今回初めてノートパソコンのキートップを外しました。 難しいとは聞いてましたが、見事にキーを1個壊しました。 年季の入ったキーボードだと、ゴムキャップとパンタグラフががっちり密着してて、外しにくかったです。 ...予備のキーボードでよかった。
Written By 八色 さかえ
ノートパソコンは持ち運べるので、使う場所も様々です。
それだけに、デスクトップパソコンのように定位置で使うものよりも、汚れのバリエーションが豊富です。
だからある意味、デスクトップパソコンよりも、掃除の必要性は高いと言えます。
そうでなくても、キーボードやタッチパッドなど手が触れるところがあるのですから、掃除はすべきです。
しかし、ノートパソコンのキーボードは、普通のキーボードと構造が異なるため、どこまで掃除したら良いのかわからないという人も多いと思います。
そこで、今回は特にキーボードに焦点を当てて、ノートパソコンの掃除について紹介したいと思います。
撮影:八色 さかえ
ノートパソコンもデスクトップパソコンと同様、掃除は必要です。
キーボードは、ホコリや手あかで汚れています。
咳やくしゃみの飛沫がかかっているかもしれません。
冬場なら、風邪やインフルエンザ対策のとして掃除は有効です。
ある海外の調査によれば、キーボードの汚れはトイレ並みだそうです。
何かを食べながら使うことが多いなら、ほぼ確実にその食べカスがキーボードのスキマから入り込んでいます。
ですから、月に1回ぐらいは掃除した方が良いでしょう。
パソコンは精密機械であり、ホコリが苦手です。
ノートパソコンもその例外ではありません。
むしろ、ノートパソコンの方が狭いスペースにパーツが詰め込まれている分だけ、厄介です。
ノートパソコンは小さいですが、それでも内部の各パーツは熱を発します。
もちろん、その熱を外に逃がすために、冷却ファンと通気口が付いています。
ノートパソコンの場合、これ以外にもキーボードの表面など、様々なところから排熱するように工夫されています。
出る熱量もデスクトップパソコンよりは少ないですし、何もなければ、これで冷却可能です。
しかし、そこにホコリが入り込むと、熱を逃がす道がホコリに妨げられてしまいます。
すると、内部に熱がこもりがちになり、最悪の場合、パーツが故障します。
ということで、ノートパソコンでも掃除はそれなりに必要です。
確かにノートパソコンでも掃除はするべきです。
しかしながら、ノートパソコンのキーボードは分解が難しいのです。
一般にノートパソコンのキーボードは、パンタグラフ式が採用されています。
キートップの下に電車のパンタグラフのような形状の支えが付いており、それでパンタグラフ式と呼ばれます。
このパンタグラフ形状の支えは、キートップの裏に付いているツメにハメ込んであります。
しかし、このツメが非常に小さく、キートップを外す際に破損しやすいのです。
私自身もパンタグラフ式のキーボードを長年使っていますが、今回この記事を書くまで外す経験は皆無でした。
ノートパソコンの場合キートップを1個破損しただけでも、メーカーに修理依頼すると、キーボードを丸ごと交換することになります。
そうすると、1万円以上かかってしまうこともあります。
これではなかなか分解する勇気も出ません。
ということで、まずは分解しないで掃除してみましょう。
用意するものは、以下のとおりです。
ちなみに、中性洗剤の代わりに無水アルコールを使うと、さらに洗浄力がアップします。
マジックリンのようなアルカリ性洗剤も使えますが、材質によってはキートップの印刷が取れてしまったり、ベタついてしまうこともあります。
使う場合は、あまり使わないキーなどで試してからの方が良いでしょう。
専用クリーナーを付けたクリーニングクロスで、やさしく拭きます。
最近のノートパソコンの液晶画面はフレームレスと称して、フレーム幅が細いものがあります。
このような機種の場合は、力を入れてしまうと破損する原因になりますので、注意しましょう。
クリーニングクロスは、メガネ拭きでも代用可能です。
ウェットティッシュタイプのクリーナーもあり、こちらも手軽で便利です。
ただし、コンスタントに使っていかないと、水分がなくなります。
またキーボードなど、他の部分の掃除には使えないものもありますので、使う前に確認しましょう。
水拭きでも掃除はできますが、汚れの落ちがイマイチなのと、拭いた跡が残りやすいのが弱点です。
本体外側は、軽く湿らせたメラミンスポンジで擦った後、素早くボロ布で水分を拭き取ります。
一見、汚れてなさそうに見えても、メラミンスポンジが黒ずみます。
キーボードなどもメラミンスポンジで掃除できますが、スキマから水分が入り込まないように、良く注意してください。
ノートパソコンのキーボードの下にはマザーボードが組み込まれていますので、水分が入り込むと故障の原因になります。
<↓黒ずんだメラミンスポンジ>
側面や底面などにある通気口は、掃除機でホコリを吸い取ります。
エアダスターでホコリを吹き飛ばす方法もありますが、内部にホコリを押し込んでしまう恐れもあるので、おすすめしません。
<↓綿棒でキートップを掃除>
まず、キーボード部分を逆さまにして軽く振り、キーのスキマに入っているホコリやゴミを振り落とします。
ただし、最近のノートパソコンに多いアイソレーションキーボードは、キーのスキマがほとんどありませんので、あまり効果がありません。
次に、薄めた中性洗剤を付けた綿棒やボロ布で拭き、水拭きをします。
あれば、粘着付きの綿棒やスライム状のクリーニングゲルを使うと、キーのスキマが掃除できてスッキリ感が増します。
本当はノートパソコンも、キートップを外して掃除した方が清潔です。
しかし、それが難しい。
私自身、キートップを外し損ねて壊したことがあります。
しかし、コリずに再挑戦してみたい!
