昭和の時代の考えだと、捨てるものにお金がかかるという概念はちょっと信じられないことかもしれませんが、今では捨てるものこそお金がかかる時代と言っても過言ではありません。
実は一般的な家庭用冷蔵庫とは大きさも形状も異なる業務用冷蔵庫の場合、処分方法も違ってくるのでしょうか?いざ、業務用冷蔵庫を捨てるようになった時にバタバタしないためにも、業務用冷蔵庫の処分方法を分かりやすく解説していきます。
まず、根本的に家庭用冷蔵庫と業務用冷蔵庫とでは処分方法が違うのでしょうか?
結論から言ってしまうと、家庭用と業務用では同じ冷蔵庫という分類であっても処分方法が異なります。
まず、家庭用冷蔵庫の処分方法は、リサイクル券プラス運搬費や人件費となっており、平均価格は5,000円~8,000円程です。自分で指定のゴミ処理場まで持ち運べばリサイクル券料金だけなので、数千円で抑えることもできます。
業務用冷蔵庫の場合、リサイクル券は対象ではなく必要ありません。業務用冷蔵庫の場合、家庭用冷蔵庫のように家電量販店などに処分してもらう事ができなく、産業廃棄物として指定の専門業者に引き渡すのが必要だからです。
というのも、業務用冷蔵庫は、フロンが充満してできているものが多く、「廃棄物処理法」と「フロン回収破壊法」という2つの法律が該当するため、国で定められた処理方法をするしかなく、守らないと違法となってしまうため、産廃業者に預ける必要が出てくるのです。
産廃業者に引き渡したあとの業務用冷蔵庫は処分までどのような流れを辿るのでしょうか?
まず指定の産廃業者に預け、運搬されます。ごくわずかですが、まだまだ使えるような業務用冷蔵庫は中古品としてリサイクル業者に引き渡されることもありますが、基本的にはここでフロンガスを回収して、解体しても安全なものにしてから解体される流れとなっています。
業務用冷蔵庫にはどんな処分方法が考えられるのでしょうか?
基本的には
廃品回収業者に出す
リサイクルショップに引き取ってもらう
各自治体の廃品回収に出す
の3つの方法があります。それぞれのメリット、デメリットをみていきましょう。
廃品回収と言っても、昔よく家の周りも回っていたような新聞紙などの廃品回収とはちょっと違います。前述通り、「廃棄物処理法」と「フロン回収破壊法」という法律により業務用冷蔵庫は処分方法が明確に定められているので、指定されている廃品回収業者、産廃業者に引き渡す必要があります。
メリットとしては、やはり専門に行っている業者がほとんどなので、**日時などの融通も効きやすくスムーズに処分まで事を進めることが可能な点です。逆にデメリットは、リサイクルのようにお金になることがなく、逆にお金がかかるだけなので、処分費用が他の方法に比べるとやや割高になる点は覚悟しておくべきところでしょう。
まだ使えるような業務用冷蔵庫だったり、もう故障していても分解して使える備品が多いような場合は、処分と言う方法ではなく、リサイクルショップに引き取ってもらう方法もあります。ただ、古本や古着などを扱っている一般的なリサイクルショップでは、業務用冷蔵庫は扱っていない場合も多く、引き取りに来てもらえる指定のリサイクルショップを見つける必要があります。
メリットとしては、費用というより逆にお金になる場合があることと、処分となっても部品を売るなどできるため、安く抑えることが可能です。デメリットとしては、全ての業務用冷蔵庫がリサイクルに出せるわけではなく、余計に日時がかかってしまう可能性もある点です。
家庭用冷蔵庫の場合、リサイクル券を郵便局で購入さえすれば、あとは指定のゴミ処理場に自分で持ち運べばお金はかかりません。しかし、業務用の冷蔵庫は、いくら自治体のごみ処理場に持ち運んでも受け取ってもらえません。
自治体では廃品回収業務を行っているところも多いですが、長さが概ね1m80cmを超えるものは基本受け取りできないものとなっているため、断られる場合がほとんどです。
お金がかかることが一般的な業務用冷蔵庫の処分方法ですが、逆にちょっと工夫をすることでお金になる場合もあります。
まず一番手っ取り早い方法は、メルカリやヤフオク、ラクマなどのフリマサイト、オークションサイトに出品することです。リサイクル店などに出すよりは、欲しい人と需要のバランスが一致したら思わぬ高値で売れる可能性があります。ただ、特に業務用冷蔵庫のような大型家電の場合は事前にしっかり運搬はどうするのかを取り決めておきましょう。運搬業者を使うと、はるかに普通に購入するより高くなってしまうなんて事もあり、後々のトラブルの元です。また、友人・知人に売る際と同様ですが、きちんと「メーカー年式」「大きさ」「(もしあれば故障箇所)」など写真をさまざまな角度から撮影して引き渡し後にトラブルが無いようにしましょう。
