4ヶ月ほど前にわりと有名なオーディオ専門店に行き、「15,000円までで音の良いおすすめのスピーカーはありますか?」と笑顔で質問したところ、「ないです」と真顔で返されました。
結論から言うと、その後別のお店で買った12.000円のモニター寄りの小型オーディオスピーカーの品質にとても満足しています。低音域がやや伸びが悪くそのわりに広がっていたのが気になっていましたが、付属のクッション材を下に敷くとかなり落ち着き、時間の経過と共に低音も伸び始めました。
今回の記事は、ばりばりのオーディオマニアの方向けではありません。しかし、悩みながら選んだオーディオスピーカーが満足するものだった時の感動を共有したく、こうしておすすめのオーディオスピーカーの記事を書いています。
「今使っているものより良いスピーカーが欲しいけど、選び方がわからない」といった方に読んでもらえれば幸せです。
ここからは、サイズや機能別に分けて、より具体的におすすめのスピーカーを厳選してご紹介します。
まずはブックシェルフ型の小さなスピーカーですが、何よりコスパに優れる上、日本の住環境で鳴らしきりやすいという特徴があります。
オーディオスピーカーなどの音響機器は、特定の音量で鳴らすことを想定された「一番おいしい部分」が必ずあり、パワーのある製品ほど音量が必要になります。そのため、小型のものほど鳴らしきりやすいということになります。
反面、パワーに劣りがちなので低音が出にくく、大音量時に音割れが出てしまう難点もあります。
また、大きなオーディオスピーカーだとある程度音が広がって出るので大丈夫ですが、小型の場合は「どの位置で聴くか」でかなり音質に差が出ます。
スピーカースタンドなどで、耳の高さに左右均等、やや放射状に設置すると、広がりが出るのでおすすめです。
数々の名機を送り出したONKYOのブックシェルフ型D-55EX。小さいからと侮っていると驚くほど低音がしっかり出ます。かと言って高音がこもるわけでもなく、小さめの音量で聴いた時にも繊細な表現能力を発揮します。
大音量で鳴らすとややパワー不足に感じるのが難点でしょうか。
冒頭のお話に出てきた12000円のスピーカーです。繊細な音表現に優れたモニタータイプのものだったので、ベタッとした音が鳴ることを覚悟していましたが、音の広がりも素晴らしいです。
中音の暖かさと高音の繊細さが特徴で、一つ一つの音がはっきり聴こえてくることに感動しました。
音量を上げていくとややかさつきが気になりますが、コスパも含めておすすめです。
やはり、オーディオスピーカーはある程度の大きさがあって満足な音質を得られる製品が多いです。
ここでは、大型のおすすめオーディオスピーカーをご紹介します。
ややコンパクトなフロアスピーカーYAMAHA HS5。低音のパワー感や音の広がりはさすが大型スピーカーといった安定感があります。
一瞬中域が薄いかなと感じましたが、低音と高音を強調したドンシャリ型と考えればアリです。
結構な音量で鳴らせる環境の方には、コスパと相まっておすすめのオーディオスピーカーです。
イギリスの老舗高級オーディオメーカーであるTANNOY のPRESTIGE Stirling/GR。
専門店で一度試聴させてもらっただけですが、凄かったです。音が嘘くさくないと言うか、本当にそこで演奏しているような生々しさと暖かみがあり、誇張ではなく体温まで感じ取れるオーディオスピーカーです。
ここまで行くと専用のシステムを組む必要があり、ややマニア向けの製品です。
最近多くなってきたハイレゾ音源。より繊細な音を楽しむためのおすすめのハイレゾ対応オーディオスピーカーをご紹介します。
老舗の音響メーカーであるFOSTEXのハイレゾ対応スピーカー、P802-S。注意点として別途アンプを挟むことが必須ですが、その分スピーカー本来の「鳴らす」という性能にコストの全てを使えたとも言えるモデルです。
とても繊細で素直、苦手な音域がない印象です。
コスパがウリのハイレゾ対応オーディオスピーカーONKYO GX-D90。この価格でこの音質は結構すごいです。アンプ内臓のアクティブ型なので単体で鳴らせます。
低音がしっかり出てくれるのですが、若干高音が弱いところが好みの分かれる点でしょう。
オーディオスピーカーは、インテリアとしての側面も併せ持つ音響機器です。デザインにこだわったおすすめのオーディオスピーカーもご紹介します。
まるでアートオブジェのような独創的な外観が目を引くHarman Kardon SOUNDSTICKS。見てくれだけかと思いきやbiuetooth通信でワイヤレス、低音の得意なサブウーファーも搭載と機能的にも侮れません。
インテリアとしても良いですが、同価格帯のものと比べると若干音が薄い気がします。
アーティストの方には鉄板ネタのギターアンプを模したMarshall KILBURN。世界的に有名なメーカーであるMarshallがするからこそ意味があります。
完全なおふざけかと思いきや、さすがの音質で持ち運びも可能な軽量ワイヤレスタイプと侮れない製品です。
