ブルートゥース(Bluetooth)スピーカーとは、近距離無線通信規格であるBluetoothを採用したワイヤレス型のスピーカーのことです。
ケーブルを接続せず無線で通信するため、配線のわずらわしさがないことや手軽に移動させやすいこと、比較的安価なものが多いことがおすすめのポイントです。
とは言え、利便性だけで選んでしまうと音質面や機能面で満足できないこともしばしば。
そこで今回の記事では、ブルートゥーススピーカーを選ぶ際に気をつけたいポイントや、用途や目的別に分けておすすめのブルートゥーススピーカーをご紹介します。
「スピーカーを新調したいけれど、多すぎてどれを選べば良いのかわからない」という方はぜひ読んでみて下さい。
スマホやテレビ、パソコンや音楽プレーヤーなど、何と接続するにしてもわざわざ買い足すのであればせっかくなので良い音で聴きたいもの。
しかし実際に音を試聴して選べないことが多く、通販などで買うと最も当たり外れが多いポイントです。とは言え、カタログスペックからでも音質についてある程度読み取れる箇所があり、特徴を知っておけば自分に合ったブルートゥーススピーカーを選びやすくなるでしょう。
まずはコーデックに注目してみて下さい。コーデックとは無線通信で音楽データを転送する際に、効率的に行えるように圧縮した形式を表わします。大量のデータを一度に送るのに便利な圧縮ですが、圧縮するほど音質が劣化してしまうという難点があります。
コーデックには大まかに分けて4種類があり、SBCは最も基本的な形式で高圧縮な分損失が激しい特徴があります。
AACはiPhoneなどに多く使われている形式で、圧縮率のわりに音質劣化が少ないのが特徴です。
apt-Xという形式もあり、ほぼ劣化がなく原音に近い音質で転送できます。
ソニーが開発したLDACというコーデックは、ハイレゾ音源にも対応した形式です。
もちろん再生機器側が対応していることが前提ですが、音質を重視したい場合はapt-XやLDACといったコーデックに対応しているものを選ぶと失敗しにくいです。
ただし、いくら損失が少なくても実際に音を鳴らすスピーカユニットの性能が低ければ良い音が出ない場合もありますので、ブルートゥーススピーカーの大きさやメーカーにも注目するのがおすすめです。
使用シーンを想定して選ぶのもおすすめです。スピーカーには一度に使える電力を示すワット(W)数というものがあり、再生機器にもよりますがワット数が大きくなるほど大きくパワフルな音を出せ、音質もよくなる傾向がありますが、大型になりやすいです。屋外などである程度の音量を出したい場合は30W以上のものを選ぶのがおすすめです。
次にBluetoothのバージョンやクラスにも注目してみましょう。バージョンは現在1.1~5.0まで出ていますが、よく使われるのが4.0までです。
3.0までは数字が上がるほどデータ転送速度が上がり、接続が簡単になり省エネ性が高くなります。4.0はスマホなどによく使われるバージョンで、3.0に比べ転送速度が落ちますが消費電力が大幅に下がっています。
転送速度が上がると一度に大量のデータを送ることができるため音切れや遅延が起こりにくく、音質劣化の少ないコーデックとも相性が良いです。
次にクラスですが、1~3まであり1は100m、2は10m、3は1mまでの通信範囲を持ちます。3はほぼ見かけず、クラス2が主流です。
なるべく良い音で聴きたいときにはバーションを、再生機器から距離を離して使用したい場合はクラスにも注目してみて下さい。
また、コーデックやバージョン、クラスが再生機器とブルートゥーススピーカーで異なる場合について、互換性があるので音が鳴らない、通信ができないといったことはありません。が、原則的に下のグレード側に揃えることになる点だけ注意して下さい。
小型のブルートゥーススピーカーでは、内部のスピーカーが一つしか搭載されていないものがあります。この場合はモノラルで出力することになり、音の広がりに欠けるでしょう。対して2箇所から音を出力するステレオや、サブウーファーなども搭載してより多くの場所から音を出すサラウンド対応のものもあります。
以上は「音の場所としての広がり」を表わしていて「音域での広がり」というのもあります。
一つのスピーカーに複数のスピーカーユニット(簡単に言うと音が出る穴)を搭載している製品があります。大きなスピーカーユニットは低音を、小さなスピーカーユニットは高音を担当します。
一つのスピーカーユニットで全ての音域に対応することもできますが、得意分野の異なる複数の大きさのスピーカユニットで役割を分担することで、より豊かで広がりのある音が出やすくなりますが、大型になりがちです。
