SSDが故障した?故障の症状から対処方法までSSDの故障を徹底解説!

この記事を執筆するにあたって

半導体設計、製造を生業としています

Written By キイ @

目次

SSDの故障について解説します

この記事では「SSDの故障について知りたい」という要望にお応えするための、SSDに関する技術的な情報を提供します。

最近流行のSSD、知っているようで実はよく知らない、そんな方も意外に多いのではないかと思います。
その昔、Windows3.1やMS-DOSの時代には、シリコンディスク、などという呼び方をされ、半導体チップ(主にSRAMやDRAM)を多数基板上に実装し、FDDやHDDと同等の機能を持たせたメモリディスクでした。
近年呼ばれる”SSD”は、この半導体チップの部分がフラッシュメモリ、特に多値NANDメモリチップを実装したもの指します。
これらの特徴は、可動部(モーターやデータ読み書きヘッド)が無いことによって

  • 機械的な故障がない
  • 衝撃などに強い
  • 省電力
  • 静音

のような特徴があり、そして何よりもランダムアクセス性能に優れることです。
OSやアプリの起動が速くなるというのは、まさにこの恩恵をあずかっています。
そして、SSDが故障する場合もまた、半導体メモリチップに起因します。

参照元:ソリッドステートドライブ(英: solid state drive, SSD)

SSDが故障した?故障かどうか確認する方法

「故障を疑っていたが単純に接続が悪かっただけで故障ではなかった」、というようなことは、特にパソコンの世界では日常茶飯事です。メーカーのサポートや販売店で恥ずかしい思いをしないように、そのような可能性を排除すべくSSDの故障を疑う前に、事前に確認すべきことを紹介します。

※ 重要

SSDに限らず、記憶デバイスに対して接続変更を行ったり、故障診断ソフトを適用してみたりする場合には、必ず事前にバックアップをしましょう。
最悪の場合、データのすべてが消失することもあります。

デバイスとして認識するか?

パソコンは起動しているでしょうか?
デバイスとして、論理ドライブ(C:、D:など)として、OSから認識されているでしょうか?
もしここで問題が発生している場合は、SSDとして機能していない可能性があります。
他のパソコンに繋ぎなおしてみるなどして、電気的に動作するかどうかを確認しましょう。

ドライブとしてエラーはないか?

パソコンを使用しているときに、データが読めない、データが書き込めないなど、何らかのエラーが出ていないでしょうか?常に出なくても、不定期にエラーが出るケースも要注意です。

S.M.A.R.T.

Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology (S.M.A.R.T.) は、ハードディスクやSSDには、その障害の早期発見・故障の予測を目的として、各種の検査項目をリアルタイムで自己診断し、その状態を数値化、記録する機能です。ユーザーはその記録された数値を各種のツールを用いることでいつでも確認することが出来ます。
全ての故障を予期することは出来ませんが、安定した利用環境においては経年劣化による故障を知るために非常に有効な手段です。

参考元: S.M.A.R.T.; スマート

SSDの故障の症状

ここではSSDの故障の症状について解説します。

SSDの故障の症状① デバイスとして認識しない

PCなどの電源を入れたときに、起動しない、ブルーバック画面になるなど、明らかに何らかの不具合が発生しているときは、まずはOS側のリカバリーを試みましょう。
OSのアップデートや、機器の構成変更をした直後であれば、SSDの故障ではなくPC全体の不整合などの可能性が高いです。
この場合は、他のPCに接続してSSDとして機能しているかどうかを確認しましょう。
認識しない場合、電源部や接続部など半導体メモリではない、他の部分の故障の可能性が高いです。

SSDの故障の症状② 読み出し/書き込みエラー

時折、ファイルを開くことに失敗したり、データが書き込めないように、一見不規則に不具合が発生するように見えるときは、特定のメモリチップの特定の領域が故障し始めている可能性があります。
先に述べましたとおり、特定のメモリ領域だけを読み書きするとメモリ領域に寿命がきますが、これは故障というよりは寿命、SSDの仕様といってもいいかもしれません。

SSDの故障の対処法

ここではSSDが故障した際に、各自が対処すべきことを解説します。

SSDの故障の対処法① データのバックアップ

とにかく、少しでも稼働している状況であれば、まずはデータのバックアップが最優先です。SSDであればお金で購入することができますが、個人のデータはお金では買うことができません。

SSDの故障の対処法② 修理

SSDのような、可動部品がほとんどなく集積回路の集まりである機器の場合、保証期間中は修理ではなく交換扱いになりことも多々あります。中のデータは移行されませんの、①同様に各自でデータのバックアップが必要になります。

SSDの故障の対処法③ 買い替え

リーテール版(正規市販品)の場合には、SSDにデータ移行ソフトが付属している場合が多く、これを利用して古いSSDから新しいSSDにデータを移行させることもできます。
当時の古いSSDよりも、現在の大きな容量のSSDのほうが安くなっていますので、SSDの容量アップにもなります。

SSDの故障の対処法④ 廃棄

廃棄する場合、注意点は2つ。
ソフトとして、部分的にでも稼働する場合には、データの消去を行いましょう。データを残したまま不適切な廃棄をすると、個人情報等の漏洩にもつながりかねません。
ハードとして、SSDは半導体部品の集まりですので、生ごみなどに出してはいけません。各自治体での分別に従って、一般的には小型電子機器の区分で廃棄する、または販売店でも処分してくれるお店がありますので、相談してみましょう。

SSDの故障の原因

今までにも述べましたとおり、SSDは半導体チップを多数で構成します。
データ記録領域にはNANDフラッシュメモリ、データ制御部には各社のSSDコントローラーと、共に半導体チップです。
ここではそんなSSDが故障する原因について解説します。

