モニターヘッドホンとは?普通のヘッドホンとの違いやおすすめを紹介

この記事を執筆するにあたって

1980年代の最後のオーディオブームでは、レコードからCDへの切り替わり、アナログからデジタルへの変革期を経験しました。昨今のハイレゾオーディオブームをうれしく、新鮮に感じる次第です。

Written By キイ @

目次

モニターヘッドホンとは何かを解説します

この記事は「モニター ヘッドホンとは?」を説明したいと思います。
昨今のHi-Res audioブームもあり、ハイレゾ音源へのエンコードや有料配信、ハイレゾ音源を再生できるハイレゾポータブルオーディオ機の普及と相まって、より良い音を求める人々から、音楽の作成現場で重宝されてきたモニターヘッドホンが注目されています。
収録されている音源の情報を、忠実に再現することを目的として開発、販売されているモニターヘッドホンを、個人が音楽視聴に使用する時代になってきました。

モニターヘッドホンとは?

モニターヘッドホンとは、DTM(Desk Top Music=パソコンと電子楽器をMIDIなどで接続して演奏する音楽、あるいはその音楽制作行為の総称)、スタジオレコーディングなど、プロの音楽制作の現場には欠かせない、小さな音から大きな音まで再現する高解像度、低音から高音までを忠実に再生するフラットな周波数特性、ライブな原音を忠実なまでに再現する音質が特徴の、プロ仕様のヘッドホンです。
音楽の作成現場で扱う、各種の音素材について「鑑賞(楽しむ)」するのではなく「チェック」するために使用されるのが、モニターヘッドホンです。
モニターヘッドホンは、プロ仕様ではありますが一般に市販されているモデルも少なくありませんので、プロではない方々でも普通に購入することが可能です。そのため、プロだけでなく音にこだわりを持つ一部のアマチュア、オーディオマニアの方々にも愛用されています。

モニターヘッドホンと普通のヘッドホンの違いとは?

違い① 音質

モニタヘッドホンは、プロ仕様という性格上、音質に求められるものが一般のヘッドホンとは異なります。求められる内容は、まさに「忠実性」です。なによりも、まず第一に原音に忠実であることが求められます。
市販の一般向けのヘッドホンは、俗にいう「音作り」が入っています。各メーカー、各モデルの性格に応じた音作り=聞き手に心地いい、求められる音、になるように各メーカーの技術陣が、気持ちい音になるようにチューニングするのが一般的。ある意味で楽器に近いものであります。
一方で、モニターヘッドホンは。原音を限りなく忠実に再現するのが本来のお仕事。出来が悪い音楽は出来が悪いなりに再現する能力が必要です。「音作り」がなされたヘッドホンは、原音が悪くても、それなりに聞くことができる音楽を奏でます(再現するではなく、「奏でる」、が妥当な表現)。

違い② 耐久性

モニターヘッドホンは、プロ仕様ということで当然ながら一日の間で使用される時間の長さや、購入されてから廃棄されるまでの使用期間の長さが、圧倒的に異なります。
また、入力される音の大きさ(信号レベルの大きさ)も一般向けとは異なり、プロならではの大音量で使用さることがあります。
その意味では、圧倒的な耐久性と、必要な時にすぐに修理できる可用性の両面を兼ね備えている必要があります。
更に、モニターヘッドホンは、プロの現場での音の基準になるので、頻繁にモデルチェンジしないロングセラーモデルであることも必要です。プロが安心して使い続けることができるためのスペックと供給能力も重要になってきます。

モニターヘッドホンのメリット・デメリットとは?

メリット

モニターヘッドホンは、プロの音楽の作成現場で使用されることもあり、可能な限り原音に忠実であることが求められます。それはワイドレンジ(音域が広く)でフラット(全ての音域で均等に出音)と言われる音質です。また、音のチェックのために、細かい音まで聴き取れる高分解能で豊富な情報量も特徴。リアルでストレートな傾向とも言われます。
各楽器の音色や人の声をリアルに繊細に再現する点では、間違いなく高音質。音楽鑑賞においてもその再現能力は魅力的です。

デメリット

モニターヘッドホンは、決して音楽鑑賞用に向いていないわけではありません。ただ、良くも悪くも収録された音色のアラをも忠実に再現し、すべてにおいて録音の良し悪しをストレートに再生するその性能は、一般の人には聴き疲れを覚えることがあります。モニターヘッドホンを使うことで疲れやすく感じる方も相当数いらっしゃるのが現実です。
Hi-Res audioが流行る昨今では、モニターヘッドホンを使用されたいマニアな方も増えてきており、モニターヘッドホンの嗜好をすこし変えて、リスニング向けのモニターヘッドホンも最近注目されています。

モニターヘッドホンを取り扱うメーカーは?

