独り暮らしでも週に3-4回は、そして家族暮らしなら毎日幾度も回すことが多い洗濯機。
モーターと水を使っていることから、非常に電気料金もかかり、さらに水道料金にもかなりの影響があります。
となると、節約できる洗濯に使う水を、できれば節約したいところ。
節水タイプの洗濯機もあるにはあるのですが、それでも1回のお洗濯で数十リットル。月間30回洗濯機を回すとなると、使う水の重量もトン単位!
となると、この洗濯機で使う水を、風呂水に切り替えることができれば・・・かなりの節約につながりますよね。
洗濯機には風呂水取り込み用ポンプなどがあらかじめ付属した機種も多く、「もしかすると、わが家が使っていなかっただけで、すでに家事ではスタンダードな節約方法?」かもしれません。
今回は、洗濯機でお風呂の水を使うときに気になる、清潔さや水道代などについて、ご紹介します。
洗濯機にお風呂の水、具体的には残り湯を使っても大丈夫?と不安に思われる方は少なくないかもしれません。
なんといっても、前日のお湯。雑菌が繁殖しやすい温度ですし、加えて入浴剤のにおいや色も気になります。
まっさらな水道水を使うときと比較して、故障なども気になります。
洗濯機にお風呂の水を使うとき、確かに全く雑菌などが繁殖していないということはありません。いったん加温されたお風呂に入って、それが冷めていった水。
いくらきれいに体を洗ったからといっても、垢や体毛、そして雑菌なども含まれます。
たとえば、
横浜市水道局|横浜のおいしい水計画|くらしの中の水
によると・・・
引用
Q. おふろの残り湯は何日使えるの?引用
A. 一晩で、残り湯中の細菌数は、数千倍になります。お風呂の環境により異なるため「何日まで安全」というのは一概に言えませんが、細菌が増殖しやすい夏場は毎日交換することをおすすめします。
水道局で行った実験では、入浴してから一晩おくことにより、風呂の残り湯中の細菌数は、数千倍に増えました。残り湯1ミリリットルあたりの細菌数は約100万、真夏には200万近くまで増殖していました。
とありますが、考えてみると、これは洗濯物の繊維に付着している汚れとほぼ同じ!
だから洗濯・洗剤の効果で、きれいにできる部分なのです。
また、お風呂の水を洗濯機に取り込む専用ポンプが内蔵された洗濯機もあれば、ホームセンターなどで外付けできるポンプとして販売されているものもあります。
できるだけ、お風呂の水の中に浮かんでいるごみなどを取り込まないようにすれば、かなり洗濯時の水のきれいさを確保することもできます。
とくに、国内大手メーカーが発売しているミドルクラス以上の洗濯機についている内蔵タイプの風呂水利用ポンプでは、取り込む水が洗濯機内でにおいや雑菌のもとになりにくいように、フィルタを経由して取水してくれるものなどもあります。
こういった洗濯機や風呂水ポンプを選べば、かなり清潔さを高く保てるはずです。
お風呂の水をポンプで洗濯機に入れるには、やはり電気代もかかります。
それでもお風呂の水を使用したほうが、トータルなお洗濯コストの節約につながるものなのでしょうか?
たとえば、1回のお洗濯からすすぎまでに90Lを使う小型の洗濯機の場合、この中でお風呂の水を使うのは、通常は洗濯のみの30L、もしくは洗濯&すすぎの60L。
4人家族で150Lの場合、洗濯のみの50L~100Lをお風呂の水に置き換えることができます。
日本水道協会の「水道料金表」による水道使用量が20m³の場合の全国平均では、1L=0.24円。
30Lタイプの洗濯機では、1回あたりで7.2円~14.4円ほどとなります。
50Lタイプの洗濯機では、1回あたりで12円~24円ほどとなります。
たとえば4人家族では、白物、色柄衣類、ベッドリネンなどと3回回すとして、1か月25日だと900~1800円もの差に!
