筆者は家電量販店に勤めております。冷蔵庫の上に電子レンジを置く際のポイントと、違いについて解説をしてきます。
Written By ブレンディ 0120
一人暮らしの方や、キッチン周りをコンパクトにしたい方は、よく電子レンジを冷蔵庫の上に置いていたりしませんか?
最近の冷蔵庫は、冷蔵庫の種類によって電子レンジを置けるタイプのものが存在します。
電子レンジの為にわざわざラックを購入したり、スペースを確保するのは億劫に感じてしまいますよね?
その為に家具を別に購入すると高くついてしまいますし、そもそも置くスペースがない方もいらっしゃると思います。
特に一人暮らしの方はキッチン周りはそんなに広くない家の方が多いと思いますので、省スペースというのは非常に大きな課題です。
今回は、そんな電子レンジを置ける冷蔵庫のご紹介から、置けるタイプと置けないタイプの違いはどこにあるのか?という部分を解説してきます。
電子レンジを冷蔵庫の上に置けるか置けないか?という部分の違いはずばり「耐熱加工の天板」があるかないか?の違いです。
天板?聞いた事がない方もいらっしゃるかと思いますが、簡単にいうと「電子レンジの熱に耐えられる板が冷蔵庫の上部についているかどうか?」という理解で問題ないでしょう。
電子レンジは構造上、マイクロ波を照射し食品を温めます。
庫内はもちろん温まりますが、一緒に熱を排出しますので、冷蔵庫と接面する面積が大きいと、冷蔵庫の上部が溶けたり焦げたりしてしまいます。
もし、耐熱加工されていない天板の場合、電子レンジが原因で冷蔵庫が故障の原因になってしまう場合もあるんです。
レンジ機能だけではなく、オーブンレンジなどを使った場合、庫内の温度は200℃にも及びます。
そうなると電子レンジの周りの温度も必然的に上昇し、故障するリスクは高くなってしまいます。
こういった問題を解決するために、最近の冷蔵庫は上部に耐熱加工がされた天板を搭載している商品が多く、比較的背の低い冷蔵庫には電子レンジを置くことを想定して作られている商品が多くあります。
もし、既に冷蔵庫を持っている方がいれば、冷蔵庫の上部を上から覗いてみて、「耐熱温度○○℃」と記載されていれば耐熱加工の天板といえます。
一般的には、耐熱温度が100℃と記載されている商品が多く、天板に印字されているものです。
冷蔵庫は地震対策の為に、倒れにくい設計をされていますが、上に置く電子レンジまでは想定されていない事が殆どです。
もし大きな地震が発生し、冷蔵庫の上に電子レンジが置かれている場合、電子レンジは冷蔵庫の上から落下し壊れるリスクがあります。
電子レンジと冷蔵庫をそれぞれ固定しているわけではありませんので、仕方ない事かと思いますが、もし料理をしている時に地震に見舞われて上から電子レンジが落ちてきたら怖いですよね?
もし、電子レンジが頭上から落ちてきてぶつかってしまった場合、ケガは免れません。
軽いケガで済むなら、まだ良いですが最悪の場合、命の危険もあります。
落下が心配な方もいるでしょうから、電子レンジと冷蔵庫をできるだけ固定するように、耐震シートを間に敷くなどして対応すると良いでしょう。
また、耐震シートも耐熱温度が高いものをおすすめします。
電子レンジを冷蔵庫の上に設置するのは非常にコンパクトで便利に使えますが、こういった地震の時には危険であることも理解した上で使うようにしましょう。
あまり知られていない商品ですが、「冷蔵庫ラック」という商品があります。
その名の通り、冷蔵庫の外側に合うように鉄製のラックで囲い、その上に電子レンジやキッチン器具などを置く事ができる便利な商品です。
冷蔵庫ラックは比較的安価で購入でき、「おおよその相場は1万円程度」です。
冷蔵庫ラックを購入する事で、冷蔵庫に耐熱加工の天板がない商品の場合でも電子レンジと冷蔵庫が直接触れていないので、ラックを介して電子レンジを置くことが出来ます。
また、地震の時も冷蔵庫の上にただ電子レンジを置くよりも、ラックの方が安定性が確保でき、落下するリスクを減らす事ができるでしょう。
もし冷蔵庫ラックを購入する際は冷蔵庫サイズを確認してから購入しましょう。
図る時の基準は「高さ・横幅・奥行」のそれぞれを冷蔵庫のサイズよりも一回り大きいものが適切です。
一人暮らしに選ばれる冷蔵庫のサイズは一般的に「高さ120~140cm×横幅60cm未満×奥行き60cm未満」のサイズが多いです。
冷蔵庫ラックにおいても、この規格に合うものであれば設置する上で問題なく設置する事ができるでしょう。
一人暮らしの冷蔵庫サイズの規格に合った冷蔵庫ラックです。
四つ足の支えで、冷蔵庫上部に電子レンジを置くスペースを確保しています。(電子レンジのサイズによります)
白いデザインで主張しすぎないところもキッチン家電との相性はいいかと思います。
ラックの高さは調整する事ができ、生活スタイルに応じて高さを変えることが出来ます。
冷蔵庫の耐熱天板がない方や、安定性を確保したい方におすすめの商品です。
ラックを購入しても、冷蔵庫の背が高い場合はどうしても安定性の確保は難しくなります。
一般的に「中型冷蔵庫~大型冷蔵庫」にありがちな大きい冷蔵庫にラックを設置すると高さがあり、地震の時などの安定性は確保できません。
こういった場合、より安定性の確保が必要になってくるので「つっぱり棒付きラック」の購入をすると良いでしょう。
冷蔵庫ラックにつっぱり棒が付いているタイプの商品です。
横幅90cmに対応しており、中~大型の冷蔵庫にも対応。
冷蔵庫の横に収納スペースを確保する事もできます。
つっぱり棒がある事で、より安定性の確保ができ、ラック内の調整が自由自在です。
大きい冷蔵庫をお持ちの方や、冷蔵庫ラックをしっかり安定したい方におすすめの商品です。
いかがでしたか?冷蔵庫の天板に電子レンジを置くことで、キッチン周りの省スペースに繋がりますし、料理をする際も便利に使うことが出来ます。
その一方、地震の際などに落下などが怖い部分もありますが、しっかりと地震対策を行っていればそんなに心配する程でもないでしょう。
筆者は当時、東日本大震災を被災地で経験していますが、正直なところラックだけで安定性が絶対的かと言われるとそうではないと思います。
かなりの重量・質量がある業務用の冷蔵庫でさえ、縦横無尽に暴れて倒れている状況に陥ります。
また、鉄筋コンクリートで固められた建物が倒壊するなど、自然の力は逆らうことは出来ません。
冷蔵庫ラックを購入することを検討されている方にも、ぜひお伝えしたいことは、物事に絶対はありません。
しかし、もしもの時を意識し出来る限りの準備をすることは非常に重要なことです。
この記事を読んで、もしもの時を想定し、何か気付けるきっかけになれば筆者として幸いです。
最近冷蔵庫と電子レンジは非常に便利になってきています。
ラックと合わせて使うことで非常に充実したキッチン周りにすることが出来ますので、ぜひ皆さんも、地震対策なども頭の片隅におきつつ、便利にキッチン周りを飾ってみましょう!