置き場所を固定して使う場合、より臨場感のある音の広がりを感じやすいブルートゥーススピーカーを選ぶのがおすすめです。
アウトドアで使用したい場合やお風呂でも音楽を聴きたい場合は、防水性能や防塵性能にも注目してブルートゥーススピーカーを選ぶのがおすすめです。
防水、防塵性能はIP規格で表されることが多く、例えばIP67などのように表記されます。
前の数字が防塵性能を表わし、数字が大きくなればなるほど効果が高くなります。6が最高ですが、アウトドアの使用を考えるなら5以上は欲しいところです。
後ろの数字が防水性能を表わし、同じく数字が大きくなるほど効果が高くなります。8が最高ですが、お風呂での使用や雨に対する保護を考えるなら最低でも5、誤って水中に落とす危険性を考えるなら水没に対する保護を持つ7以上がおすすめです。
また、スマホなどと接続しての使用がメインの方には、小型のブルートゥーススピーカーがおすすめです。
携帯型の情報端末の音質は専用のオーディオ機器などと比べそこまで高くないので、大型で本格的なブルートゥーススピーカーが性能を発揮できない場合があります。であれば使用場所によって手軽に持ち運びできる小型のブルートゥーススピーカーを選ぶことでさまざまな場所で使え、ワイヤレスの特徴である配線のわずらわしさがないという長所を最大限に発揮できます。
手軽に使いやすいワイヤレスタイプのブルートゥーススピーカーは、マニア層よりライト層向けに作られた製品が多く、それゆえ安価なものも多く製造されています。とは言え、「安い、悪い」ではどうしようもないので、ここでは機能や音質面も配慮したコスパの良いおすすめのブルートゥーススピーカーをご紹介します。
4色から選べる可愛らしいデザインと、オーディオに詳しくない方でも気軽に使える簡単操作がウリのAnker SoundCore mini 。
小型で持ち運びが手軽ですが、内部にサブウーファーが搭載され、意外に低音もしっかりでます。最大15時間の連続再生時間も魅力のコスパに優れたブルートゥーススピーカーです。
2WAYスピーカーユニット搭載で低音から高音までしっかり出力してくれるCreative SP-T15W。
トーンコントロールを装備しているので、ある程度好みの音質に調整できるのもおすすめのポイント。
小型ですが14Wと比較的出力もあるので、パソコンやテレビと組み合わせて使いやすいですが、より本格的な製品を求めるならワンサイズ大きいスピーカーを選ぶのもアリです。
有線タイプの本格的なオーディオスピーカーと比べ、構造や価格帯の問題でどうしても音質に劣りがちなブルートゥーススピーカーですが、普及率が高くなるにつれ、かなり高音質のものも出てきています。ここでは音質に注目しおすすめのブルートゥーススピーカーをご紹介します。
音質に定評のある老舗音響機器メーカーであるDENONのHEOS 3。スマホにアプリをダウンロードしてお手軽操作が可能で、USBメモリから直接音源の再生も可能です。
ハイレゾ対応でトーンコントロールも装備と、音質に不安はありません。置き方を自由に選べるのも魅力です。
有線タイプのオーディオスピーカーに近い音質を表現できるおすすめのブルートゥーススピーカーです。
こちらも音響機器の大手であるRolandのMA-22BT。20Wの出力を持ち屋内で音量が小さくて困ることはまずないでしょう。
スピーカーユニットも2WAY+バスレフ方式を採用し迫力の重低音が楽しめます。モニタースピーカーという音の再現性に優れたタイプのモデルであり、繊細な音表現も得意です。
欲を言えば高音がもう少し出て欲しいところですが、トーンコントロールでかなり調整できます。
一日のうちで最もリラックスできるのがバスタイム。安らぎの時間をより演出してくれる防水性能の高いおすすめのブルートゥーススピーカーもご紹介します。
軽量小型、ストラップ付きで持ち運びやすく、グレード7相当の防水性能を持ち不意の水没にも対応してくれるAnker SoundCore Sport。価格も安く操作もお手軽ですが、防塵性能がない点には注意して下さい。
コンパクトで持ち運びやすく、IP66の防塵、防水性能を持つCreative MUVO 2c SP-MV2C。アウトドアやスポーツでの使用に最適なブルートゥーススピーカーです。
反面小型のため音量が出ない点が難点でしょうか。
今回は、ブルートゥーススピーカーを選ぶ際のポイントや、さまざまな用途や目的別に分けておすすめのブルートゥーススピーカーをご紹介してきました。
お手軽に良い音を楽しめるブルートゥーススピーカー。皆様も自分にあったモデルを探し、より身近に音楽を堪能してみませんか?