SSDの故障の原因① 偶発

SSDに限らず、どんな電子機器でも偶発的に故障することがあります。使用環境であったり、もともと出来の良くない機器に当たったり、経年劣化であったり、それらの複合要因であったり。正直なところ、この偶発故障に関してはその原因は特定できません。ただ、SSDの場合は構成部品がほとんど半導体ですので、この故障の可能性はかなり低いのが実情です。

SSDの故障の原因② 寿命

先にも解説しましたが、SSDの記憶部を構成するのがNANDフラッシュメモリです。
このNANDフラッシュメモリの特徴として、メモリセル(0/1などの数値を記録する場所)のデータの書き換え回数に限度があり、それを超えると特性が劣化(書き込めない、読み出せない)するということです。
読み出しに関しては原理上制限はありませんので、あくまで書き込み(書き換え)回数です。
同じメモリセルのデータを何回も書き換えるというのが最も劣化しやすい条件であり、それらを防ぐための機能(ウェアレベリング)がSSDコントローラーLSIには備わっています。
それでも書き換え回数には上限がありますので、むやみにディスクのベンチマークなどを何回もしないことです。
この特徴は、NANDフラッシュメモリの仕様でもあり、メモリセルそれぞれの寿命でもあり、回避することはできません。

またこちらの記事ではSSDの寿命について解説しています。
きになる方はこちらも読んで見てください。

SSDの故障の原因③ 高温/多湿

SSDに限らず、電子機器は高温多湿を苦手とします。特に半導体部品は高温多湿は信頼性面で苦手な分野です。
特に、SSDは高速アクセスを得意とするため、どの半導体部品もフル稼働状態が続きますので、全体としては高温な機器になります。NANDフラッシュメモリとしては高温状態とデータの読み書きは無関係であはありますが、半導体チップとしてはその寿命を縮める影響がありますので、換気や空調には一定の配慮が必要です。

故障したSSDの廃棄方法

ここでは故障したSSDの廃棄方法についてしっぴつしてください解説します。
なお、本内容は、JEITA(電子情報技術産業協会)が案内する「パソコンの廃棄・譲渡時のハードディスク上のデータ消去に関するご注意」の趣旨に添った内容で記載します。詳しくは以下のWebサイトをご覧ください。

参考元:データの保護とパソコンの廃棄等

SSDを廃棄するときには、記録されている重要なデータを消去することが必要です。しかし、SSDに書き込まれたデータを消去するというのは、実は簡単なことではありません。
一般にパソコン上で「データを消去する」というと、『ファイルを「ごみ箱」に捨てる』という操作を指します。
次に、「削除」という操作を行うために、『ごみ箱を空にする』コマンドを使って消去していることと思います。
しかし、これだけの操作では、データ復旧ソフトなどでいとも簡単にデータを元に戻すことができます。
また、ソフトで『初期化(フォーマット)する』やパソコンを『再セットアップを行い、工場出荷状態に戻す』という操作も、パソコン内部でSSD内に記録されたデータのファイル管理情報が変更され、データが見えなくなっているだけという状態になります。
つまり、データは一見消去されたように見えますが、Windows10などのOSから、それらのデータが読み書きできないだけで、本来のデータ(0/1)はSSD内に残っています。
これでは、悪意のある人によって、本機のSSD内の重要なデータが読み取られ、予期しない用途に利用されるおそれがあります。

SSDを廃棄する際には、SSD上の重要なデータの流出トラブルを回避するために、SSDに記録された全データを、専用ソフトウェアまたは専門サービスを利用して完全消去するか、SSDを金づちなどで物理的に破壊して、読めなくすることを推奨します。

SSDのデフラグとは?故障とは関係があるの?

ハードディスクなどの記憶装置は、長い間使用しているとひとつのファイルを構成するデータが、ハードディスクの円盤上でバラバラの場所に書き込まれるようになり、アクセスが遅くなることがあります。
これを断片化(フラグメンテーション)と呼び、これらのデータを再整理して順番に並べなおすことで断片化を解消し、アクセス速度を向上させることをデフラグと呼びます。
ディスクデフラグツールは、もともとハードディスク(円盤)用に設計されたもので、動作原理の異なるSSDはデフラグが不要です。
デフラグの操作は、メモリセルの無駄な書き換えによる寿命の低下も起こり故障の原因にもなりまねません。最新のWindows10はSSDの管理機能も強化されてきていますので、OSにお任せすることを推奨します。

参考:https://www.rescue-center.jp/explanation/ssd/failure.html

まとめ

この記事では「SSDの故障について知りたい」という要望にお応えするための、SSDに関する解説を行ってきました。
SSDを構成するNANDフラッシュメモリは年々容量は大きくなり、信頼性も向上しています。一般の方が普通にパソコンを使用するケースにおいては、偶発故障を除けば半永久といっても言い過ぎではないと思います。
しかし、不用意なデータの書き換え行為はメモリセルの寿命を縮めます。これはNANDフラッシュメモリの仕様そのものですので、これに注意しながら使っていくことでSSDの故障から少し遠ざかることができるのではないかと思います。
アクセススピードが圧倒的に速いため、一度使ってしまうとやめられないのがSSD。不用意な故障によるデータ消失が起こらないように、SSDの使い方とデータのバックアップをしっかりと行いましょう。

関連リンク

またこちらの記事ではSSDの寿命について解説しています。
きになる方はこちらの記事も参考にして見てください。

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デジタルガジェットから家電製品まで、実際の使用者目線で解説します。
電子部品メーカーの現役エンジニア?です。新しい商品やサービスが大好きで、なんでも試してみたくなる性分です。

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