実は私自身は普段、ヘッドホンはワイヤレスで使っていません。 今回記事を書くにあたって、手持ちのレシーバーで初めてヘッドホンをワイヤレスにしてみましたが、案外便利でした。 コードは長いまま使いましたが、コードをまとめて手元に持ってくれば、それほど邪魔になりません。 コードを短縮すれば、もっと便利になりそうです。
Written By 八色 さかえ
有線ヘッドホンはワイヤレスヘッドホンに比べると、確かに音質面では優れています。
しかし、有線ヘッドホンは、接続した機器からコードの長さ以上は離れられません。
外で使う時も、コードが絡まったり引っかけたりして、結構面倒です。
そういう点では、ワイヤレスヘッドホンの方が便利です。
ですが、実は選択肢がもう一つあります。
手持ちの有線ヘッドホンを、ワイヤレス化するのです。
これならお気に入りの有線ヘッドホンがそのまま使えますし、新しいヘッドホンの置き場所を作る必要もありません。
ということで、今回は有線ヘッドホンをワイヤレス化する方法について紹介します。
有線ヘッドホンはワイヤレス化できます。
無線レシーバーに、有線ヘッドホンを接続することで、ワイヤレスになります。
レシーバーは手のひらサイズで小さく、大抵はクリップが付いていますので、上着のポケットなどに止められます。
現在無線レシーバーの接続方式で主流なのは、Bluetoothです。
Bluetoothは通信距離が長いです。
通信距離は規格ごとに異なりますが、一番良く使われているのは通信距離が10mのClass2という規格です。
有線ヘッドホンでコードの長さを10mにするには、延長コードを使えばできます。
しかし、取り回しが面倒です。
ワイヤレスなら、そんな面倒もありません。
離れた位置からテレビを見たり、ゲームで遊べます。
やってみると、コードが邪魔にならず快適です。
有線ヘッドホンをワイヤレス化することは、確かに可能です。
しかし、「ワイヤレス」と聞くと、コードがなくてヘッドホンだけになるイメージが浮かぶと思います。
実際、市販されているワイヤレスヘッドホンは、そういうスタイルです。
ですが、有線ヘッドホンの場合、プラグをレシーバーに接続することでワイヤレス化するため、コードはなくなりません。
ですから、長いコードのヘッドホンでは、ワイヤレス化しても相変わらずコードが邪魔、ということもあり得ます。
そんな場合は、思い切ってコードを短縮してしまう方法もあります。
コードの短縮については、この後の別項で詳しく紹介します。
有線ヘッドホンをワイヤレス化するには、無線レシーバーが必要です。
Bluetooth接続の安いものなら、1,500~2,000円程度で買えます。
最初からBluetooth対応になっているヘッドホンを買うと、1万円以上するものがほとんどです。
それに比べると、リーズナブルと言えるでしょう。
ただし、安いレシーバーは電源を入れてからヘッドホンと接続するまでに時間がかかったり、音切れやノイズがひどかったり、使い勝手がイマイチなものが結構あります。
とはいえ、高ければ問題がない訳でもなく、その辺りの見極めはなかなか難しいです。
無線レシーバーは、ヘッドホンと違って試せる機会が少ないので、なおさら難しいものがあります。
そういう意味では、最初は定番のメーカーのものを買うのが無難かもしれません。
有線ヘッドホンをワイヤレス化するには、最低でも無線レシーバーが必要です。
無線レシーバーは、その名前のとおり無線で音声をヘッドホンに送る機器です。
接続方式はBluetoothが主流です。
値段はそれほど高くなくて、安いものなら2,000円程度からあります。
ただ、安いものは音質もそこそこなので、割り切って使う必要があります。
また、マイクが内蔵されているレシーバーだと、ヘッドセットとしても使えます。
スマートフォンで音楽を聴いている最中でも、電話を受けることが可能です。
さらに、NFC対応の機器であれば、レシーバーを機器にタッチさせるだけで簡単に接続できます。
有線ヘッドホンをワイヤレス化しても、少しでも良い音で聞きたい人もいると思います。
そんな場合は、Bluetooth対応のポータブルヘッドホンアンプがおすすめです。
Bluetoothレシーバーと同じくらいにコンパクトなものもあり、クリップで固定できます。
コンパクトでも、ヘッドホンアンプが搭載されているので、ヘッドホン単体よりも良い音で聞けます。
音量の出力も大きくなるので、スマートフォンをスピーカーに接続して音楽を聴く場合などにも重宝します。
ただ、Bluetoothレシーバーとヘッドホンアンプの2つの機能を備えているため、値段はレシーバーよりも割高です。
それでも、携帯性と音質を両立させたい人にはおすすめです。
有線ヘッドホンをワイヤレス化するには、レシーバーにヘッドホンのプラグを接続します。
つまり、ヘッドホンのコードの長さは変わりません。
ですから、長いコードのヘッドホンを使っていると、ワイヤレス化しても、コードの鬱陶しさが解消されません。
コードリールのような道具でコードを巻いて、コードを短くする方法もあります。
しかし、コードを常に巻いた状態にしておくと、コードに負担がかかり、断線の原因になってしまいます。
コードが着脱できるヘッドホンなら、短いコードに変えるだけで良いので、簡単です。
それ以外のヘッドホンの場合は、自分でコードを短縮するしかありません。
コードを短くするには、ハサミでコードを切り、そこに新しいプラグを半田付けします。
交換用のプラグは安いものなら、500円しません。
半田ごてなどの工具は、Amazonなどで一式揃っているセット品が3,000円程度で売っています。
