エアコンサイズの選び方とは?省エネでおすすめのエアコンをご紹介!

この記事を執筆するにあたって

ディジタル技術検定1級制御部門に合格した事があり、電気や制御の知識が有ります

Written By kikuchi d

目次

エアコンと部屋サイズの深い関係

エアコン サイズ

リモコンで設定した温度へ、自動的に室温を冷やしたり温めたりしてくれるエアコン。その機能が働く際に大きな影響を及ぼすのが部屋のサイズです。

部屋のサイズとエアコンの性能が合っていないと、快適さだけでなくエネルギーを余計に消費する事にもなり得ます。

今回は、エアコンが室温を調整する仕組みを少し掘り下げながら、エアコンと部屋のサイズの関係について考えてみます。

エアコンのサイズは能力の違い

エアコン サイズ

機械としてのエアコンのサイズは、カタログに記載されている、冷暖房能力を表す数値から読み取れます。例えば『冷房2.8kW / 暖房3.6kW』といった表示がそれです。

この数字は、エアコンが処理できる熱量を、電気などの表示と同じ形式(ワット)で表していて、定格能力と呼ばれます。

定格能力は、その機種を代表する性能値です。

日本において一般的な家庭用エアコンの定格能力は、『日本工業規格(JISB8615-1)』で決められた一定の温度条件を室内機・室外機に設定し、メーカー側が測定した数値が用いられます。

ただ、実際に家庭で使用される際には、この試験条件と同じ温度になる事の方が珍しく、エアコンの動作パターン(冷暖房能力や消費電力)は違ったものになってきます。

エアコンはサイズを自分で調整して動いている!?

現在、国内で製造されているエアコンは、ほぼ100%がインバータ式です。

エアコンは、室外機に内臓されている圧縮機をモーターで駆動しています。ここで圧縮された冷媒ガスの密度や温度を上手く調整した上で、室内機に循環させ、部屋の内外で熱を移動させ、空調を実現しています。

この熱を移動させる機械を、ヒートポンプと呼びます。

モーターの回転数は、インバータという機構で調整され、エアコンの冷暖房能力はこの回転数に応じて増減します。このシステムを使って、部屋の室温が快適になる様に、エアコンは常にヒートポンプのパワーを調整して動いている訳です。

言い方を変えれば、エアコンには自分のサイズを可変する能力が備わっている、とも言えます。

引用元:インバータ | ダイキンの空気の技術

部屋の広さに最適なサイズのエアコンを選ぶメリットとは?

エアコン サイズ

エアコンは、室温を限りなくリモコンの設定に一致させ、可能な限り省エネ動作をするようにインバーターを制御しています。

メーカーがこの調整動作をエアコンにプログラムするためには、エアコンが使われる環境を理論的に設定し、システムを設計しなければなりません。

この環境の中の大きなファクターが、部屋の広さとエアコンのサイズの関係である訳です。

サイズが違い過ぎると?

メーカーが設計時に採用した数値と、実際の家庭での使用環境には、必ず差が生じます。

もちろん、現代のエアコンには、この差を上手く埋め合わせるよう制御する仕組みも備わっています。

この仕組みを『フィードバック制御』と言います。

ただ、フィードバック制御にも守備範囲が決まっており、エアコンのサイズと部屋の大きさが違い過ぎると、室温が安定しなくなる事が考えられます。

この場合、いつまでたってもリモコンの設定温度に落ち着かないばかりか、不必要な時に断続運転に切り替わってしまうこともあり得ます。

これは、設計時に想定したより室温の変化が速すぎたり遅すぎたりする事が原因となり起こる現象です。

エアコンのシステムが安定性を欠く領域では、快適さや、メーカーが想定した省エネ性能も、完全には発揮しきれなくなります。

引用元:技術情報 - 温度制御について勉強しよう

部屋の広さより小さいサイズのエアコンを選んだ場合は?

