パソコンを使っていると、HDDの空きと使用領域を管理整理するための「デフラグ」で、アクセスや動作が劇的に早くなるという経験をしている人は多いことでしょう。
ですが、iPhoneやAndroidなどのスマホ端末も、ふと気づくと非常に動作が遅くなっていたり、あるいはファイルアクセスに非常に時間がかかったりといったことがあります。
スマホOSのメニューにはデフラグなどの表示はありません。
一方で、スマホデフラグ用をうたっているアプリなども多数、世の中には存在しています。
はたして、iPhoneやAndroidなどのスマホ端末も、デフラグが必要なのでしょうか?
またその方法は?
もっと他の方法で、こうしたアクセスなどのスピードは改善させることができるのでしょうか?
今回はスマホのデフラグや大掃除方法について調べてみました。
WindowsPCではOSにツールとして搭載されている「デフラグ」ツール。
MacOSのパソコンには、デフラグ機能自体はありませんが、Macの場合は、記録がフラグメンテーション化していると、自動的にファイル書き換えを行う処理が走っており、人があえて「デフラグ」を操作して行わせる必要がないのです。
スマホも同じで、フラッシュメモリタイプの内蔵ストレージ。そのため技術的には、基本、デフラグ不要です。
すが、ユーザーサイドが実感する速度面では、「それでもデフラグかけたらすごく早くなったよ」という方は多くあります。
さて、スマホの場合、このデフラグを行ってくれる「専用アプリ」が多数存在しています。「AndroidもiOSも、いずれもデフラグは不要」というのが、各スマホメーカーやキャリアの公式見解。さらには、開発に携わる技術者たちも、口をそろえて「不要」としています。
そんなこともあり、実はスマホのデフラグツールには「公式ツール」や「公認ツール」の様なものは存在していないのです。
スマホのデフラグアプリでは、公式ツールなどはありません。
ですが内蔵ストレージから、外付けストレージのメモリまでアクセスすることができるものが存在します。
アプリの制作提供者の開発している人側の事情で、公式、公認ツールとなっていないというのは納得ですが、中には、動作を始めたら、あるいは単にインストールしようとした段階で、「セキュリティソフトにウイルス扱いされるもの」もあります。
あくまでもデフラグアプリそれぞれの作り方などによりますが、動作中のメモリ上のエリアは処理できないというものまであり、動作に関しては注意も必要です。
デフラグアプリにはもともとかなりシステムの内部情報にアクセスし、移動などまで行うものも存在します。
中には、この「アプリの目的上、さまざまなところにアクセスする動作をしても、ユーザー側が怪しまないだろう」という点を利用した、スパイウエアなども存在します。
そのため、アプリでデフラグする際には、そのデフラグアプリをリリースしているのが、怪しげなメーカーなどではないか・・・も大切なチェックすべきポイントです。
もちろん、Google Play、AppStoreなどで配布されているアプリかどうか。また、これまでのユーザーレビューの件数やその内容なども含めて、しっかり吟味することが大切です。
よくネットの都市伝説では「GoogleがリリースしているOSのAndroidには、フラグメンテーション問題があるからデフラグが必要」「Googleでスマホのデフラグができる」などとささやかれています。
いったいどういうことなのでしょうか?
