ブラジルといえば、世界最大の河川アマゾンと熱帯雨林が広がり、世界三大瀑布「イグアスの滝」の雄大な自然と、祭典「リオのカーニバル」を目当てに、多くの観光客が訪れます。
ところで、ブラジルへの旅行や出張に出掛ける際、気をつけておきたいことは電圧とコンセント事情です。
日本から持ち込んだ電化製品の使用や、携帯電話やiPhone、デジカメなどの充電ができるのか心配ですよね?
今回の記事では、ブラジルのコンセントの形やタイプ、ブラジルのコンセントプラグの形状、ブラジルのコンセントに変圧器が必要か、について解説したいと思います。
また、ブラジルでの変圧器の購入から、おすすめの変圧器についてもご紹介いたします。
ブラジルのコンセントプラグの形状は、Cタイプ、AタイプとCタイプが一体化した2種対応タイプ、Nタイプの3種類あります。
ブラジルでは、一般的にCタイプが主流となっており、施設によってはその他のコンセントタイプも混在しています。
日本のコンセントはAタイプです。
AタイプとCタイプが一体化した2種対応タイプのコンセントには、日本のAタイプのコンセントプラグが使用できます。
また、Nタイプのコンセントはブラジル特有のコンセントの形状で、Cタイプのコンセントプラグで対応可能です。
したがって、ブラジルではCタイプの変換プラグが必要ですが、どんなコンセントにも対応できるマルチ変換プラグを持って行くことをおすすめします。
■Cタイプのコンセントの形状
丸形のピンが2本並び、丸いピンの直径は4mmです。Cタイプのコンセントのプラグは「ユーロプラグ」とも呼ばれています。
ヨーロッパではほぼ全土で使用できる他、韓国やシンガポール、マカオ、インドなどで用いられています。
■AタイプとCタイプが一体化したタイプのコンセントの形状
AタイプとCタイプが一体化した2種対応タイプのコンセントです。上2つの穴にAタイプのコンセントプラグを差して使用します。主に、ブラジルで用いられています。
引用元:http://fukuyama.cocolog-nifty.com/ola/2010/02/post-0e82.html
■Nタイプのコンセントの形状
引用元:https://wikitravel.org/ja/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:NBR_14136_plugs_and_outlet.jpg
ブラジル特有のコンセントの形状です。ピンが3つ並んだ差し込みプラグですが、3本のピンは一直線に並んでおらず、真ん中のピンが両端のピンよりもややずれて、鈍角二等辺三角形ような並び方をしています。
ブラジルでは、2011年7月1日からこのNタイプ(3つ穴タイプ)を国の基準とし、徐々に増えつつあります。
ブラジルは、地域によって電圧が異なります。
ブラジルの首都のブラジリアは220V(ボルト)ですが、リオデジャネイロやサンパウロは110Vとなっています。
日本の電圧は100Vなので、ブラジルで日本の電化製品を使用するには変圧器が必要です。
また、ブラジルでは同じ州内、市内であっても電圧が異なる場合があります。複数の都市を旅行する場合もご注意ください。
【110Vの地域】
サンパウロ(サンパウロ州)、リオデジャネイロ(リオデジャネイロ州)など
【220Vの地域】
ブラジリア(連邦直轄区)、レシフェ(ペルナンブッコ州)、マセイオ(アラゴアス州)など
ブラジル国内の電圧について、詳細はこちらのサイトAll Aboutをご参照ください。
ブラジルの周波数は60Hz(ヘルツ)です。
日本の周波数は、富士川(静岡県)と糸魚川(新潟県)を境に、東エリアは50Hz、西エリアが60Hzとなっています。
西エリアで使用している電化製品の周波数はブラジルと同じなので問題はありません。
しかし、東エリアで使用している電化製品で、「周波数が50Hz」と定められている」ものは、ブラジルで使用すると不具合を生じる恐れがあります。
例えば、冷蔵庫、扇風機、エアコン、掃除機、洗濯機、電子レンジ、乾燥機などです。
参考元:MEGA EGG、ビックカメラ.com
変圧器とは、電圧を変える装置で「トランス」と呼ばれています。
発電所で作られた電気は高圧で、オフィスや家庭などのコンセントに届くまでに変圧器で電圧を100Vまで下げています。