エアコン サイズ

一般論的に言っても、部屋の容積に対して小さすぎるエアコンを設置した場合、空調がなかなか(あるいは全然)効かなくなる事が想定できます。

ただし、現代のエアコンは、定格(冷暖房)能力の1.5倍程度まで出力できるので、空調という意味だけなら一定の余裕はあると言えます。

むしろ問題なのは、エネルギー効率の方です。

エアコンの効率

エアコンの効率は、定格より高い能力を発揮した場合、大きめに低下します。

エアコンの効率は、空調で処理できる熱量を消費電力で割り算した数字で示されます。この数字は1.0より大きくなり、本来エアコンはエネルギー効率の良い機械である事が分かります

ただし、一般に、定格能力で運転している時が効率は最大となり、最小出力の時はそれより低く、最大出力の時はさらに低くなります。

大きな部屋に小さすぎるエアコンを設置したケースでは、エアコンの負荷が高くなるので定格より高い領域で運転するチャンスが増えます。つまり、エアコンの効率が低くなり、余計に電力を消費する事につながる訳です。

空調が全然効かない、という状態でエアコンを使う事は、エネルギー効率的には最悪の環境だと言えます。

部屋の広さより大きいサイズのエアコンを選んだ場合は?

エアコン サイズ

部屋の容積に比べて大きすぎるエアコンを設置した場合は、インバーターは冷暖房能力を定格より小さい領域に調整して動作する事になります。そして、この調整範囲にも限りがあります。

仮に、エアコンの最小能力でも空調が効き過ぎてしまう場合、エアコンは自動的に圧縮機を停止し、その後、断続運転のモードに切り替わる事が想定されます。

断続運転では、室温が大きく変化してしまうので快適性も落ちる上、細かな制御ができなくなるので省エネにも逆効果となります。

エアコンのサイズ選びのチェックポイントとは?

エアコン サイズ

エアコンを選ぶ上でのチェックポイントを確認しましょう。

間違いやすいサイズ表記に注意!

通常、エアコンのサイズは、和室の畳数を基準として表示されます。

例えば、「6畳~9畳」と表示されているエアコンの場合、この意味は木造家屋の場合6畳用鉄筋コンクリートの場合9畳用と言う意味です。

その機種が6畳から9畳に対応するという意味ではないので注意が必要です。

建物や部屋の条件で変わってくるの?

同じ床面積であっても、天井の高さによって部屋の容積が変わるので、その点もエアコンサイズとのバランスに影響します。

たとえば、部屋が大きくなるだけで、空気の分の空調負荷は確実に増えます。

1m^3(立法メートル)の空気には、1℃あたり約1.2kJ~1.3kj(キロジュール:熱の単位)の熱が含まれます。この数字は、100Wで冷暖房した場合12~13秒程度で処理できる値となります。

他に、家具が内部に保持している熱量、家電製品の発熱、そして人体からの発熱(最低でも毎秒73J程度)も、空調の効き具合に関係します。

暖房と冷房で違いはあるの?

一般に、冷房より暖房の方が、空調の負荷が高いと見積もられます。

ルームエアコンの規格である『JISC9612』に示されたエアコン選定方法でも、2割~5割程度、暖房の方が負荷が高いと設定されています。

部屋の空調負荷が高いという事は、部屋が大きくなった事と同じ意味です。

リビングキッチンは例外として考えよう!

キッチンにある、様々なガス器具や家電製品は、家の中でも熱を多く発生するものが揃っています。

室内の発熱は、暖房の助けになりますが、冷房にとっては邪魔な存在です。

したがって、キッチンとつながった間取りのリビングなどは、通常のエアコンサイズとは別で十分余裕を持たせた機種選択が必要となります。

1L(リットル)の水を80℃暖めるのに必要な熱量は、80kcal≒336kJとなります。これは、100Wの冷房能力の場合に約56分かけて室内から放出できる熱量です。

キッチン周辺の空調を決める際は、こういった熱量も見積もった上でエアコンの選択をした方が、より適合した機種を選べます

また、家電製品が発する熱は、その定格消費電力を合計して、何W、と見積もる事が出来ます。

この数字は、そのままエアコンの冷暖房能力と対応させる事が可能です。

省エネでおすすめのエアコンをご紹介

それでは、省エネ技術を搭載したおすすめエアコンを、2機種ご紹介します。

ダイキン S22VTRXS-W-SET

ダイキンの『S22VTRXS』は、冷房能力の制御を緻密に行って、室温28℃でも快適さを維持する、『プレミアム冷房』を搭載しています。

普段エアコンを冷房モードで使っていると、室温が落ち着いた後に、何となく蒸しっとした湿度が感じられる事があります。実は、従来のエアコンでは、室温と湿度を別々にコントロールする事が難しかったのです。