たとえばGoogleのWEBサイトやその他提供されているアプリなどで、Windowsのデフラグそのものと同じことを行うことはできません。
はっきり言えばスマホでは、その装置やOS(AndroidやiOS)の関係で、デフラグというよりは、ファイルの整理などを行うことができる→それによって、データの空き領域などを整えてあげることで、快適に使えるようにはなります。
また、開発ツールとして提供され、Androidのアップデートで各端末に自動的に最新のパッチがあてられる、「Google Play Services (Google Play開発者サービス)」を使っていれば、とくに問題があるデフラグ問題などの評判のよくない問題は、一通りカバーされているのではないかといわれています。
「Google Play Services」はオープンソースで公開されておらず、アプリなどを開発配布するOEMがこの中身をいじることができません。それゆえに、こういったアップデートとツール内で対応されているのではといわれています。
基本的には、ファイルが断片化していたとしてもデータの読み出しにかかる時間は変わりませんし、もし動作が悪ければ不要なアプリやキャッシュ、その他データによって、空き領域が少なくなっていたりといった可能性のほうが高いものです。
Androidのトラブルシューティングで正式に案内されている・・・
空き容量を手で増やす~メモリ管理、不要なメモリ領域やデータを削除
アプリの本体やデータ構造をまとめる~1アプリについてストレージをまとめる(読み出し時にアクセス時間の不具合があるケースで、1アプリについてデータが複数ストレージに入っているケースがあります)、アプリのアップデートを確認し上書きやパッチ適用ではなくゼロからインストールできるものはやってみる(壊れたデータを一旦読みに行くことが多かったり、アプリによっては出来が悪く、これまでのアップデート差分全部を読ませないといけない可能性があるため)
ストレージや端末自体を初期化する~ストレージの初期化、端末初期化
・・・などの方法があります。
■Androidヘルプ|動作が遅い端末でのアプリのトラブルシューティング
パソコンのOS Windowsには「デフラグ」があります。
そしてスマホを接続して認識させれば、デフラグができる機種などもあります。
こちらはWindows側のOS、スマホ側の機種などによって、デフラグができない方もある方法です。
WindowsパソコンにスマホをUSBケーブルなどでつないで認識させます。(※写真はWin10)
表示されたスマホをHDDとして認識させます。
そしてパソコンのデフラグツールで指定してデフラグ。
そのストレージのドライブ名で右クリックして、プロパティを表示。
「ドライブの最適化」ウインドウを開きます。
Windows8以降では、メディアの種類で「RAMディスク」などは現在の状態の表示位置ですでに「最適化は使用できません」の表示が出ます。(※写真はWin10のため、表示が出ません)
スマホなどの中でも、認識させることができ、かつデフラグ可能ならここに表示があります。
ちなみにWindows7ではSSDはデフラグできない設定になっています。
Windows10ではSSDでは「Trim(トリム)」の機能を実装。(※ただしSSDがトリム対応しているケースだけ表示され、行うことができる)
基本的には不要なデフラグですが、SSDはデータを上書きせず、かならず古いデータ別の領域にコピーして、元のエリアのデータを消去。その後空いている場所に新しいデータを書き込んでいます。さらに同じエリアに繰り返し書き込みをする「ウェアレベリング」などを行っているため非常に複雑。
どうも使いにくいなという時は、単にファイル移動操作を行うだけで、この書き込みの仕組みによって無駄が出なくなりやすいシステムなのです。
基本的には現在サポート対象となっているWindowsOSでは、スマホなどこうした新しい仕組みのストレージには直接デフラグができません。
またむしろSSDでデフラグツールが使えるものでは、デフラグをかけたのに実はデータがうまくデフラグされていないということも多いため注意も必要です。
こちらも、スマホ内のミニSDやマイクロSDといったカードをWindowsパソコン本体のカードリーダースペースに入れて、表示がされればデフラグを行うもの。
ですが、こちらも基本的には現在サポート対象となっているWindowsOSでは、スマホなど新しい仕組みのストレージには直接デフラグができません。
そのため、多くのユーザーでは、デフラグではなく、基本的にはファイルの移動操作書き込みを行うことで、データをすっきりまとめるという流れとなります。
理論的にも装置的にも、ファイルの読み込みなどで断片化による影響を受けないといわれているスマホ。
基本的にスマホの場合、フラッシュメディアを採用しているものが圧倒的。
通常内蔵ストレージには「NAND型フラッシュメモリ」が採用されています。
これには、書き込みなどの処理が特定領域に集中することで、記録メディアの片減り消耗が進まないように、勝手に各部の書き換え回数を均して調整してくれる「ウェアレベリング」という機能がついています。
ユーザーサイドでは、そのためデフラグの様なものを意識せずともOK。
さらにハードウェアの機構ともあいまって、この機能下で、ごく普通の使いかたさえしていれば、書き込み上限は約3万回ほど!(eMLC参照)
この状態になるまで7~8年ほどかかるため、よほど同じスマホを使い続けているという方以外では、メモリの交換すら発生しないでしょう。
そのため、基本的に、現代のスマホでは、デフラグは不要。できれば「デフラグを行わないほうがBetter」なのです。
2018年現在、このNANDフラッシュは、いずれの方式のもの※もPCやIoT用パーツなどさまざまな展開がみられることもあり、かなり価格が下がっています。
(※ NANDフラッシュ3種類=TLC(Tri Level Cell)、 MLC(Multi Level Cell)、SLC(Single Level Cell))
そのため、あたらしいスマホ機種では、いずれの価格帯の端末でもNANDフラッシュの採用が一般的に!