また、電子レンジやテレビなどの電気機器にはあらかじめ変圧器が付属されています。100Vの電圧を、電気機器が必要な電圧に変換することから「電源トランス」と言われています。
海外旅行をする際、日本と同じ電圧の国は少なく、変圧器で電圧を変える必要があります。変圧器で電圧を上げることを昇圧(アップトランス)、電圧を下げることを降圧(ダウントランス)と言います。
ブラジルは電圧が110Vまたは220Vなので、日本の100Vにするため変圧器による降圧(ダウントランス)が必要です。
ブラジル旅行に行く際に必要な変圧器とは、日本の100Vとブラジルの110Vまたは220Vに対応する変圧器、すなわち100V〜220Vの範囲で使用可能な変圧器となります。
変圧器は、必要な場合と不要な場合があります。事前準備として、宿泊先のホテルのアメニティの確認、持ち込む予定のある家電製品の電圧を調べて、必要であれば準備しましょう。
参考元:北川電機株式会社
電圧は、お手持ちの電化製品の本体やアダプター、電源の裏側、もしくは取扱説明書に記載されています。
「INPUT:◯◯V」または「入力電圧:◯◯V」
例えば、電圧100V-240Vの場合、100Vから240Vまで利用可能なので、110Vまたは220Vのブラジルで使用できます。
なお、日本製の電化製品は国内使用を前提に作られているため定格電圧は100Vです。「100V」としか書いていない製品の場合は変圧器が必要になるのでご注意ください。
取扱説明書や本体に記載してある対応電圧を確認し、ブラジルの電圧に対応していない製品には変圧器が必要です。
ドライヤーなどは、電源がショートして壊れるといったケースが報告されていますのでご注意ください。
なお、「海外対応、海外仕様」として販売されている製品であれば変圧器の必要はありません。
本体からプラグまでが一直線のコードになっていてACアダプターのついていない家電製品をブラジルに持ち込んで使用する時は、必ず変圧器を使用してください。
携帯電話やデジカメ、パソコンの充電器のほとんどが240Vまでの電圧に対応しています。
iPhoneの純正充電器(Apple 5W USB電源アダプタ)は「100-240V、50-60Hz対応」につき、世界中で使用が可能です。
ただし、日本国内で販売されているiPhoneの純正充電器はコンセントプラグの形状がAタイプのため、ブラジルで使用する場合はCタイプの変換プラグまたはマルチ変換プラグが必要です。
製品本体またはパッケージ、充電器の裏に記載してある対応電圧に「INPUT:100-240V 50-60Hz」と記載があるものは対応が可能です。念のため、充電器の裏に記載してある対応電圧には目を通しておきましょう。
ブラジルで日本製(100V)の家電製品を使用する場合は、変圧器が必要です。
ブラジルのホテルでは、観光客の多いグレードの高いホテルでは変圧器の貸し出しを行っているところもあります。
ただし、数に限りがありますので借りられる保証はありません。使用する予定がある場合は、旅行前にあらかじめメールで問い合わせておくと安心です。
ブラジルの公用語はポルトガル語ですが、観光客の多いホテルでは英語の話せるスタッフが常駐していますので、英語で会話を試されるとよいでしょう。
英語で変圧器は「transformer」といいます。ちなみに、ポルトガル語では「transformador」といいます。
ホテルのフロントで聞いてみましょう!
■変圧器を借りてもいいいですか?
May I borrow a transformer?
ちなみに、ブラジルのホテルのコンセントに電圧の表示がある場合、間違っていることもあるそうです!
トラブルを避けるためにも、使用する前にホテルのフロントに確認した方が安心です。
参考元:Spin The Earth
ブラジルの公用語は「ポルトガル語」です。
基本的にはポルトガル語が主流になりますが、観光客の多いエリアや、観光地のホテルやショップでは英語も通じます。
変圧器は英語で「transformer」、ポルトガル語では「transformador」といいます。
使う予定の家電製品についているラベルや説明書を確認して、入力電圧(V)と消費電力(W)を確認しましょう。
■私は「変圧器」が欲しい。買えますか?
英語:I want a transformer. Can I buy a transformer?
買い物の際に使うポルトガル語を覚えておくと便利ですよ!
