イヤホン端子とは?どんな種類があってどのように選べば良いの?

この記事を執筆するにあたって

その昔、オーディオ機器には、6.3mmの標準ジャックが必ず付いていて、3.5mmへの変換プラグを使っていたのを、懐かしく思います

Written By キイ @

目次

イヤホンの端子

この記事では「イヤホンの端子について知りたい」という方に、イヤホンの端子の種類や用途などに関してご紹介したいと思います。

イヤホンの端子って、細めの銀色の金属プラグで、黒か白の横線が2、3本入っているもの。
そう思っている方が大多数だと思います。
そう、その認識はけっして間違いではありません。
しかしながら、それ以外の仕様もあり、正確に把握されている方はごく少数だと思います。

ここでは、イヤホンの端子の単純な形状と奥の深い仕様を解説してみたいと思います。

イヤホンの端子って何?

イヤホンで音楽などを聴きたいときに他の機器と接続するために差し込みます。この挿し込む部分、” イヤホンの端子”のことを、正確には「フォンコネクター」と呼びます。
また、マイクやイヤホン側のオス型をフォンプラグ(plug)、スマホやPCなどにあるメス型をフォンジャック(jack)と区別された名称があります。
フォンジャックは、穴の中に電極が複数ありますが、外からは見えないため判別することができません。
フォンプラグは、電極の数を目で数えることができます。

ケーブルの先端の棒状のもの

ケーブルの先端の金属製のプラグであり、2極(モノラル)の場合には、先端部分をチップ (Tip)、根元をスリーブ (Sleeve) と呼びます。
また3極(ステレオ)の場合には、チップとスリーブの間にスリープと同じ大きさで絶縁された部分を挟み込みます。この部分をリング (Ring) と呼ばれています。

イヤホンの端子の用途

本格的な音楽の現場で使用されるマイク、ヘッドフォン、電子楽器等から、パソコンのマイク端子やヘッドフォン端子、スマートフォンや音楽プレーヤーなど、ありとあらゆる機器でも使用されている。ステレオ用には前述の3極のTRSコネクター(Tip-Ring-Sleeve)を使う。
フォンコネクターは、機器同士の接続が容易であり、特に頻繁に抜き挿しする用途に向いています。一般的には2極(モノラル入出力)あるいは3極(ステレオ入出力)の接続で用いられていましたが、マイク付きイヤホンの普及で4極のタイプも存在します。

イヤホン端子の種類

外径φ

  • φ6.3mm(標準プラグ)

その昔、電話交換台用として生まれたと言われており、いわゆる標準サイズの端子外形です。一般的な音楽機器類(業務用、民生用)で使用されていましたが、機器の小型化と共にφ3.5mm(ミニプラグ)が主流になっています。
現在では、高級オーディオ、ヘッドフォン、プロ仕様などで引き続き使用されています。

  • φ3.5mm(ミニプラグ)

標準プラグに対して「ミニプラグ」と呼ばれ、昔は標準-ミニ変換プラグなどもありました。現在では、最も普及しているイヤホンの端子のサイズです。一般的な音楽プレーヤーやパソコンなどで使用されています。
ヘッドフォン、イヤホン、マイク付きイヤホン、スピーカーフォンなど、多くのアナログオーディオ機器と接続できる、現在の標準プラグな位置づけです。

  • φ2.5mm(マイクロプラグ)

「マイクロプラグ」や「ミニミニプラグ」などとも呼ばれているサイズの端子です。ポータブル機器(DAPのバランス接続やカード型ラジオ)、データレコーダ・ICレコーダーのコントロール端子に使用されている場合が多く、イヤホン端子としてはあまりメジャーではありません。

  • φ4.4mm

2016年にJEITAがバランス接続用として5極 (TRRRS) プラグ・ジャックを規格化しました。バランス接続専用ですので、φ4.4mmに対応したDAPやハイレゾプレーヤーとの接続のみに使用できます。
最新のプラグ規格であり、またバランス接続専用ということもあり、一般的な採用例は少なくオーディオマニア向けのものと思っていいと思います。

端子の構造

前述のとおり、イヤホン端子(フォンプラグ)の電極の構造により、複数のタイプが存在します。
イヤホン端子のサイズが同じであれば、挿し込むことができてしまうため、基本的には下位互換性が保てるようになっています(=最低限の動作だけ)。
先端部分をチップ (Tip)、根元をスリーブ (Sleeve)、チップとスリーブの間にスリープと同じ大きさで絶縁された部分をリング (Ring)と呼び、それぞれの頭文字で表現されます。

  • 2極(TS)

モノラル用のイヤホン端子になります。昔であればAMラジオ用のイヤホンなどがこのタイプでしたが、昨今は民生機器でお見かけすることはほとんどありません。

  • 3極(TRS)

ステレオ用のイヤホンの基本的な端子の構造です。チップ (T)で左チャネル、リング (R)で右チャネル、スリーブ (S)で接地(グラウンド)の構造です。

まれに、モノラル信号をバランス接続で差動信号(+/0/-)を伝送する用途にも用いられますが、この方法は民生機器でお見かけすることはありません。

  • 4極(TRRS)

構造としては、3極のTRSコネクターのスリーブ端子をさらに分割して、1極を追加することで新たな機能を割り当てた拡張版です。
スマートフォンなどで通話するためにマイク端子を追加した4極タイプが普及するにつれて、パソコンでも従来のイヤホン用3極+マイク用2極から、イヤホンマイク用の4極端子に移りかわってきました。
パソコンで4極対応型の場合、アイコンとしてヘッドセット型のアイコンが差し込み口についていることがあります。

