エアコンの除湿の電気代はどのくらいが基準?冷房とどっちがオトク?

この記事を執筆するにあたって

『ディジタル技術検定1級制御部門』に合格した事もあり、電気や制御などの知識が有ります。

Written By kikuchi d

目次

エアコンの除湿モードの電気代について解説します

エアコン 除湿 電気 代

地球温暖化防止が取り沙汰される昨今、身の周りのエネルギー消費を節約しなければ、と考えている人も多いはずです。またエアコンなどになってくると電気代もバカになりません。

そんな中、夏場エアコンの電気代を節約するために、除湿モードが良いと言う考え方が有ります。

今回は、エアコンの除湿とは何かを考えながら、除湿モードの電気代を検討して行きたいと思います。

また細かい理論はどうでもいいから手っ取り早くエアコンの除湿の電気代を知りたいという方へ!

電気1kwh単価を27円とすると、エアコン除湿にかかる電気代の目安は、毎時3円、日では24円程度で1ヵ月を30日とした場合は720円。また、年間では3.5ヵ月程度エアコン除湿を行うとすれば、2,520円の電気代と算出されます。

どのような計算でそうなるのか、冷房と除湿で電気代はどちらの方が安くなるのかなどをみて行きましょう!

ズバリエアコンの除湿の電気代はいくら?

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エアコン除湿の電気代は、どの位を想定したら良いのでしょうか。

エアコンの動作条件を想定します

これを計算するためには、先ず、使用するエアコンと、その動作モードを想定しなければなりません。

そこで、使用するエアコンは、定格冷房能力2.2kWで、インバータによる可変範囲が最大3.3kW、最小0.5kWの機種を想定。その消費電力は、定格時で425w、最大960、最小115とします。

室内の気温が28℃で湿度75%の時、結露が始まる温度(露点温度)は約23℃なので、最低でも、エアコン室内機に収納されている冷却コイル(熱交換器)のどこか一部がその温度以下に冷やされないと、除湿が始まりません。

問題は、その時の冷却能力がどの位か、という事です。

九州大学大学院の調査研究を参照すると、約700Wの冷却能力の時、エアコンの吸気温度よりコイルの温度が9℃程度は低く維持できているそうです。

これを参考に、1kWの冷却能力を発揮してエアコンが除湿するものと仮定すると、定格値との比率で換算した場合、消費電力は193Wとなります。

ちなみに、気温28℃で相対湿度55%まで下がった時でも、その露点温度は18℃程度になり、一定の除湿を続けようとするとそれ以下の冷たさが必要です。

先の研究結果から予想しても、1kWの冷却能力が有れば、冷却コイルの温度は室温より10℃程度は低く維持できそうですから、除湿能力としては丁度良いレベルでしょう。

消費電力と電気代を算出

除湿時のエアコン動作パターンは、上記の消費電力で3時間連続動作した後、断続運転に切り替わり、消費電力は1/3に調整されると仮定します。

1日に8時間除湿を行うとして、上記の動作パターンを平均し、1時間あたりの消費電力エネルギーを求めると、約113Whです。

電気1kwh単価を27円とすると、エアコン除湿にかかる電気代の目安は、毎時3円、日では24円程度、という事になります。

1ヵ月を30日とした場合は720円。また、年間では3.5ヵ月程度(上記の動作パターンで)エアコン除湿を行うとすれば、2,520円の電気代と算出されます。

ただし、外気温度の推移や家の断熱性その他の条件により、エアコンの動作パターンが変わって来るので、常にこの電気代で済むという訳ではありません。

引用元:インバータエアコンの冷房時部分負荷特性と除湿能力について電力料金の目安単価の改定に関する件

エアコンの除湿・冷房、電気代はどっちが高くなる?

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一般的には、『弱冷房』なので電力が節約出来ると思われているエアコンの除湿ですが、それは本当でしょうか。

熱エネルギーで考えてみる

温度28℃で湿度70%の空気1kgには、17g程度の水分が含まれるとします。この時の不快指数は78.4%で、「やや暑い」とされる数字です。

ここで、摂氏0℃を基準にし、上記の空気の持つ熱量を算出すると、以下の様になります。

  • 顕熱分として28kJ(キロジュール、ジュールは熱量の単位)
  • 潜熱分として43.4kJ

ここで、エアコンの除湿は、室温を下げずに湿度だけ下げる事が可能だと仮定します。

気温は28℃のまま湿度を42%(9.8g)まで除湿すると、不快指数は74.6となり「暑くない」というレベルになります。この時、エアコンが室内から取り除いた熱量は、約18kJです。

一方、同じ気温と湿度の条件で、主に室温を下げる冷房モードを使った場合で考えてみます。

室内が、温度26℃で湿度65%の時、不快指数は74.8で、除湿したケースとほぼ同等レベルです。この時、空気1kgに含まれる水分は約14gとすると、顕熱と潜熱は以下の様に概算されます。