■おはよう:Bom dia (ボン ヂーア)
■こんにちは:Boa tarde (ボア タルヂ)
■こんばんは:Boa noite (ボア ノイチ)
■さようなら:Tchau (チャウ)
■ありがとう:Obrigado/Obrigada (オブリガード/オブリガーダ)
■いくらですか?:Quanto custa? (クアント・クスタ)
【Carrefour(カルフール)】
フランスが資本のハイパーマーケット「カルフール」。アマゾン観光の基点として知られるブラジルの都市マナウスの他、セントロのマナウス劇場近くにも店舗があります。
住所:Av Eduardo Ribeiro Manaus(マナウス店)
【Walmart(ウォルマート)】
アメリカのスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」は、ブラジルに様々な形態で店舗を展開しています。
【Transfor Center】
サンパウロ市の電気街「Santa Ifigênia」にある変圧器専門店です。在庫がなくても、お店で待てばその場で作ってくれるそうです。
住所:Transfor Center R. dos Andradas, 377 - Santa Ifigênia, São Paulo - SP, 01208-000
参考元:MASUPAPE
ブラジルの電圧に対応した変圧器は、ダイソーなどの100円ショップでは取り扱っていません。
ですが、Cタイプの変換プラグは購入できます。
変換プラグは1個ではなく複数個を購入して持って行かれることをおすすめします。
また、デジカメやiPhoneなどの携帯を同時に充電させたい時、1箇所のコンセントから延長コードで2口使用できると便利です。延長コードをダイソーで揃えてもよいでしょう。
なお、延長コードには変圧機能は付いていませんので、海外対応(100V~240V)の機器に使用してください。
90~240Vを100Vに変換する変圧器で、コンセントプラグはA/C/O/BF/SEに変換可能につき、150カ国以上の国と地域で使用が可能です。海外旅行によく行かれる方におすすめです。
USBポート4口とコンセント3口(アース口付)を搭載。定格消費電力は200Wです。過電圧保護、過電流保護、過熱保護、過負荷保護、短絡保護と雷サージの機能があるため電圧の不安定なブラジルで重宝します。
90V~240Vを100Vに変換して、ブラジルで日本の家電製品を使用できます。本体の重量は約290gとコンパクトなので持ち運びが楽なのも魅力。許容消費電力は200Wで、ACコンセント3口とUSB4ポート搭載につき、コンセントの数に限りがあるブラジルのホテルでも、スマホやタブレット、デジカメなどを同時に充電できるので便利です。ただし、スマホに充電する際は別途USBケーブルが必要です。 また、Apple端末(iPhone/iPad/iPod)に充電する際はAppleの付属ケーブルを使用してください。
90V~260Vを100V-120Vに変換する変圧器です。定格消費電力は2000Wにつき、2000W以下のヘアドライヤーやホットカーラー、電気シェーバーなどの日本の電気製品をブラジルで使用することができます。ACコンセント3口、USB4ポートを備えており、急速充電も可能です。
ブラジルでは、短期間の旅行や出張の場合、基本的には変圧器は不要です。
ブラジルはホテルや施設によっても電圧が異なるため、ヘアドライヤーはホテルに完備されているものを使用するか、「海外対応」のヘアドライヤーを日本から持ち込んで使用されることをおすすめします。
長期滞在や留学の場合、炊飯器や電子レンジ、冷蔵庫、電気ポットなどは高い電力を使用するので、日本製品を持ち込む場合は変圧器が必要です。
その際、ブラジルで使用したい電気製品の消費電力をカバーできる変圧器か確認しましょう。
ブラジルでは、変圧器などの電化製品全般が日本よりも安価なことが多いです。ヘアドライヤーや電子レンジなど大きな消費電力を必要とするものは、ブラジルで購入した方が安心で安全に利用できると思います。
ブラジルのホテルによっては、同じ室内に110Vと220Vが混在していることがあります。
リオデジャネイロ市内(110V)のコンドミニアムでは、コンセントの場所によって電圧が異なるという情報もあります。
コンセントの近くに電圧数が記載されていますので、必ず確認してから使用するようにしてください。
●コンセントの表示を確認する
●使う電化製品側の電圧を確認する
また、ブラジルでは停電が多く、電圧が安定していないため、精密機器を使用するときは注意が必要です。電圧が不安定な時は、電源コードをコンセントから外すのがベターです。
なお、ブラジルは都市部であっても停電が起こります。高級ホテルであれば自家発電で対応していますが、万が一停電になっても慌てずに復旧を待ちましょう。
電圧のブレに弱いテレビやゲーム機器類など、常にコンセントに差して使用している機器は、「Estabilizador(電圧安定器)」を通して使用することをおすすめします。
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、ブラジルのコンセントは、Cタイプ、AタイプとCタイプが一体化した2種対応タイプ、Nタイプの3種類あり、一般的にCタイプが主流となっています。
施設によっては、その他のコンセントタイプも混在していますので、どんなコンセントにも対応できるマルチ変換プラグを持って行くことをおすすめします。
また、ヘアドライヤーやヘアアイロンなどの消費電力の大きい電化製品を使わなければ、基本的には変圧器は必要ないです。
ヘアドライヤーなどは、ホテルに完備されているものを使用するか「海外対応」の製品を日本から持ち込んで使用されることをおすすめします。
なお、ブラジルでは同じ州内、市内であっても電圧が異なる場合があります。
また、ホテルによっては室内でも異なることがありますので、電圧表示を確かめてから使用することを心掛けてください。
ブラジルでも変圧器は購入できますが、旅を快適に過ごすために、万が一の備えとして日本で変圧器を買って持っていくのも安心です。
ブラジルのコンセントの形状や、コンセントに変圧器は必要か知りたい人にとって、この記事が参考になればと思います。
また他にも様々な国のコンセント事情について執筆しています。気になる方はぜひ合わせて読んでみてください。
更新日時 | 更新内容 |
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2018/07/29 | 関連リンクの更新 |