SONY

会社名を知らない人はいないと思います。日本を代表する電機メーカーであり、世界でも屈指の音響メーカーでもあります。
密閉型スタジオモニターヘッドホンの代表作、MDR-CD900STは、CBSソニー信濃町スタジオ(現:ソニー・ミュージックスタジオ)で使用することを目的として開発された、音楽作成現場に即した製品です。

またこちらではモニターヘッドホンに関わらずSONYのヘッドホンについて執筆されている記事がありますので、合わせてご覧ください。

audio-technica(オーディオテクニカ)

オーディオアクセサリでは、大手量販でも多数の商品を見かけるメーカーです。廉価版のおーディアアクセサリが目につきますが、そもそもの創業はレコードプレーヤー用のカートリッジ(針)からスタートし、NHKをはじめとした各放送局向けの業務用製品、民生用の国内メーカーのステレオセットやレコードプレーヤーの標準品などを幅広く手掛けた、屈指の国内オーディオ関連メーカーでした。
また、ヘッドフォンでは、廉価盤から高級機までの幅広いラインナップを展開し、オープンエア構造やウイングサポート構造などの、音質や装着感を向上させるための機構を積極的に取り入れることでも有名な、実力派です。
モニターヘッドフォンとしては、レコーディングやミキシングに最適で、高解像度再生が可能な密閉型フラグシップモデルATH-M70xなどが有名です。

またこちらではモニターヘッドホンに関わらずオーディオテクニカのヘッドホンについて執筆しているので合わせてご覧ください。

AKG(アーカーゲー、エーケージー)

AKGは1947年にオーストリア、ウィーンで設立された、音響機器の設計と製造を行っているメーカーです。1993年以降はHarman International Companyの傘下に入り、音響機器メーカー集団を形成しています。
クラシックの本場ウィーンを発祥として、ハイエンド、プロ仕様のマイクロホンとヘッドホンを専門に扱っています。
1. 解像度が高く、クリアなサウンド
2. 中庸なサウンドバランス
3. 広いサウンドステージ
の3つの特徴は、まさにモニターヘッドホンの条件を兼ね備えたメーカーです。

代表作の一つ、K240 MKⅡは、(株)音元出版 AV REVIEWでも2016-2018年の3年連続で「スタジオモニターヘッドホン」受賞する実力派。透明感のある自然なサウンドが魅力です。

おすすめのモニターヘッドホンとは?

ポイント① タイプ

ヘッドホンには、その構造から密閉型(クローズド)と開放型(オープンエア)の2種類が存在します(構造の違い、特徴などは下記リンクを参照ください)。
密閉型ヘッドホンはその構造上、音がハッキリとしていて周囲の雑音にも強く、ひとつひとつの音が非常に分かりやすいという特徴があります。また低音域をきっちりと再生することにも長けています。耳をしっかりと覆うイヤーパッドと相まって、没入感がある分、長時間使用するには疲れやすいという欠点もあります。
一方で、開放型は低音がどうしても薄くりやすい側面がありつつも、音場感があり、また高音域の伸びやかさがある、また圧迫感のない軽快な装着感でちょい宇時間使用にも適しているなど、正直なところ一長一短です。
ただ、モニターヘッドホンを個人の音楽鑑賞に使用されるのであれば、長い時間愉しめることが重要だと思いますので、タイプに依らず音楽を聴いて“疲れない”ことが重要ではないでしょうか。