  • 顕熱分:26kJ
  • 潜熱分:35.7kJ

冷房前の全熱量と、この熱量を比べると、エアコンが空気から取り除いた熱量は、約9.7kJ程度に留まります。

つまり、除湿の方が冷房よりエアコンに対する負荷が多いという事です。これは、同じ温度・重さでも、空気より水の方が熱量を多く保持している事によります。

当然ですが、エアコンが室内から除去する熱量が多ければ多い程、消費電力は増えます。

不快指数を基準に、除湿の場合と冷房の場合でエアコンの動作量を測ると、ここで述べた様に、冷房より除湿の方が電気を使うというケースもあり得るのです。

引用元:飽和水蒸気圧と水蒸気量の計算建築環境工学II(エンタルピー)気温と湿度から不快指数を計算します。

エアコン除湿は冷房の一種

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そもそも、エアコンの除湿とは何なのでしょうか。

エアコンは、ガスの圧力と密度を調整し、循環させる事で熱を移動させる機械で、ヒートポンプとも呼ばれます。エアコンの除湿モードは、その機能を上手く調節して、空気中の水蒸気からのみ熱を奪い去る様に働く機能の事です。

熱には、気温としての熱である『顕熱』と水蒸気の持つ熱である『潜熱』があり、除湿はこの潜熱を室外に放出します。結果的に、室内空気が含む水蒸気(湿度)が凝結して水滴となり室外へ放出され、除湿が行われる訳です。

水蒸気だけ減らせれば良いので、除湿は『弱冷房』だと言われます。

しかし、冷却コイルの温度が十分に低くないと、空気中の水蒸気が結露せず、除湿機能が無くなります。

つまり、エアコンの除湿機能は、ある程度以上の冷却能力を必ず必要とするものでもある訳です。

ただしエアコンの除湿機能によるメリットがある場合も!

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カビは、おおむね、20℃以上の温度と75%以上の湿度で繁殖力がアップするそうです。

そこで、気象庁のデータから東京の7月の気候を調べてみます。そうすると、平年気温は25.0で湿度は77%である事が分かります。これはまさにカビの繁殖期で、東京の7月は、室温を下げない様に働くエアコン除湿の出番と言えます。

ただし、室温23℃で湿度70%の時、結露が始まる温度は約17.2℃と低くなります。つまり、エアコン内部の冷却コイルでは、最低でも一部分がこの温度まで冷えていなければならない、という事です。

これが、梅雨時に除湿をかけたら、室温が寒くなる主原因です。

最近のエアコンには、この問題を解決する仕組みが搭載されたものも出ていて、その1つが『再熱除湿』と呼ばれるものです。

除湿(冷房)時の、エアコンが室内から取り去った熱を、室外機から全て外部に放出させないで、その一部を室内に還元するのが、再熱除湿です。この方式では、エアコン冷却部の前後に別の電熱ヒーターを置くようなシステムと違い、余計な電力は少なくてすみます。

梅雨時だけでなく、室内に洗濯物を干す事が多い人などは、再熱除湿を装備したエアコンを選ぶと、効果的に除湿が使えるでしょう。

また、最近では『デシカント(除湿剤)』を組み込んで、空気中の水蒸気を吸着させる仕組みをもったエアコンも出ています。

エアコンの電気代が高いと感じたらプランの見直しの検討を!

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除湿モードに限らず、エアコンの電気代を節約しようと思う場合、料金プランごと変更するのも効果的です。

電気代が夜にオトクになるプラン

家族が、それぞれ別の部屋でエアコンを使いながら就寝する家庭では、夜の間の消費電力量が気になる所です。

その様な場合は、夜トクプランに乗り換える事を検討してはいかがでしょうか。

おおむね、家族が就寝中の時間帯に安くなる『夜トク8』は、電気1kWhあたり20.78円と、かなり値段が下がります。

電気代が週末にオトクになるプラン

週末は、ほとんど自宅に居るというインドア派の人や、多くの知人が集まり、エアコンの冷房・除湿を強めにかける事が多い、という人などには、土日お得プランも有ります。

このプランでは、平日の1kWh単価が電気使用量により約21円から32円強まで3段階に切り替わりますが、土曜および日曜は、ずっと20円78銭です。

このプランを使って、電気代がかかる洗濯乾燥を週末にまとめてかたずける事で、空調分以外のコストも節約する、という作戦も有りでしょう。

まとめ

エアコン 除湿 電気 代

エアコンの除湿モードは、冷房機能の一種です。『弱冷房』であるという事で、上手く使うと電気代の節約になります。

ただし、気温を下げるより湿度を下げるという事が、より多くの電気エネルギーを必要とする場合もあるので、一定の注意が必要です。

エアコンも含めて、抜本的に電気代を節約するのであれば、ライフスタイルにあった料金プランへと、変更する事も効果的です。

皆さんも、エアコンの除湿や冷房を上手く使って、快適な夏をお過ごしください。

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この記事を書いた人

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kikuchi d
実は深くて広い(?)家電の世界を探求しましょう!
家電やAV機器の中身や仕組みなども、できるだけ明確に解説できたら良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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