室温が設定に近づくと、エアコンのインバーターは冷房能力を低下させ、温度を安定させようとします。その時、室内機の熱交換器の温度が上昇し、空気中の水蒸気を結露させる温度(露点温度)より、高くなります。

そうすると、エアコン内部に出来ている水滴が水蒸気となり再び室内へ放出され、部屋の湿度を上げてしまうのです。

実際、27℃の温度で55%の湿度を保とうとすると、熱交換器の温度を17℃程度まで冷やさなければ、空気中の水蒸気を結露させ、除湿を継続する事ができません。つまり、室温も下げないと除湿できない訳です。

この問題を解消したのが、ダイキンの『プレミアム冷房』です。

室温が設定に近づいた後でも、熱交換器の一部だけを集中的に冷却して、その温度が露点温度以下を保つように制御します。

これによって、冷房時の設定温度を28℃程度にしても、さらっとした快適さがたもたれる上、省エネ性能も向上させています。

参考元:プレミアム冷房の秘密

東芝 RAS-E225DRH

東芝の『RAS-E225DRH』は、『エナジーセーブコンプレッサー』を搭載している点が特徴です。

インバーター式エアコンは、室温を適切に保つよう、冷暖房能力をこまめに調整しています。

しかし、その調整範囲にも限界があって、一般的に2.2kW級エアコンの最小能力は、500W程度までしか小さくする事が出来ません。

それ以下の能力で、じんわりと空調をする必要がある場合、エアコンは冷媒ガスの圧縮を一度停止して、以後、ONとOFFを自動で繰り返す断続運転モードになります。断続運転は、室温の変動も大きくなり、快適性と省エネ性も損なわれるモードです。

この問題を解決したのが、東芝の『エナジーセーブコンプレッサー』です。

小さな能力で空調をする場合は、圧縮機の容量自体を半分に縮小し、従来よりさらに小さい能力での制御を実現した技術となっています。

2.2kWのエアコンで、最小冷房能力は200Wまで絞る事が可能で、その時の消費電力は扇風機なみの45W程度でしかありません。

参考元:省エネ|E-DRシリーズの特長

エアコンサイズの選び方について疑問が残ったら

エアコン サイズ

メーカーは、エアコンのサイズを適合する部屋の畳数で表示していますが、あくまでも機種選択の上での目安でしかありません。

実際の居住スペースは家庭により様々で、実際のライフスタイルに合ったエアコンを選ぶには、もう少し詳しく検討した方が良い場合があります。

例えば、エアコンに関する工業規格『JISC9612』には、建物のタイプとサイズから、エアコン選定が行える簡易的な資料(付属書D)も載っています。

この資料からは、窓のタイプ(二重サッシかどうか)や和洋室の違いなどを基に、1m^2(平方メートル)当たりに必要な冷暖房能力が読み取れる様になっています。

あくまでも、規格書の中の資料なので親切な書き方になっていませんが、興味のある方はご覧になると良いと思います(下のリンク先で、"JIS規格番号からJISを検索”のボックスに“C9612”と入力すると規格が検索できます)。

引用元:JIS検索

まとめ

エアコン サイズ

エアコンのサイズは定格冷暖房能力を基に、適用する部屋の畳数として表示されています。

これは、大まかな目安であって、実際の部屋とは微妙なズレがあります。

一般には、インバーターの制御によって空調能力が部屋に合わせられるので、ほぼ問題になりませんが、部屋とエアコンサイズの間に大きな違いがある場合、快適性だけでなく省エネ性も損なわれるので注意が必要です。

エアコンの機種選択の際には、実際の部屋に合っているか、最新の省エネ技術が装備されているかなどを吟味して、じっくり検討する方が良いでしょう。

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kikuchi d
実は深くて広い(?)家電の世界を探求しましょう!
家電やAV機器の中身や仕組みなども、できるだけ明確に解説できたら良いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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