自力で作業できるなら、それほど費用はかかりません。
また、道具は一度揃えてしまえば、断線した時に自分で修理できるようになります。
動画サイトに行くと、やり方の解説動画が色々ありますので、それを参考に作業しても良いでしょう。
自分でやる自信がなければ、ヘッドホンの修理業者に依頼する方法もあります。
費用はかかりますが、失敗する心配がなく確実です。
忙しくて自分で作業をする暇がない人にも、おすすめです。
価格比較サイトでの最安値は、約2,300円。
今回紹介する中で、最も安いです。
手持ちの有線ヘッドホンを、とにかく手軽にワイヤレス化したい場合におすすめです。
サイズは幅1.3×高さ5.8×奥行1cmと、細長い形状。
重量はわずか9g。
クリップが付いていますので、上着のポケットなどに固定できます。
ただ、安い分、対応コーデックがSBCだけですので、音質的にはそこそこという感じです。
とりあえずワイヤレス化してみたい人や、音質よりもコンパクトさを求めている人には良いでしょう。
Amazonの人気商品です。
値段は、約4,000円。
レシーバーだけではなく、トランスミッターの機能も備えています。
このため、音楽プレイヤーやスマートフォン、パソコン、テレビなどから、Bluetooth対応ヘッドホンに音声を出力できます。
対応コーデックがレシーバー側はAACとSBC、トランスミッター側はaptX、aptX LL、SBCとなっています。
aptX LLは遅延が少なく、動画やゲームをストレスなく見られます。
これだけ対応コーデックが豊富なのに、値段が4,000円程度とお手頃なのもうれしいところ。
しかし、本体サイズは幅4.3×高さ1.2×奥行7cmと、コンパクトさには欠けます。
クリップも付いてませんので、家の中で据え置いて使うタイプです。
テレビを離れた位置からワイヤレス化した有線ヘッドホンで視聴する、などといった用途には向いているでしょう。
価格比較サイトでの最安値は、約6,500円。
対応コーデックはSBCに加えて、AACも入っています。
iPhoneなどアップルの機器を使っていて、有線ヘッドホンをワイヤレス化したい人におすすめです。
NFC対応で、タッチするだけで接続できます。
サイズは幅2.4×高さ5.9×奥行1.5cmと、かなりスリムでコンパクト。
重量は17.4g。
小さいながら、レシーバーからスマートフォンのカメラや音声検索の操作も可能で、多機能です。
ただ、その分値段はやや高めです。
価格比較サイトでの最安値は、約7,000円。
今回紹介するBluetooth対応のポータブルヘッドホンアンプとしては最も安く、コストパフォーマンスは最高です。
これで有線ヘッドホンをワイヤレス化すれば、Bluetooth対応ヘッドホンを買うよりも、安くあがります。
対応コーデックは、SBC、AAC、aptXの3つ。
特にaptXは、音の途切れや遅延が少ないので、快適なリスニング環境が期待できます。
なお、ワンランク上の機種のAT-PHA55BTでは、LDACにも対応しており、ハイレゾ相当の音質での再生が可能です。
サイズは幅3.2×奥行1.1×高さ7.9cmと、手のひらに収まります。
重量は28gで軽量で、クリップも付いていますので、上着のポケットなどに固定できます。
手軽に手持ちの有線ヘッドホンをワイヤレス化しつつ、携帯性と音質向上もでき、1台で3つおいしいです。
価格比較サイトでの最安値は、約13,000円。
前項のAT-PHA50BTのほぼ倍額です。
対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HDの4つ。
aptX HDはaptXよりもさらに高音質なコーデックで、主にAndroidスマートフォンで採用されています。
サイズは幅5×奥行1.2×高さ5cm(突起部、クリップを除く)で、AT-PHA50BTよりもさらにコンパクトです。
重量も23gと軽量。
有線ヘッドホンをワイヤレス化しても、邪魔になりません。
クリップも付いており、携帯性にも優れています。
aptX HD対応の機器を持っていて、外でも使いたい人におすすめです。
価格比較サイトでの最安値は、約14,000円。
今回紹介する中では、最も値段が高いです。
しかし、機能的には最も充実しています。
まず、何と言っても対応コーデックがSBC、AAC、aptX、aptX HD、LDACと豊富です。
サイズは幅3×高さ5.3×奥行1.5cmと、コンパクト。
重量は20gで、今回紹介するポータブルヘッドホンアンプでは最軽量です。
そして、バッテリーの駆動時間が14時間と非常に長いです。
また、定期的にファームウェアが更新されており、日々使い勝手が向上しています。
発売当初はLDACに対応していなかったのですが、更新で対応しました。
なお、更新にはパソコンが必要です。
対応コーデックの種類が多いので、ワイヤレス化した有線ヘッドホンを、色々な機器と接続してみたい人におすすめです。
Bluetoothも、ここ数年で音質が向上してきました。
しかし、それでもまだ有線ヘッドホンと同等と言えるレベルにはありません。
それは、レシーバーでワイヤレス化した有線ヘッドホンも同様です。
しかも、この場合、コードがなくなる訳ではありません。
それでも、プラグに機器を直接接続しないので、扱いが楽になります。
レシーバーだけ用意するなら、それほどコストもかかりません。
一度試してみて、音質的に許容できると思ったら、もう少し良いレシーバーやポータブルヘッドホンアンプにしてみるのも良いと思います。