって周囲の音を拾う構造になっています。

騒音計に使われるマイクも、感度と周波数特性が良く小型化にも有利な、『エレクトレットコンデンサ形マイクロフォン』が多く使われる様です。

マイクの感度が低い方が良いケース

マイク 感度

用途によっては、マイクの感度があまり高くない方が良い場合も有ります。

① ボーカル・スピーチ

カラオケのボーカル用マイクや、カンファレンスのスピーチ用マイクなどは、音源(人の口元)に近づけて使用されます。

この場合は、マイクが受ける音圧がかなり高くなる瞬間も想定され、感度が良すぎると音が割れてしまう事が多くなります。これは、マイク自体の出力範囲ではカバーできない音量を拾うためです。

こういった用途には、マイクの感度はある程度控えめな方が良いと言えます。

大音量を拾う事が想定される場合は、感度などの性能はやや劣っても、壊れにくい『ダイナミック型マイクロフォン』などが、多く使われる様です。

② 電話

携帯電話などでも、マイクと音源の距離が近くなるので、感度が良過ぎると音割れを起こしやすくなります。

マイクのタイプとしては、小型化が出来るという理由から、『エレクトレットコンデンサ形マイクロフォン』が多いと思われます。

iPhoneのマイクの感度はどのくらい?設定を調整できる?

マイク 感度

iPhoneのマイクの感度

iPhoneを使っていると、通話相手から声が遠いと言われる事が有ると思います。

上記の通り、通話用の内臓マイクは、比較的感度は控えめに設定されていると考えられますが、通常の通話で特に声が聴きづらいという場合は、マイクから適切に音声が取り込まれていないかもしれません。

iPhoneには、携帯電話の時に使用される底面マイクの他に、カメラ機能などと連動する前面および背面のマイクなど、複数のマイクが搭載されているので、それらを塞いだりしている物がないか、先ずチェックしましょう。

設定は調整できる?

残念ながら、現状のiPhone本体には、マイク感度を直接設定できる機能は無い様です。

公式ページのマニュアルの中に書かれている『ボイスメモ』の仕様を読んでも

録音レベルを調節する: マイクを録音対象に近付けます。録音品質を良くするには、最大レベルを –3 dB 〜 0 dB にする必要が有ります。

と書かれているので、通話時の音声についても、口元とマイクの距離を近くする事で対応する事になります。

ただし、録音に関しては、App Storeで入手できるアプリ、『ディクタフォン- 音声レコーダー』など、マイク感度の調整機能を仕様で謳っているものも有ります。

この場合は、iPhoneのバージョンなどとの関係で使用できない事も有るので、確認が必要です。

Andoridスマホのマイクの感度はどのくらい?設定を調整できる?

マイク 感度

Androidスマホのマイクの感度

Androidは、多様な端末にインストールされていますが、やはり音割れを防ぐという理由から、通話用のマイク感度は控えめに設定されていると考えられます。

設定は調整できる?

ただ、その感度については、機種によると設定が可能な場合が有ります。Xperia端末の場合は、『設定』→『音設定』→『アクセサリー設定』を選ぶと、『マイク感度』のメニューが現れます。

ただし、OSバージョンや機種の違いで、この設定が無い場合も考えられるので、注意が必要です。

加えて、『PCM録音』などのアプリにも、マイク感度調整機能が有り、録音時の音割れなどを防ぐために使えます。

マイクの感度について疑問が残ったら

マイク 感度

感度を参考にしながらマイクを選ぶ時でも、やはり気になるのは音質でしょう。

マイクの音質は、感度やその他の性能とのバランスで決定される面が有ります。したがって、自分の用途にあった感度がどの位のものか、が選択する上で問題となります。

それを判断する参考として、マイクの形式と性能を大まかに分類すると、以下の様になります。

  • ダイナミック型:感度は普通程度で大音量に対応可能な上にタフ。反面、高い周波数まで拾うのは苦手。
  • コンデンサ型:感度がよく周波数範囲も広く対応するが大音量は苦手。特別な電源が必要でプロ向け。
  • エレクトレットコンデンサ型:感度が良く周波数範囲が広いが大音量は苦手。電源は乾電池程度のもので動作可能。

以上の様な見方を参考にしていただくと、各メーカーのカタログを読み解いて、目的にあった感度のマイクを選択する助けになるでしょう。

まとめ

マイク 感度

マイクの感度について解説しました。

マイクの感度は、いくつか有るパラメータの内の1つであり、必ずしも感度が高ければ良いというものではありません。用途に合わせて、適切な感度のマイクを選ぶ必要があります。

感度に加えて、その他の性能も吟味しつつ、最適なマイクを選択する様にしましょう。

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この記事を書いた人

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kikuchi d
実は深くて広い(?)家電の世界を探求しましょう!
家電やAV機器の中身や仕組みなども、できるだけ明確に解説できたら良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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