リサイクルショップの場合、もう故障しているような業務用冷蔵庫であっても、中の部品だけを分解して売却できるような場合は、お金になる場合があります。もちろんそのまま中古品として売れるものも同様です。この場合はいかに使用感があまりないかがポイントとなります。査定されるまえに、綺麗に掃除をしておき、できるかぎる新品に近い状態に戻しておくと、より高値の売値を期待できるようになるでしょう。
他には大胆な方法ですが、閉店などで業務用冷蔵庫を処分する場合は、業務用冷蔵庫込みで店舗ごとの売却を考える、つまり居ぬきを行うと言う方法もあります。
一般的な家庭用冷蔵庫と比べると、サイズも様々な業務用冷蔵庫のため、大きさによっても買取価格は全然異なりますし、年式。使用年数によっても変わってきます。また、定価があるものではないので、業者によって買取価格は変わるので、合わせて売却するなど交渉によっても金額は変化します。
平均としての買取価格は、10,000円~20,000円程度となります。ただショーケースのような大きい業務用冷蔵庫の場合、50,000円以上の値がつくことがあります。いずれにせよ買値を考えるとちょっと安い印象もありますが、運搬する大変さ、それに伴う人件費を考えると、買い取ってもらえただけ良かったと思った方がよいかもしれません。
また、査定に出してお金にならないと言われた場合でも、無料で引き取ってもらえるのは、処分するだけでもお金がかかるものですから、無料引き渡しで交渉するのも一つの手となります。
業務用冷蔵庫を処分する際の注意点はどんなことがあるのでしょうか?気を付けないと余計にお金がかかってしまうこともあり得ます。しっかり心得ておきましょう。
ほとんどの廃品業者、産廃業者がルールに基づいて真面目に営業している業者ですが、なかには闇廃品業者と言われる不法営業を行っている業者が存在することも事実です。
それら闇業者に任せてしまうと、
使える部品などだけを取り外して、不法投棄など違法な方法で処分をする
他のまだ使える製品も言葉巧みに騙して回収してしまう
無料で引き取りと歌いながら、引き取り後、運搬費は別など言ってきて高額請求をしてくる
などの被害が考えられます。一概には言えませんが、
チラシを多くポスティングしてくる
回収したものを空き地に保管する
などの場合は、一度闇廃品業者を疑い、Twitterなどの口コミ情報を見たり、同業者に相談するなどした方が良いでしょう。
家庭用冷蔵庫でも同様ですが、最寄りのゴミ捨て場に粗大ごみとして出すのは、どんなに小型の業務用冷蔵庫であっても、不法投棄で犯罪となります。絶対に止めましょう。また、一時期社会問題として話題になっていたような山中などに投げ捨てるのも当然ながら違法です。業務用冷蔵庫本体からフロンガスを大気中に放出してしまうと、放出した人が1年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金となります。注意しましょう。
では、業務用冷蔵庫処分にかかる平均費用はどれくらいなのでしょうか?前述通り、家庭用冷蔵庫はだいたい5,000円~8,000円ほどでしたが、当然業務用冷蔵庫の場合、それよりは割高になります。
業務用冷蔵庫の平均処分価格としては10,000円~20,000円程度です。業者によって、この金額に人件費、運搬費が含まれている場合、別途で請求させる場合がありますので、実際引き取りを行う日を決める前に、見積もりをしっかり取って、後で揉めることが無いよう詳細まで詰めておくとよいでしょう。
高いと数万円も処分費用がかかってしまう業務用冷蔵庫なので、まずは0円でも引き取ってもらえるリサイクル業者がいないか、フリマサイトを始めとしたインターネットで探してみるところから始めると良いでしょう。
業務用冷蔵庫の処分方法についてまとめてみました。冷蔵庫はどんなタイプでもリサイクル券で対応すると思っている人も多いようですが、全く違う事が分かりました。工夫一つで、お金がかかるものが逆にお金を得られる機会もあるので、知識はしっかり入れておくべきですね。