ヨーロッパへの旅行や出張に出掛ける際、気をつけておきたいことは電圧とコンセント事情です。
日本から持ち込んだ電化製品の使用や、携帯電話やiPhone、デジカメなどの充電ができるのか心配ですよね?
今回の記事では、ヨーロッパの主要国について、コンセントの形やタイプ、コンセントプラグの形状、ヨーロッパのコンセントに変圧器が必要か、について解説したいと思います。
また、ヨーロッパでの変圧器の購入から、おすすめの変圧器についてもご紹介いたします。
ヨーロッパの主要国について調べました。(ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、オーストリア、チェコ、ベルギー、オランダ、イギリス)
ヨーロッパのコンセントプラグの形状は、CタイプとSEタイプが主流ですが、イタリア、オーストリア、オランダ、イギリスでは他のコンセントプラグの形状もみられます。
日本のコンセントはAタイプなので、そのままでは使用することが出来ません。
ヨーロッパ各国を周遊する予定がある方は、各国のコンセントプラグを調べて準備しましょう。
イギリスとイタリア以外の国では、基本的にCタイプの変換プラグが必要になります。
また、どのようなコンセントにも対応できるマルチ変換プラグを持って行くと便利なのでおすすめします。
【ヨーロッパのコンセントプラグのタイプ】
【ヨーロッパのコンセントプラグの形状】
■Cタイプのコンセントの形状
丸形のピンが2本並び、丸いピンの直径は4mmです。
Cタイプのコンセントのプラグは「ユーロプラグ」とも呼ばれています。
ヨーロッパではほぼ全土で使用できる他、韓国、インドネシア、シンガポールなどで用いられています。
■SEタイプのコンセントの形状
Cタイプと同じ形状で、丸いピンの直径は4.8mmです。2本のピンの中間にアース用のピンが1本入るタイプもあり、Fタイプとも呼ばれています。SEタイプのコンセントには、Cタイプのプラグが差して使用できます。
ヨーロッパ諸国をはじめ、北米や南米、中近東、インド、韓国、中国などで用いられています。
■Lタイプのコンセントの形状(イタリア)
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Ita_plug_16A_10A.jpg
Cタイプの2本のピンの中間に、アース端子を持ったピンがあり、合計3本の丸形のピンが並ぶプラグ形状をしています。
イタリアのコンセント口は、Cタイプ、Lタイプ両方に対応できるよう3穴仕様になっています。
イタリア全土と北アフリカの一部地域で用いられています。
■BFタイプのコンセントの形状(イギリス)
平型のピンが3本あるタイプで、1本は縦方向に、2本は横方向に並んでいます。Gタイプとも呼ばれています。
コンセント部分にシャッターが付き、アース線にピンを差し込まないとシャッターが開かず、ピンを入れることができない仕組みです。
イギリスと一部ヨーロッパ諸国、アフリカ、北米と南米、シンガポールなどで用いられています。
ヨーロッパの電圧は220V〜240V(ボルト)が主流です。各国によって異なります。
日本の電圧は100Vなので、ヨーロッパで日本の電化製品を使用するには変圧器が必要です。
【ヨーロッパ主要国の電圧】
ヨーロッパの主要国の周波数は50Hz(ヘルツ)です。
日本の周波数は、富士川(静岡県)と糸魚川(新潟県)を境に、東エリアは50Hz、西エリアが60Hzとなっています。
東エリアで使用している電化製品の周波数はヨーロッパと同じなので問題はありません。
しかし、西エリアで使用している電化製品で、「周波数が60Hz」と定められている」ものは、ヨーロッパで使用すると不具合を生じる恐れがあります。
例えば、冷蔵庫、扇風機、エアコン、掃除機、洗濯機、電子レンジ、乾燥機などが挙げられます。
参考元:MEGA EGG
変圧器とは、電圧を変える装置で「トランス」と呼ばれています。
発電所で作られた電気は高圧で、オフィスや家庭などのコンセントに届くまでに変圧器で電圧を100Vまで下げています。
また、電子レンジやテレビなどの電気機器にはあらかじめ変圧器が付属されています。100Vの電圧を、電気機器が必要な電圧に変換することから「電源トランス」と言われています。
海外旅行をする際、日本と同じ電圧の国は少なく、変圧器で電圧を変える必要があります。変圧器で電圧を上げることを昇圧(アップトランス)、電圧を下げることを降圧(ダウントランス)と言います。