単純に、洗濯機を回す回数や日数で計算すると、1か月あたり、そして1年で見てもかなりの金額になりますよね。
洗濯機にお風呂の水を使う方法としては、3通りの方法があります。
1:洗濯機に付属している風呂水ポンプで洗濯機内部に自動給水
2:洗濯機とは別に購入した風呂水ポンプで、洗濯槽の中に手動で給水
3:洗濯槽の中にバケツで給水
それぞれの方法を見ていきましょう。
製品にもよりますが、洗濯機の洗濯サイクルの進行にあわせて、勝手にお風呂の水を、適切な量だけ浴槽から取水してくれます。
そのため、サイクルスタート前に、取水ポンプヘッドを浴槽内に入れてスタンバイしておけばOK。自動給水タイプなら、水道の蛇口の開閉操作も不要です。
あとは自動的に、取水設定や満水などにあわせて、ポンプと洗濯機本体が判断してくれるため非常に楽々です。
お洗濯が始まる前に風呂水ポンプヘッドを浴槽内に沈めておかなければならないこと、また十分な水量がなければ、途中でエラーとなる機種もあります。
個別の洗濯機にあわせて使い方には注意が必要です。
また機種によっては洗濯機内蔵ですが、満水時水量以外は自動ではないタイプなどもあり、こちらも注意が必要です。
ホームセンターなどで購入した、風呂水くみ上げ用のポンプを使い、洗濯槽の中に手動で給水する方法もあります。
洗濯サイクル設定と、スタートボタンを押すときに、洗剤を入れたら水道の蛇口は閉めておきます。
そして風呂水くみ上げ用ポンプの取水ヘッドを浴槽内に入れ、そこから伸びたホースを洗濯槽に。
そして満水になるまで、ポンプの電源をONにしておきます。
満水になったらポンプはOFFに、そして自動給水タイプなら洗濯機用の蛇口を開いておきます。
実はちょっと注意しなければいけないことが多いのが、風呂水ポンプを別に購入したケース。
洗濯機自体は、満水になった時点で動き始めますが、この時にポンプの電源をOFFにするのを忘れると、洗濯の時には流水すすぎのようになってしまい、洗剤液が無駄になってしまいます。
そればかりではなく、ポンプを止めるのを忘れると、洗濯機の外側から水があふれて、最悪の場合、周辺のお宅に迷惑をかけるばかりでなく、自宅の洗濯機も壊れてしまうことにもつながります。
できれば、洗濯給水ポンプの中では、満水時水量を設定できて一定以上の水量でポンプが自動停止するタイプや、センサー付きでとある位置まで水が到達したら自動的に止まるものなどを選ぶのがよいでしょう。
給水ポンプの水位のレベル測定では、フローティングボールタイプで電源をONOFFするものなど、ちょっとレトロなものもホームセンターなどで見ることができます。
また、すすぎサイクルの1回目に風呂水ポンプを使いたいとき、洗濯機によっては、洗濯+洗濯+すすぎの要領で3サイクルに分けて設定を行わなければならないケースもあります。
全自動洗濯機といいつつ、忙しい家事の合間に、こまめに洗濯機の状態を確認しなければならないので、ちょっと面倒です。
また重要なのが、給水時にホースが抜けて、洗濯機周囲に水が飛び散ることも少なくないこと。
十分なホース長を確保して、洗濯槽にしっかりとホースが収まるようにするとともに、ホースの固定に際しては、2-3か所を別々の金具を使って固定。また、万が一水が飛び散ってしまったときに電源回りにかかったり、床下に水漏れがないよう、電源部を分けたり、洗濯パンを設置するのも必須かもしれません。
一番お手軽な方法が、洗濯槽の中にバケツで、浴槽から給水する方法です。
蛇口を閉めて、洗濯機の洗濯コースを設定し、スタートしたら、バケツで浴槽から水を汲んで、洗濯槽の中に移し替えます。
