ひところは飲み会後の定番コースだったカラオケは、いまや、カラオケ内ヒエラルキーを感じさせる空間として、なかなか仲間を誘いづらい娯楽の一つ。
そんな世代的な流れもあって増えつつある1人で歌えるカラオケボックスの「ワンカラ」も、最近は、あらゆる駅に増えました。
ストレス解消にも、本気合コン前のカラオケ練習にも、実は結構使える存在ですよね。しっかり声を出すことで、ダイエットにもつながるなんていう話もあります。
そのワンカラ、ヘッドホンレンタルがあることはよく知られていますが、これ、借りるのは義務なのでしょうか?
また、レンタルのヘッドホン、なかなか良い音ですが、これはいったいどこのメーカーのどのモデルなのでしょうか?
ちょっと気になったので調べてみました。
ワンカラ(Onekara)は、一人カラオケのボックスのこと。
全体が宇宙船をイメージして作られている店舗で、カラオケルームのことを「ピット」と呼びます。
これまでのカラオケルームがもうすこしコンパクトになって、防音や機材を高機能高性能化させたイメージのカラオケボックス。内側から鍵もかかるので、女子一人利用でも安心して使えます。
ワンカラは、一人カラオケ専門店で、その分、個室の利用はかなり自由!
カラオケのマシンも「LIVEDAM」や「JOYSOUND」など複数の中から選べます。
通常はフリードリンク付きで、全室Wifi完備。カラオケの他、楽器の練習や勉強仮眠になどもOKで、非常に使い勝手の良いコンパクトなピット。
ワンカラ英会話と題した、本格的な外国人講師によるオンライン英会話講座なども、このワンカラ内で開講しています。人目を気にせず思いっきり話せるカラオケ店に通うことで(自宅受講なども可)英会話レッスンができるシステムは世界初ということもあり、こちらも話題です。
ワンカラ英会話
また、ワンカラは一人カラオケ専門店だからこそ、普通のカラオケボックスとは大きな違いがあります。
複数人で使うカラオケボックスとは異なり、ここには「スピーカーがない」のです。
ワンカラをご覧いただいたことのある方はご存知の通り、室内は、ちょっとした声優さんやアイドルたちのレコーディング用の小型ブースといった感じ。違うのは、すぐ目の前に大きなテレビモニタがあり、その目の前にマイク。そこで、これまでのカラオケとは全く違うほどの高音質で、自分の声がきれいに響きながら、ヘッドホンから流れてくるのです。
これまでのカラオケボックスにはない、風よけのついた高音質高精度のコンデンサーマイクなどがアーム付きで設置されています。
そのうえでカラオケ店なのに部屋にスピーカーがない・・・だから、カラオケしたいとなると、ヘッドホン利用が必須。ヘッドホンとマイクで、見た目だけはほぼプロフェッショナル気分で1人カラオケに没頭できます。
「カラオケ利用」でワンカラを使う方にとってはヘッドホン着用が義務というよりも、これがなければカラオケができないというものではあります。
ですがこのヘッドホン、いったいどうやって準備して、どうやって着用すればよいのでしょうか?
実はワンカラ、非常に高音質のヘッドホンを店内で借りることができます。
見た目もほとんどレコーディング用のプロの歌手が着けているモデルに、かなり近いイメージ。
使われているモデルは、audio-technica のプロフェッショナル用のモニターヘッドホンなどをはじめ数種類。
audio-technica 採用の店舗ではaudio-technica ATH-M50 BKのモデルが多いのですが、現在は後継のこちらのモデルも。
audio-technica プロフェッショナルモニターヘッドホン ATH-M50x ブラック
スタジオ用に開発された製品ということもあり、ノイズキャンセリング非対応、サラウンド非対応。
ですが高磁力のネオジム磁石を使ったφ45mmと大口径のドライバーユニットを採用。
長時間装着していても耳が疲れないふわふわのイヤーパッドとサイズ変更自在のアジャスタブル型のヘッドバンドで、非常に使い勝手の良いヘッドホンです。
ミニプラグの製品ですが、プラグ部分も金メッキ。
密閉型で低音が効いていながら、BGMとボーカルはメリハリが聞いてクリアに聞こえ、まさに「一人でじっくり歌いこんで、上達したいといった使い方の人も多いワンカラ向き」といった感じのプロ用ヘッドホンです。
実売では約20000円で、非常に高音質の製品ですので、ここは、購入よりもレンタルするのがおすすめです。
ワンカラでは、受付時にヘッドホンをレンタルすることができます。
ヘッドホンの機種は先ほどご紹介した機種の他、店舗によっては3-4種類の中から選べます。
差し込み口はミニプラグで、一般的なスマホやMP3プレイヤーなどと同じということもあり、携帯用イヤホンや、100円ショップで購入したイヤホンでも利用できそうです。
ですが、せっかくレコーディングスタジオ並みの高音質高精度のコンデンサーマイクなどが設置されているワンカラのピット。
できれば最上の、マイクに見合ったヘッドホンをレンタルするほうが良いでしょう。
ワンカラでのヘッドホンのレンタル料金は、1回300~1200円ほど。店舗によって部屋代なども異なり、最高クラスのヘッドホン料金でも数百円の差があります。ちなみに東京上野駅前にある上野店では「300円、600円、900円、1200円」の4ランク。
通常の料金体系では、ヘッドホンのレンタル料金が含まれていないため、その分別途追加となります。