ヨーロッパは電圧が220V〜240Vなので、日本の100Vにするため変圧器による降圧(ダウントランス)が必要です。
ヨーロッパ旅行に行く際に必要な変圧器とは、日本の100Vとヨーロッパの220V〜240Vに対応する変圧器、すなわち100V〜240Vの範囲で使用可能な変圧器となります。
変圧器は、必要な場合と不要な場合があります。事前準備として、宿泊先のホテルのアメニティの確認、持ち込む予定のある家電製品の電圧を調べて、必要であれば準備しましょう。
参考元:北川電機株式会社
お手持ちの電化製品の本体やアダプター、電源の裏側、もしくは取扱説明書に記載されています。
例えば、「INPUT:◯◯V」もしくは「入力電圧:◯◯V」といった記載です。
電圧が100V-240Vと書いてある場合は、240Vの電圧までの利用が可能ということなので、220V〜240Vのヨーロッパでは使用可能です。
日本製の電化製品は、基本的に日本国内での使用を前提に作られているため定格電圧100Vです。
したがって、「100V」としか書いていない日本の製品を、ヨーロッパでそのまま使用すると故障や事故につながる恐れがあります。
取扱説明書や本体に記載してある対応電圧を確認し、ヨーロッパの電圧に対応していない製品は変圧器が必要になります。
また、ヘアドライヤーやヘアアイロンなどの大きな消費電力を要するもの、100Vにしか対応していない日本製の電化製品を使用した場合は故障や火災の原因になりますのでご注意ください。
本体からプラグまでが一直線のコードになっていて、ACアダプターのついていない家電製品をヨーロッパに持ち込んで使用する時は、必ず変圧器を使用してください。
なお、ヘアドライヤーなど「海外対応、海外仕様」として販売されている製品であれば、変圧器の必要はないです。
携帯電話やデジカメ、パソコンの充電器のほとんどが240Vまでの電圧に対応しています。
iPhoneの純正充電器(Apple 5W USB電源アダプタ)は「100-240V、50-60Hz対応」につき、世界中で使用が可能です。
ただし、日本国内で販売されているiPhoneの純正充電器はコンセントプラグの形状がAタイプのため、ヨーロッパでは各国のコンセント形状に合った変換プラグまたはマルチ変換プラグが必要になります。
製品本体またはパッケージ、充電器の裏に記載してある対応電圧に「INPUT:100-240V 50-60Hz」と記載があるものは対応が可能です。念のため、充電器の裏に記載してある対応電圧には目を通しておきましょう。
参考元:Apple公式サイト
ヨーロッパの主要国では、日本製(100V)の家電製品を使用する場合は、変圧器が必要です。
ドイツ、フランス、オーストリア、スペインのホテルでは、変圧器の貸し出しを行っているところがあります。
イタリアのホテルでは、変圧器や変換プラグを置いてあるところはごく少数です。
チェコ、オランダのホテルでは変圧器の貸し出しを行っているところが少数です。
ベルギーのホテルでは、変圧器の貸し出しを行っているところが少ないです。4つ星以上のホテルでは用意のあるところもありますが保証はありません。3つ星クラスのホテルだと無いことが多いです。
レンタルが可能なホテルの場合でも、数に限りがありますので借りられる保証はありません。使用する予定がある場合は、旅行前にあらかじめメールで問い合わせておくと安心です。
また、観光客の多いホテルでは、英語の話せるスタッフが常駐していますので、英語で会話をするのがよいでしょう。
ホテルのフロントで聞いてみましょう。
■変圧器を借りてもいいいですか?
英語:May I borrow a transformer?
現地で変圧器を購入する際、言語が心配ですよね。
ヨーロッパの主要国(ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、オーストリア、チェコ、ベルギー、オランダ、イギリス)では、観光地や観光客が訪れるショップでは一部の国を除いて英語が通じることが多いです。
変圧器は英語で変圧器は「transformer」といいます。下記のフレーズでショップの店員さんに聞いてみましょう。
■私は「変圧器」が欲しいです。買えますか?
英語:I want a transformer. Can I buy a transformer?
