冷蔵庫はもっとも電力消費の激しいといわれる家電製品です。一日中食材を冷やしているのでおのずと電力消費は激しくなります。その電力消費がどれくらいあるのかを知るのにはメーカーや製品によってそこに差異が生じますので日本工業規格の規定によって定められた年間の電力消費量を使って計算するのがもっともよいでしょう。また、冷蔵庫は実際に開け閉めをしたり、詰め込みすぎたり壁の近くにおいて使っていると、実際の規格や、設定された年間の電力消費よりもおおきく上回ってしまうことでもしられています。これを回避するにはあまり詰め込みすぎない、あるいは開け閉めの回数を減らすなどの工夫があります。これらのポイントを抑えることで冷蔵庫の電力消費を抑え、節電をすることができます。
Written By アテ ワン
冷蔵庫を選ぶとき、皆さんはどのようにして選んでいるでしょうか。冷蔵庫にもさまざまな種類がありますが、多くの場合その冷蔵技術にばかり目がいきがちです。しかしながら最近の冷蔵庫はさまざまな技術とともに節電の機能もかねそなえています。そこで重要になるのが冷蔵庫の消費電力です。家電製品のなかでもっとも消費電力の多いといわれる冷蔵庫ですから、その消費電力には注目しなければなりません。早速その消費電力について解説していきましょう。
冷蔵庫の消費電力について考えたことはあるでしょうか。冷蔵庫の消費電力は、そのまま電気代の単価の値に直結し家計に影響するので、実のところ大事な値になってきます。そんな冷蔵庫の消費電力がどれくらいあるのか見ていきましょう。
冷蔵庫の消費電力をしる方法として適切と思われるのは日本工業規格(JIS)の定めた規定に順ずるのがよいと思います。これは工業標準化法に基づいて経済産業省に設置されている審議会で議論したのちにJISを制定すべき旨の答申を受けたとき、主務大臣が制定する規定です。
冷蔵庫にはさまざまな種類があり、容量や、性能にばらつきがありますが日本工業規格では90台平均(250L~700L)のモニタリングと2014年度モデルの全機種各社測定結果を比較して、限りなく近い結果を導き出しています。
冷蔵庫にはたいてい日本工業規格の規定によって算出された電力が冷蔵庫の説明書に記載されているはずなので、年間消費電力に契約している電気料金プランの1kWhあたりの電力量単価をかけることで年間の電気代を割り出すことができます。
たとえば、契約電力の単価が28円だとして年間消費電力量が300kWhだった場合、一日の消費電力を算出する計算式は以下のようになるでしょう。
冷蔵庫の一日あたりの電力消費量はなんとなくわかってきました。ではこんどは一時間当たりにどれくらいの電力消費があるのかを見ていきたいとおもいます。
冷蔵庫の一時間あたりの消費電力を計算するのは、実は容易ではありません。というのも、冷蔵庫の消費電力はその容量、使い方、あるいは季節によっても大きな幅があるからです。そこでひとつの基準として日本工業規格の規定で計算した年間の消費電力平均値から算出して目安を見てみようと思います。
これは日本工業規格の規定によると90台平均(250L~700L)のモニタリングを行った数値で、2014年度モデルの全機種各社測定結果により近い結果がでているので、ほとんど実態に近い結果とみてよいでしょう。日本工業規格の規定の算出した年間の冷蔵庫消費電力の平均値は以下のようになります。
この数値を基準に考えると計算は以下のようになります。
冷蔵庫は、主に食材を冷やすための家電製品です。ですので、開けたり閉めたりすると、自然と稼動が増え、冷蔵庫自体の電気消費が上昇してしまうといわれています。ではいったいどれくらいの上昇があるのでしょうか。冷蔵庫の開け閉めによる電力消費の差異をみていきましょう。
冷蔵庫の開け閉めで実際どれくらいちがいがあるのかを検証してみましょう。検証に使うのはSHARPのSJ-WX55Dです。
冷蔵庫をあけたときの消費電力を正確に計算したデータを見ることはできませんが、環境省の発表によると「冷蔵室と冷凍室のドアをそれぞれ50回と15回開閉させると25回と8回開閉した場合に比べ消費電力量が約6%増加する」とあります。
少々強引ですが、単純に冷蔵庫の開け閉めを2倍にすると6%の電力消費アップと見ることができます。
また日本工業規格はその基準を2015年に改定し、消費電力の基準が30%アップしていますが、この改定内容には冷蔵庫の扉の開閉が無から有へと変更も含まれています。
冷蔵庫の大きさ、にもよりますが、シャープの冷蔵庫を例にあげるといかが一日あたりの増加になります。
参考:環境省
では冷蔵庫を開け閉めした結果から考えて、冷蔵庫を閉めてから中が冷えるまでの消費電力を推定するとどれくらいの電力増加があるか考えて見ましょう。
一年間で436円の増加だったわけですから日にちにすると約1.2円の増加となります。
開閉は50回-25回で25回の増加です。
1.2円を25で割ると約0.05円です。260kWhに0.05円で計算すると消費電力は13kwhだけ増加してかかっていると推測できます。
冷蔵庫に待機電力というものはあるのでしょうか。もしあるならば、節電の要素になります。
冷蔵庫で待機とよばれるモードは明確にありませんが、冷蔵庫の開け閉めや、熱いものを入れた場合など、それを冷やすために電気量があがってしまいます。
冷蔵庫の種類や、使い方によってデータが変わってくるので一概には言えませんが、特に以下のような場合には、電気量の増加が起こるようです。
参考:環境省
冷蔵庫にもよりますが、最新の機種にはエコモードや省エネモードと呼ばれる設定があり、これを利用することで電力消費を抑えることができます。たとえば三菱の商品を例にだすと約5パーセントの電力消費を抑えることができます。
冷蔵庫を購入するには、ワット数で選ぶ方法があります。冷蔵庫に記載されているタグや、説明書に記載されているkwhという単位で表示されている数字ですがこれは一年間につかう電力をさします。これに電気代の単価をかけることでその冷蔵庫を使った場合年間どれだけのランニングコストがかかるのかを計算できるので、生活費の計算目安になります。
冷蔵庫を選ぶときにワット数をみることは非常に大切です。ワット数の違いで年間の電気代が大きく変わってきてしまいます。しかしながらこのワット数だけにとらわれてしまうと、思っていた結果とは違った結果になってしまうこともあります。ではいったいどうしたらよいでしょうか。冷蔵庫の選び方に潜む電力消費の罠について解説しましょう。
計算をしていると、このとき、なぜか容量が増えたほうが消費電力が少し少ないことに気づきます。北陸電力によると、同量のものを詰め込んだ場合、余裕のある詰め込み方をすれば大型のほうが実は消費電力が少なく済むということになるそうです。冷蔵庫選びの参考にしましょう。
冷蔵庫の消費電力は冷蔵庫を選ぶ上で大変重要な基準になります。しかし、最近では省エネ基準達成率という基準もできています。多くの冷蔵庫はエコモードや省エネモードが搭載されており政府が定めた省エネルギーの目標基準をどれだけ達成できているかという目安になります。自動的に冷蔵庫が節電してくれるので、実際の年間使用電力は下がり、結果お得になるのです。
冷蔵庫は家電製品の中でももっとも多くの電力を必要とする家電製品です。今回はその冷蔵庫にかかる電気消費量について解説していきました。今回のポイントは以下のとおりになります。
冷蔵庫は永く使う家電製品ですので、以上のようなポイントを踏まえて長く快適にしようできる製品を選ぶようにしましょう。