ですが、チラシや駅で配布している情報誌などの中にあるはさまざまなワンカラの割引券も掲載されています。たとえばこの中の、ワンカラ部屋代1時間無料券などを使えば、このときのイヤホンレンタル料から300円が無料になります。
基本的にワンカラは、ヘッドホンの持ち込みOK。
ということもあり、ワンカラ用マイヘッドホン持参というベテラン常連やカラオケ猛者も多いようです。
もともと、ワンカラで使われている高音質ヘッドホンとして有名になった、audio-technica ATH-M50などのヘッドホンの音質が非常に高く、繊細な音が非常によく聞こえるものがそろっています。このマイクとヘッドホンのバランスで、「これまでのカラオケにはない陶酔感が味わえる」といった声も多いようです。
自分で、普段使いや自宅AVルーム使いのこだわりの購入ヘッドホンを持ち込むといったケース以外では、ワンカラにあるヘッドホンを借りてみたほうが、音質の良さやワンカラ自体のすばらしさを存分に堪能できそうです。
ワンカラでは、店舗によって料金体系も様々。参考までに東京都内の上野店料金でご紹介すると・・・
まず初回は、身分証明書+入会金が300円必要となります。
通常料金では、30分単位の部屋代の他、ヘッドホンレンタル料金が別途必要となります。部屋代は通常平日料金で、30分450円。週末と休前日、金曜夜は、30分500円です。
他に、お得な各種パック料金もあります。
平日朝11~18時に適用される「平日3時間パック」2000円と、平日6~12時の間30分単位300円の課金でお得な「朝うたモーニング料金」では、イヤホンレンタルをしても、最も安いイヤホンレンタル代の300円が割引されるうれしいシステムもあります。
他にも、夜間を中心とした最大11時間の「フリータイム」や、朝の最大7時間の「モーニングフリータイム」などのお得なパック料金もあります。
他にワンカラでは、カラオケ機材がなく、電源とフリードリンクのある個室のFREEROOMなどのレンタルもあります。
いずれも食べ物や飲み物持ち込み可能なので、たまに孤独にランチタイムを過ごしたいといった思い付きでも、ぜいたくな貸し切り個室で心行くまで楽しめそうです。
コンパクトながら非常にバランスの取れた高品質の機材がそろっているカラオケボックス「ワンカラ」。
ここで使うのにぴったりの、高音質ヘッドフォンをピックアップしてみました。
もし、いまワンカラに通っていて「そろそろマイヘッドホンデビューしようかなあ」なんて思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
各所のAVサイトや雑誌でも評価の高い、デジタルサウンドのSONY密閉型スタジオモニターヘッドホン。
もともとソニーの信濃町スタジオで使われるために作られた製品で、現在は放送現場などをはじめ幅広い用途に使われています。
密閉ダイナミック型、40mmのドーム型ドライバで、最大入力1,000mW、インピーダンス63Ω、音圧感度:106dB/mWに再生周波数帯域5~30,000Hzと、かなり豊かな再現性を持っています。
原音をどこまでもそのままピュアな音質で再現してくれることもあり、自分の歌声としっかり向き合って上達したいという方に、とくにおすすめのヘッドホンです。
サウンドテクニカのモデルに比較して、約半額のSUREのSRH440も、もともとホームスタジオやプロフェッショナルのスタジオ向けヘッドホン。
ですが、特にワンカラでおすすめしたい理由があります。
実は、密閉型サーカムオーラルという、耳全体をすっぽり包みこむタイプのデザインで、音が非常に無駄なく届くのです。
ヘッドホンからの音漏れがないので、高感度マイクでもノイズがないクリアで美しい音。
原音にどこまでも忠実になるようモニタリング、調整されたモデルなので、とくにワンカラでの環境で、自分のボーカルをしっかりチェックしたいひとにおすすめ・
ドライバー口径:40mm
1kHz感度は105dB/mW、再生周波数帯域10Hz~22kHz、最大許容入力500mW。インピーダンス44Ω。
そしてSHUREらしく、このスタジオモデルでも断線に対応してリケーブルしやすい構造になっている点も、普段使いのヘッドホンとしてもおすすめできる理由でもあります。
ダイナミック密閉型、プレミアムでどこまでも美しい音の音漏れのないヘッドホンがこのゼンハイザーのHD 598 CS。周波数特性10~28,000Hz、インピーダンス23Ω、音圧レベル115dB。
エルゴノミックデザインで、レザーを使用し上質さのある、耳にフィットしやすいデザインのヘッドホン。
中低高音ともいずれもソフトでマイルドな音でありながら、クリアさは失わせない絶妙の音質。クラシックからメタルハードロックまでどんなサウンドでもしっくりくるあたりなど、さまざまな歌に挑戦してみたいワンカラでの持ち込み使用ヘッドホンとしては、とくにおすすめできるヘッドホンです。
いかがでしたか?
今回はワンカラのヘッドホンについて、そしてワンカラで持ち込み使用する「マイヘッドホン」のおすすめ機種についてご紹介しました。
カラオケボックスとして使う以外、ITサイトやアプリなどの音声録音に使ったりといった人も多いというほどの高音質をほこる「ワンカラ」。
「ワンカラでなければ味わえない、カラオケ伴奏と自分の歌との一体感」
まだ体験したことのない方は、これは一度、学校や会社の帰りに立ち寄ってみる価値がありそうですよ!