●主要国の言語状況
【ドイツ】
ドイツ語が主流。英語が併記されていることが多く、観光地のショップでは英語も通じます。変圧器はドイツ語で「transformator」です。
【イタリア】
イタリア語が主流。観光地では英語が併記されていることもありますが少ないです。英語が通じない場合はイタリア語「Trasformatore di Tensione」の単語をみせると通じます。
【フランス】
フランス語が主流。英語が併記されていることが多く、観光地のショップでは英語も通じます。変圧器はフランス語で「transformateur」です。
【スペイン】
スペイン語が主流。英語が併記されていることもありますが、英語が通じない場合はスペイン語の単語「transformador」をみせると通じます。
【オーストリア】
ドイツ語が主流。比較的、英語も通じます。変圧器はドイツ語で「transformator」です。
【チェコ】
チェコ語が主流で、スロヴェキア語も通じます。中・若年層には英語、高年層にはドイツ語が比較的通じます。変圧器は、チェコ語で「transformátor」で、「AC220V→AC100V」と伝えると通じやすいです。
【ベルギー】
オランダ語とフランス語が主流。、観光地のショップでは英語も通じます。変圧器はフランス語で「transformateur」、オランダ語で「transformator」で、「AC220V→AC100V」と伝えると通じやすいです。
【オランダ】
オランダ語が主流。観光地のショップでは英語も通じます。変圧器はオランダ語で「transformator」です。
【イギリス】
英語(イギリス英語)が主流。変圧器はアメリカ英語と同じで「transformer」です。
参考元:JAL公式サイト
【ドイツ】「SATURN」
ミュンヘンのMarienplatz(マリエンプラッツ)駅またはKarlsplatz(カールスプラッツ)駅の近く、ノイハウザー通りにある家電量販店。
住所:Neuhauser Str. 39, 80331 München
【イタリア】「Elettricita' dei Fiorentini」
フィレンツェにあるセルヴィ通り(Via dei Servi)にある電気屋。変圧器も変換プラグも取り扱っています。
住所:Via dei Servi 45/47r
参考元:HIS旅ブロ
【フランス】「DARTY(ダルティ)」
フランスで最大の家電量販店。地下鉄2号線の「バルベス・ロシュシュアール(Barbès-Rochechouart)」駅にあります。
住所:56 Boulevard de Rochechouart, 75018 Paris
参考元:DARTY公式サイト
【スペイン】「El Corte Inglés(エル・コルテ・イングレス)」
ヨーロッパ最大の百貨店グループで、スペインで唯一の百貨店。バルセロナに3店舗を展開。
住所:Plaça de Catalunya, 14
【オーストリア】「Saturn(サターン)」
オーストリアで15店舗を展開する家電量販店。
【チェコ】「Alza(アルザ)」
チェコの大型家電量販店。ネットで商品を選び予約商品を受け取るシステム。
【ベルギー】「Media Markt(メディアマルクト)」
ドイツの家電量販店。ブリュッセル市内にも店舗を構え、英語を話せる店員もいます。
【オランダ】「Media Markt(メディアマルクト)」
ドイツの家電量販店。オランダには30軒ほど店舗があります。
【イギリス】「Currys PC World」
ロンドン南東に位置する家電量販店。
住所:585/589 Old Kent Rd
参考元:たかホリ
ヨーロッパの電圧に対応した変圧器は、ダイソーなどの100円ショップでは取り扱っていません。
ですが、ヨーロッパで主に使用されているCタイプと、イギリスのBFタイプの変換プラグは購入できます。
店舗によっては取り扱いのない場合がありますので、店舗にてお問い合わせください。
また、ヨーロッパのホテルのコンセントの数には限りがあります。
デジカメや携帯を同時に充電させたい時、1箇所のコンセントから延長コードで2口使用する場合に、変換プラグが2個必要となるので、プラグは1個ではなく複数個を持って行かれることをおすすめします。
なお、延長コードには変圧機能は付いていませんので、海外対応(100V~240V)の機器に使用してください。