洗濯サイクルだけの利用時では、とくに問題はないのですが、すすぎサイクルの1回目にも風呂水を使いたいときには、洗濯機によっては、洗濯+洗濯+すすぎの要領で3サイクルに分けて設定を行わなければならないケースもあります。
こまめに洗濯機の状態を確認して、水を組み入れたりしなければならないので、ちょっと面倒です。
また、フィルタ付きタイプの風呂水ポンプ使用時とは異なり、風呂水の中のさまざまなごみ~たとえば人の垢や剥けた皮、毛髪なども一緒に洗濯槽に多く入りがちです。ポンプでくみ上げる時は、底面ではなく上面から取水することも多いのですが、バケツで汲むとなると、水の中がかき回されるので、ゴミがより多く入りがちなのです。
そのため、バケツで水を移し替える時には、事前に、浴槽内のごみとりなどを丹念に行っておく必要があります。
また、バケツでの水くみでよくみられるのが、腰痛や、こぼした水で自分が風呂場や洗濯機置き場で転んでしまうケース。
こぼした水で洗濯機がショートして壊れてしまうことなどもあることから、滑り止め対策などには注意が必要でしょう。
洗濯機の洗濯槽を満水にするには、5Lバケツで10回以上ということも少なくありません。毎日のことだけに、作業時には腰痛対策も必須ですね。
入浴剤を入れたお風呂の水ですが、その入浴剤によっても使える使えないがわかれてきます。
たとえば、一度給水した風呂水が洗濯機本体のパイプ内を通る、風呂水ポンプ内蔵タイプであるケースは、この3種類の給水方法でもっとも注意が必要なもの。洗濯機本体内部のパイプの腐食や汚れによるつまり、におい、パイプ内部で発生した水カビなどによる洗濯物汚れの可能性もなくはないからです。
重曹メインのタイプであれば、こういった洗濯ではほとんど影響を受けることはありません。
また、色のついたタイプの入浴剤でも、一般的にドラッグストアなどで売られている大瓶タイプの製品では、真っ白な洗濯物や、麻やコットンと同じタイプの化繊などラフさのある繊維以外では、「よほど入浴剤を、指示書きよりも多く入れたという場合」以外はほぼ色うつりもないでしょう。
ですが気を付けたい入浴剤の成分もあります。
たとえば、天然ハーブや天然ミネラル鉱石。硫黄、ソルト、オイル、石灰、カルシウムなどです。
あまりピンときにくいのですが、天然ハーブやミネラル鉱石、ソルト、オイルなどは、バスボムやバスオイルに。石灰、カルシウム、硫黄、天然ミネラル鉱石などは、湯の花や天然温泉入浴剤(濃縮液)などにも多く含まれています。
とくに硫黄は、風呂水ポンプの給水部分から、洗濯ドラム内の金属部などを腐食させる可能性もなくはなく、また、オイルやカルシウムは、風呂水ポンプの洗濯機内給水管部分の中によごれをこびりつかせやすくし、最悪の場合、硬い結晶のようなものができ、それがつまりにつながります。とくにカルシウムはちょうど硬水で洗濯をしている状態にも近くなります。
洗濯ものも汚れやすくなる入浴剤もありますので、それぞれの入浴剤の注意書きをよく読んで確かめることが大切なポイントです。
いかがでしたか?
洗濯機でお風呂の水を使うときの方法や注意点、洗濯機や関連パーツ選びなどについてご紹介しました。
意外にも節約できる金額も少なくない「風呂水+風呂水」利用。
思い立ってすぐに始めてみたい!という方なら、まずはイニシャルコストがほとんどいらないながら、体力はしっかり消耗するバケツ給水からスタートしてみるのもおすすめです。
家事のながらダイエットとしても、1か月もあれば、かなりの料金&スタイルの変化を実感できるかもしれませんよ!