ということで、実際に外してみました。
ただし、外すのは消耗して交換した、使わなくなったキーボードです。
ちなみに、機種はレノボのThinkpad X230です。
外すのは、マイナスドライバーでできます。
外したキーを取り付ける時に、キーの位置を確認できるように、キーボードの写真を撮っておくと良いでしょう。
キートップのツメは、左上・右上の順で外します。
ただし、最上段のキーとPageUpキー、PageDownキー、左右上下キーは、左下・左上の順に外します。
ShiftキーやSpaceキー、Enterキーはツメが複数あるので、特に慎重に外します。
<↓マイナスドライバーでキートップを外す>
外していくうちに、何だか手がベトベトしてきました。
文字だけで簡単にサラッと書いてますが、実際はなかなか手ごわかったです。
2か所はキートップごとパンタグラフも外れてしまい、1か所はパンタグラフを折ってしまいました...無念。
<↓折れたパンタグラフ>
外すのはやはり難しいです。
現役で使っているキーボードでなくてよかった。
キートップを全部外し終えると、キートップの下が露になります。
私のキーボードはとんでもなく汚かったです。
手あかや食べカス、髪の毛などが溜まりまくっていました。
写真画像を貼っておきますが、気分を害する恐れがあります。
見たくない人は、スクロールしてください。
↓↓↓↓↓↓↓に画像があります。注意!!
初めてノートパソコンでキートップを外しましたが、思っていた以上に土台部分の構造が細かいです。
本当はパンタグラフも外して掃除するのがベストなのでしょうけど、外して元に戻すのが大変なので、そのままにしました。
細かすぎて普通の綿棒が入り込めません。
やむを得ず爪楊枝で汚れを掻いて、セロテープで汚れを回収しました。
パンタグラフの部品は繊細に取り付けられているので、掃除機で吸い取るのは止めた方が良いでしょう。
今回はとにかく汚れがひどくて、一通り汚れを取り切るまで2時間かかりました。
それでも、細かい部分に入り込んだ汚れは取り切れず、7割ぐらいキレイになった程度です。
もっと器用な人なら、キレイに掃除できたのかもしれません。
<↓キートップ下掃除後>
余談ながら、今回は現役で使っているノートパソコンのキーボードとパームレストを外して、少しだけ内部清掃もしてみました。
<↓内部清掃中>
外したキートップはチャック付きの袋に入れ、水と中性洗剤を入れてつけ置きします。
<↓つけ置き中>
1時間ぐらい放置した後、袋ごともみ洗いします。
これで手あかやホコリなどの汚れが落ちます。
そして、水で良くすすいで水気を切り、2・3日陰干しします。
<↓陰干し中>
引用元:自分で撮影
乾いたら、キートップを元の位置に取り付けます。
ほとんどのキーは、キートップの上端分を軽く押し込むと、ハマります。
ただし、最上段のキーとPageUpキー、PageDownキー、左右上下キーだけは、キートップの左端部を押し込みます。
<↓キートップ取り付け中>
引用元:自分で撮影
また、一部のキーには、細い金属の支えが付いているところがあります。
このようなキーは、押し込む前に金属の支えを取り付ける必要があるので、注意が必要です。
いずれのキートップも、パチッと音がすれば、正しく取り付けられています。
キーの位置を間違えないように、キートップを取り外す前に撮った写真画像を良く確認しながら、慎重に取り付けていきます。
全てのキーを取り付けたら、キーボードの掃除は完了です。
ノートパソコンのキーボード掃除は初めてで慣れていないこともあり、キートップの乾燥時間を除いても3時間近くかかりました...