220~240Vの電圧を100V~120Vに変換する変圧器です。最大消費電力1500Wの大容量につき、1500W以下のヘアードライヤー、ヘアアイロン、電気ケトルなどの使用が可能です。また、マルチ変換プラグ付きなので、ヨーロッパ諸国をはじめ150以上の国で使用できるのも魅力。コンパクトサイズで持ち運びも便利です。
220V〜240Vの電圧を100Vにダウントランスする変圧器です。本体プラグはCタイプにつき、イギリスを除くヨーロッパではそのまま使用できるます。122gとコンパクトで持ち運びに便利です。主に、携帯電気ポット、携帯アイロン、ホットカーラー、電気コンロなどの電子部品を含まない熱器具専用です。
長期滞在の方におすすめの変圧器です。海外家電製品の日本国内使用と、日本家電製品の海外使用のどちらもOKなアップ/ダウントランスです。ヨーロッパの主要国をはじめ、AC220-240Vの国で、1500Wまでの日本の家電製品が使えるので重宝します。サーマルプロテクタ(自動復帰)およびヒューズが内蔵されている安全設計です。本体はAタイプのコンセントプラグにつき、ヨーロッパの主要国で使用する際は変換プラグが必要となります。
短期間の旅行や出張の場合、基本的には変圧器は不要です。
電圧のトラブルの多いヘアドライヤーは、ホテルに完備されているものを使用するか、「海外対応」のヘアドライヤーを日本から持ち込んで使用されることをおすすめします。
長期滞在や留学の場合、炊飯器や電子レンジ、冷蔵庫、電気ポットなどは大きな消費電力を使用するので、日本製品を持ち込む場合は変圧器が必要です。
その際、ヨーロッパで使用したい電気製品の消費電力をカバーできる変圧器か確認が必要です。
大きな電圧に対応した変圧器を現地で購入しようと思うと、値段が高くて重さもサイズも大きくなります。
また、英語が通じない国では変圧器を売っているショップを探したり買い物自体も難しくなります。
現地で変圧器を購入するよりも、ヘアドライヤーや電子レンジなどの大きな消費電力を必要とする電化製品は、欧州仕様のものを現地で調達した方が安心で安全に利用できると思います。
スペインとオランダでは、ホテルで変換プラグの貸し出しを行っていないところが多いのでご注意ください。
イタリアとドイツの2カ国を旅行する場合は、Cタイプの変換プラグがあれば問題ないです。イタリアの家電はドイツ製などの輸入製品が多く使用されているため、ドイツで使用されるSEプラグにも対応できる形になっているからです。
また、ヨーロッパのホテルの室内では、充電できるコンセントが何箇所もないことが多いので、一箇所のコンセントから延長コードをつなげると便利です。
ただし、あくまでも消費電力が少ない電気機器で利用する方法なので、消費電力が大きいドライヤーなどを使うことは避けてください。
電化製品を使用する際、総消費電力量が変圧器の容量を越えないようにすれば、複数の電化製品を同時に使用することができます。
変圧器をレンタルしたり購入する場合、変圧器の容量を確認し、電化製品の消費電力が見合っているか事前に必ず確認しましょう。特にヘアドライヤーやヘアアイロンなどは、大きな消費電力を消費するので注意が必要です。
なお、変圧器を使って「たこ足配線」をすることは大変危険なので絶対にしないでください。
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、ヨーロッパの主要国のコンセントは、イギリスを除いてCタイプ、SEタイプが主流であり、ホテルや施設によっては他のコンセントタイプもみられることがわかりました。
日本のコンセントはAタイプなので、変換プラグが必要です。
SEタイプにも使用できるCタイプの変換プラグ、または、どのコンセントにも対応できるマルチ変換プラグがあれば問題ないです。
なお、イギリスはBFタイプなので、BFタイプの変換プラグまたはマルチ変換プラグを準備しましょう。
ヘアドライヤーやヘアアイロンなどの消費電力の大きい電化製品を使わなければ、基本的には変圧器は必要ないです。
各国の電圧に対応した電化製品であれば、変換プラグで使用することができます。
旅行中に使用頻度の高いヘアドライヤーですが、電圧のトラブルが多いため、ホテルに完備されているものを使用するか、「海外対応」の製品を日本から持ち込んで使用されることをおすすめします。
ヨーロッパでも変圧器の購入は可能ですが、日本で変圧器を買って持っていく方が、用途に合わせて種類を選べるので便利です。
ヨーロッパの電圧やコンセントの形状、ヨーロッパのコンセントに変圧器は必要か知りたい人にとって、この記事が参考になればと思います。