スリーブ端子とマイク端子の順番には、Cellular Telephone Industry Association (CTIA) 仕様と Open Mobile Terminal Platform (OMTP)仕様 の2種類があり、相互に互換性がありません。イヤホンマイク自体に切り替えスイッチを付けた商品も存在しますが、現在ではCTIA版は主流となっています。

Astell&Kernのデジタルオーディオプレーヤー AK240では、TRRSをバランス駆動端子として使うためにφ2.5mm 4極が採用されました。それ以降、他社製品でもハイエンド製品等を中心にバランス接続が採用され、それに対応するイヤホンケーブル製品も発売されています。この場合、先端(チップ)からR-、R+、L+、L- の順番となっています。

  • 5極(TRRRS)

ソニーのノイズキャンセル機能付きウォークマンではヘッドフォンコネクタが5極になりました。
ここでは、追加した2極をノイズキャンセル機能に割り当てています。
ポータブルオーディオ機器のノイズキャンセル機構は、ノイズキャンセル用の収音マイクがイヤホン側にあり、ノイズキャンセル処理はオーディオプレーヤー側で処理を行いますので、イヤホンからプレーヤーへ外音(騒音)を伝達する必要があります。追加の2極はそのための信号伝達用です。

イヤホン端子の選び方

ここでは、イヤホン端子の選び方を紹介しましょう。
と言っても、イヤホン端子は自由に選べるものではありません。基本的にはイヤホンとそれを接続する先のオーディオ機器の仕様で決まってしまいます。
ここでは、「もし自由に選べるならば」という前提で少しお話をします。

外径の選び方

外径のサイズが大きいか小さいか、どちらかを選べるならば音質としては大きい外径、φ6.3mmの標準プラグがいいと思います。なぜなら電気信号を伝えるための電極の接触面積が大きくとれるからです。
また、大きい外径のほうがプラグを差し込んだときも物理的に安定しています。

一方で、接続された機器やイヤホンやの取り回しという観点では、可能な限り小さい外形のほうが扱いやすく、機器本体の小型化にも貢献します。
φ3.5mmのミニプラグがスマートフォンの薄型化を阻害する一因であるということで、iPhone7や最近のAndroidスマホから、オーディオジャックが廃止されてきているとも言われています。

構造の選び方

通常のL/Rステレオ接続よりも、バランス接続のタイプのほうがノイズに強く音質面では有利ですのでおすすめしたいところではありますが、どうしても信号線が増えますので、ケーブル部は重く、硬く、そして価格も高くなりやすいです。
高級オーディオプレーヤーを使って、家の中でじっくりと音楽に浸りたい方にはおすすめです。

一方で、スマホで簡単に音楽を聴きたい方などには、標準のステレオ接続でも問題ないと思います。互換性の高さ(どの機器に差し込んでも使える)も魅力の一つです。

イヤホン端子を選ぶ際の注意点

外径(プラグの大きさ)

これは合わないと差し込むことができませんので、基本的には外径の合ったものを購入しましょう。特に、φ2.5mm、φ3.5mm、φ4.4mmに関しては、店頭などでパッと見た印象では大きさの違いは解かりにくいです。
なお、オーディオ機器を買い替えた結果、プラグの大きさが合わなくなってしまった場合などは、各種の変換プラグや変換ケーブルが発売されていますので、イヤホンまで買い替える必要はありません。

極の数と構造

イヤホンとオーディオ機器は、極の数に応じたものを付けましょう。
より正確に言うと、極の数というよりは、モノラル、ステレオ、バランス接続、このような内部の構造が大きく影響します。
例えば、イヤホンマイクのモデルと、バランス接続の高級モデルは、ともに4極タイプのイヤホンですが互換性はありません。プラグ部分で極の数だけを数えるだけでは不十分であることをご理解ください。
また、イヤホンマイクの4極タイプは前述のとおり、OMTP規格とCTIA規格の2種類があり、iPhoneは最初からCTIA規格です。Androidスマホでは、数年前までOMTPとCTIAが混在していました。特に、もともと携帯電話会社であったメーカーではOMTPを採用していたケースが見受けられます。
CTIA規格のイヤホンマイクが大多数になってきましたが、今でもOMTP規格のものもありますので、要注意です。
OMTP規格変換プラグなども、いまだ発売されています。

まとめ

この記事では「イヤホンの端子について知りたい」という方に、イヤホンの端子の種類や用途、構造などに関してご紹介しました。

イヤホンの端子って、難しい設定などなく、ただただ挿し込めば音が聞こえるという、良くも悪くもアナログチックなものですが、その内部構造と隠された仕様は、とても複雑です。
まず、ご自身が使用されているオーディオ機器側のスペックをしっかりと確認いただき(マニュアルに記載されています)、その上でオーディオ機器と正しく接続できるイヤホンを選びましょう。
また、既にお手元にあるイヤホンが使えるのかどうかも、今回の記事を参考にしていただきましたら、ご確認していただけるのではないかと思います。

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デジタルガジェットから家電製品まで、実際の使用者目線で解説します。
電子部品メーカーの現役エンジニア?です。新しい商品やサービスが大好きで、なんでも試してみたくなる性分です。

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