<↓取り付け完了>
外せば、キートップ下に溜まったゴミが取れて、確かにキレイになります。
衛生面はバッチリです。
ホコリなどの汚れによるキースイッチの接触不良で、故障する確率も下がります。
ノートパソコンの寿命が延びます。
キートップを外す自信があるなら、おすすめです。
キートップの取り外しは、簡単ではありません。
ノートパソコンの場合は部品を壊してしまった場合、部品単位での交換ができません。
キーボードごと交換することになります。
通常、ノートパソコンのキーボード交換はユーザーではできません。
基本的にはメーカーに依頼します。
すると、1万円以上かかることもあり、お財布に厳しいです。
拭き掃除程度なら、最低でも月に1回は行った方が良いと思います。
全体をさっと拭くだけの、簡単な掃除でも構いません。
ただ、冬場のように乾燥してホコリが多い時期は、もっと短い間隔で行っても良いでしょう。
毎日掃除するのがベストではあります。
しかし、パソコンは水分が苦手です。
あまり頻繁な水拭きは、部品にダメージを与えてしまう可能性があります。
また、キーボードの汚れを取ろうと、キートップを押し込んで拭きすぎると、ゴムキャップやスプリングが劣化しやすくなります。
もし、分解して内部を掃除できるようであれば、それは2~3年に1回で十分です。
使わない時はケースに入れるなど、なるべくノートパソコンにホコリを溜めないように、防塵対策も併せて行うとなお良いでしょう。
いわゆるメラミンスポンジです。
ノートパソコンを掃除するのに、普通に水拭きするよりも汚れが落ちます。
キーボードなど凹凸の多い箇所を掃除する場合は、水分が内部に入り込まないように注意してください。
ノートパソコンに限らず、掃除全般に使えて便利です。
切るのが面倒でなければ、カットされていないタイプの方が安いので、おすすめです。
主に液晶画面の掃除に使いますが、メラミンスポンジで擦った後の水分を拭き取るのにも使えます。
キーボードを綿棒でキーを1つずつ掃除するのが面倒な場合、これでさっと拭くだけでもサッパリします。
ノートパソコン以外に、テレビやスマートフォンの液晶画面を掃除するのにも使えますので、1枚持っていると便利です。
元々は、研究室や工場で良く使われているウェスの一種。
見た目はティッシュのようですが、それよりは硬い触り心地です。
拭いた跡が残りにくいのが特徴。
液晶画面やキーボードなどの、水分やクリーナー剤を拭き取るのに使います。
もちろん、ノートパソコンの掃除以外にも使えます。
ベビー用の通常よりも細い綿棒。
細かい部分にも入り込めて、キーボード掃除の時などに便利です。
こちらは先端部分に粘着剤が付いており、これでホコリをキャッチします。
こちらもノートパソコン以外の掃除に使えます。
なお、100円ショップでも似たような商品を売っており、そちらの方が安価です。
スライム状のクリーニングゲルです。
キーのスキマに押し込んで、ホコリを取ります。
外すのが難しいノートパソコンのキーボード掃除に、重宝します。
ただし、ホコリ以外の手あかやこびりついた汚れの類には効きませんので、ご注意ください。
キーボード用以外に車用もあり、こちらでも掃除できます。
元々はアイリスオーヤマの商品ですが、色々なメーカーから類似品が出ており、そちらの方が安価です。
ウェットティッシュタイプのクリーナー。
さっと出してすぐに掃除でき、終わったら捨てれば良いので、お手軽です。
適度な湿り気で、キーボードなど水分が浸透すると危険な箇所も掃除しやすくておすすめです。
ノートパソコンはもちろんのこと、デスク周りの掃除もこれでできます。
周りがホコリっぽいと、ノートパソコンにもホコリが溜まりやすくなります。
ただし、これで液晶画面は拭けません。
次に紹介する液晶専用のクリーナーを使いましょう。
液晶画面用のウェットティッシュタイプのクリーナーです。
普通に水拭きするよりも汚れが落ちますし、拭いた跡も残りにくいので、よりキレイになります。
ポケットティッシュサイズで携帯しやすいものもあり、ノートパソコンと一緒に持ち運ぶと便利です。
なお、こちらは液晶専用ですので、キーボードなど他の箇所を掃除には向いていません。
ノートパソコンの掃除について色々紹介しましたが、個人的にはキートップを外すのはおすすめしません。
私は今回初めてキートップを外してみましたが、1か所破損させてしまいました。
その他にも危なっかしい場面が、結構ありました。
実際に使っていないキーボードだったから良いですが、そうでなかったら、今頃泣いていたと思います。
やはりノートパソコンのキーボードを、根本的に掃除するのは難しいです。
自分で分解する自信がなければ、専門の業者に依頼するのが良いでしょう。
さらに衛生面に不安があるなら、使い終わった後に手を洗うことをおすすめします。