手軽に気持ちの良い音にするには、低音のパワー感を強調するのが近道です。
低音再生に優れたおすすめのオーディオスピーカーをご紹介します。
小型ながらしっかりと低音が出てくれるDENON SC-M40-CW。DENONらしく豊かな中音域も特徴ですが、パッシブ型のためアンプを用意する必要があります。
低音を増幅してくれるサブウーファーを独立して販売しているYAMAHA YST-FSW150。手持ちのオーディオスピーカーに足すだけで豊かな低音を出してくれ、当然ですがないと寂しく感じます。
これだけではオーディオスピーカーの役割を果たさない点だけ注意して下さい。
鼻で笑った店員さんの反応は、実はいたってまともです。オーディオの世界は上を見上げれば数百万円の世界だからです。
しかし、そうしたシステムを鳴らし切るには結構な手間と知識が必要になり、住環境や周囲の理解も必須です。
安くてもおすすめのオーディオスピーカーはたくさんあるということをお伝えしたいです。
では、何を持っておすすめのオーディオスピーカーと言えるでしょうか?まずは、オーディオスピーカーを選ぶ時のポイントを考えてみたいと思います。
オーディオスピーカーの外観を見てみると、丸い穴が1~4つ開いています。これはスピーカーユニットと言って、ここが震えることで音を伝える仕組みになっています。
スピーカーユニットが大きいほどパワーがあり、低音に強くなり、小さなものほど震えやすく、高音に強くなります。
穴の数が多くなるほど音域を穴の大きさによって細かく分けて担当でき、各レンジを緻密に発音しやすくなります。
また、低音を重視したスピーカーユニットを乗せようとすると、どうしてもサイズが大型化します。
端的に言えば「サイズが大きいほどパワーがあり、音域を細かくカバーできるので音が良く、高額になりやすい」です。
ただ、大型のスピーカーが性能を発揮しようとするとある程度の音量と部屋の広さが必要になります。近くで聴く分にはかえって小型のオーディオスピーカーの方が繊細さを感じることがあります。
まず、「どの距離で聴くのか」をある程度考えてから、オーディオスピーカーの大きさを選ぶのがおすすめです。
ハイレゾとは、ハイレゾリューションの略で、高解像度といった意味があります。
アナログ信号である「音」を保存する時に、一度デジタル信号に変換しなければなりません。
例えば見ないで似顔絵を描くときに、覚えている情報が多ければ多いほど精密にその人の顔を再現できるでしょう。
解像度とはこの「精密さ」を表し、点描画やドット絵などの「点の細かさ」に例えることもできます。細かく精密になればなるほどより滑らかで繊細な音を楽しめます。
ハイレゾ音源は、一般的なCDの6~7倍程度の情報量があり、単純に言えば「良い音」になります。
こうしたハイレゾ音源に対応するオーディオスピーカーも最近出ていて、ハイレゾではない通常のCD音源を機器側で擬似ハイレゾ化する技術も開発されています。
オーディオスピーカーを選ぶ際、ハイレゾ対応かどうかで選ぶのもおすすめです。
先ほども少し触れましたが、大きなスピーカユニットを乗せたオーディオスピーカーほど低音が良く出る傾向があります。
また、大きさとは別に意図的に低音を強調した特性を持つスピーカーや、別途サブウーファーと分けてしまうことでより低音を鳴らしやすいスピーカーもあります。
イヤホンやヘッドホンと違って、本体の大きさを取れることでパワフルな低音を再生しやすいのもオーディオスピーカーの強みなので、低音再生能力で選ぶ方法もおすすめです。
ただし、過度な低音は高音を覆ってしまい、音全体をぼやけた印象にしてしまうので注意して下さい。
良いスピーカーは低音が「ブォー」と鳴らず「ボォーン」と鳴り、高音もキャラキャラ言わずシャラシャラ鳴ります。
わかりにくくてすみません。
オーディオスピーカーを選ぶ際、形状に注目して選ぶのもおすすめです。と言っても、多岐に渡るので順番に解説します。
本棚に収まる程度の「ブックシェルフ型」大きな床置きの「フロア型」、フロア型より縦に細長い「トールボーイ型」に大きく分けられます。
大きくなるほどパワフルな音が出しやすく、縦に長いトールボーイスピーカーは複数のスピーカーユニットを搭載しやすいというメリットもあります。
エンクロージャーとは、ずばり箱の部分です。たまに下のほうにスピーカーユニットとは別に穴が開いています。穴が開いているタイプを「バスレフ型」と言い、低音が強調されやすくなります。
穴が開いていないのは「密閉型」です。低音の広がりを抑えることで、繊細な音表現を得意とします。
スピーカーユニットの形状にもコーン型やホーン型といった形状がありますが、音特性を説明しにくく専門的になりすぎるので、今回は割愛します。
オーディオスピーカーの形状によって音の特性が変わるので、サイズや形状である程度絞るのもおすすめです。
今回はオーディオスピーカーの選び方を解説し、入門編やコスパに優れた製品を中心におすすめのオーディオスピーカーをご紹介してきました。
皆様にもオーディオスピーカーを交換した時の感動を味わってもらえたらとても嬉しいです。