引用元:AKG 密閉型ヘッドホン

引用元:AKG 開放型ヘッドホン

ポイント② 耐久性とメンテナンス性

モニターヘッドホンは、ストレートな音の再現能力とともに、プロの現場で使用されうるだけの耐久性やメンテナンス性が要求されます。一般に、個人で音楽を聴くのは一日にせいぜい1~2時間程度。プロの音楽作成現場では毎日12時間におよんでもおかしくありません。それだけの使用に耐えうる耐久性と、長い年月を使用されるためのメンテナンス性(修理や部品の交換など)を兼ね備えていることも、モニターヘッドホンとしての素質です。傷んだイヤーパッドなどは補修部品として販売されており、簡単に交換することも可能です。
ヘビーに使い込んでも大丈夫、モニターヘッドホンのまさにプロ仕様な一面です。

入門編として最適なおすすめのモニターヘッドホン

SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900ST

モニターヘッドホンと言えば、どうしてもこの機種を外すわけにはいきません。世界的にも有名な、定番の密閉型モニターヘッドホンです。
商品紹介の中で、“アーチストはこの音で聞く”の一言が憎い演出でもあります。
密閉型であるということなので、周囲の環境に左右されにくく、楽曲の持つ情報を余すことなく味わうことができるでしょう。
1989年発売の、もう30年近く発売され続けているベストセラー、それでも時代遅れを感じさせない正統派モニターヘッドでありながら、販売価格は2万円きりのコストパフォーマンス。入門編として、「これぞモニターヘッドホン!」というのを味わってみたい人にもってこいです。

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audio-technica オーディオテクニカ プロフェッショナルオープンバックリファレンスヘッドホン ATH-R70X

オーディオテクニカのATH-R70Xは、後発ということもあり密閉型と開放型の二つのタイプのいいところの両立を目指したモニターヘッドホンです。
迫力のある低音域とオープン型特有の音場感を両立させ、帯域のバランス、解像度、どれを取っても絶妙なところでバランスさせた、新世代のモニターヘッドホンになりうる一品です。
また、アジャスターが存在しない新3D方式ウイングサポートは、快適な装着感を実現し、プロの現場だけでなく個人使用においても長時間使用を可能にしました。
個人で使用される場合の、本機の注意すべきポイントの一つに、インピーダンスが470Ωと非常に高い設定になっている点が挙げられます。スマートフォンやポータブルオーディオ機器と組み合わせる場合には、相当音量を上げる必要があり、場合によってはヘッドホンアンプなどを使用する必要がかもしれません。

audio-technica オーディオテクニカ プロフェッショナルオープンバックリファレンスヘッドホン ATH-R70X
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モニターヘッドホンについて疑問が残ったら

この記事ではモニターヘッドホンについて全てを網羅できた訳ではありません。今回ご紹介したメーカー以外にも、 SHURE (シュア)やRoland(ローランド)、国内メーカーならJVCケンウッドPionner(パイオニア)などからも、モニターヘッドホンは多数発売されています。大手量販店の一部大規模店舗では、オーディオ視聴コーナーなどで視聴可能な場合もありますので、見かけたら一度聴き比べてみてください。
疑問点を感じるような内容や、もっと詳しく知りたいことがありましたら、お問い合わせフォームからお問い合わせください。随時、加筆や修正をさせていただこうと思います。

まとめ

モニターヘッドホンとは、もともと音楽の作成現場で使用されてきた、良くも悪くも味付けのない、素材をそのまま表現する高性能ヘッドホンです。原音を忠実に再現しますので、以前から一部のマニアには愛用されてきました。昨今のHi-Res audioブームもあり、より良い音を求める人々からは、モニターヘッドホンが注目されています。
価格は、意外なほど高くもなく、ノイズキャンセルBluetoothヘッドホンよりも安いものも多数販売されています。
ハイレゾ音源をお持ちで、再生環境が整っている方は、ヘッドホンにも拘ってみるのも、よりよい音楽ライフの助けになるかもしれません。

関連リンク

文章中にも出てきましたが、SONYのヘッドホン、オーディオテクニカのヘッドホンについてはモニターヘッドホンに関わらず別記事で紹介しています。
合わせてご覧ください。

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デジタルガジェットから家電製品まで、実際の使用者目線で解説します。
電子部品メーカーの現役エンジニア?です。新しい商品やサービスが大好きで、なんでも試してみたくなる性分です。

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