ですが、やはりそんななか、デフラグが効果的なスマホもあります。
すでにガラケーが廃れた現在ですが、ごく初期のスマホの中には、ハードウェア的な設計&適用されているAndroidなどのOSが古く、こうした端末自体の寿命を延ばすのには向いていないものもあります。
2012年初頭までは主流だったアンドロイドOS 2.3。
ブラウザなど、現在ほとんどの機種で使用できる基本ツールでも対応していないものも多いこうした古いスマホでは、内蔵メモリ自体も非常に少ないものが圧倒的。
頻繁にソフトをインストールしたり、消したりしながらCPUなど他のパーツのリソース不足分を内蔵メモリで補うこともあり、このインストールや削除に際しては、デフラグツールをかけてみても良いものも!
ですがやはり、ハード的なリソース割り付けの比率と、その他ソフトの動作から考えれば、内蔵ストレージのデフラグは、かなり大きな改善につながるとは言い切れません。もちろんSDカードやマイクロSDカードなどの、内部に組み込んで使えるメモリ類のデフラグそのものもあまり意味はないでしょう。
ソフトなどによっては、たとえばアプリ本体は内蔵ストレージに、アプリのアップデートやその他データはマイクロSDなど端末内の別メディアにとれるものなどもあります。
これが2つのメモリにまたがらないように入れ替えてあげるほうが、はるかに動作も早く、安定して動作できます。
またデフラグは、こうした1アプリ関連のメディア内非分散割り付けと、メモリ消費量やCPU負荷などを管理しおさえていくツールのほうが、効果ははるかに高く見込めます。
の手順が良いでしょう。
たとえばAndroid端末ではユーザーによって削除などができるキャッシュと、アクセスできないキャッシュパーティションがあります。が、通常のキャッシュを破棄する処理の後、このアクセスできないキャッシュパーティションに問題があるケースでは、この存在でスマホが遅くなっていることなどもあります。
「デフラグアプリやツール」で解消できるケースもあれば、「Recovery mode」の「wipe cache partition」利用ではじめて解消できるケースもあります。
まずはAndroidスマホをシャットダウン。
完全に電源が落ちているのを確認したら、3つのボタンを同時に押しつづけてスマホを起動します。
「電源ボタン」「音量を上げるボタン」「音量を下げるボタン」です。
Androidのキャラ、緑色のロボットの「Droid」が寝ており、お腹のハッチが開く見慣れない画面が表示されます。
この画面で、音量ボタンなどを押し、リカバリーモードに入ります。(※機種によって操作方法は異なります)
この中で「Recovery mode」の「wipe cache partition」を選択し、電源ボタンを押します。
表示されたダイアログボックスで「Yes」を押すと、このアクセスできないキャッシュパーティションは削除されます。
このあと、すこし時間を空けて続けて表示される「Reboot system now」を選択すると、いつも通りにAndroidスマホが起動。
先ほど削除したキャッシュファイルは戻りませんが、いつも通りにアプリを起動したり操作していれば、またキャッシュファイルが生成されます。
この操作でもどうしてもスマホが重い時には、単にデフラグや、OSが動いている状態ではクリーンにできない領域が関係しているおそれがあります。
こちらでも同じく・・・
の手順が良いでしょう。
スマホ内データを完全にバックアップ。販売店などに相談し、完全初期化をしてから使用するのがおすすめです。
いかがでしたか?
今回は、「スマホのデフラグ」そのものと、俗にスマホのデフラグと呼ばれる「スマホ内のファイル整理方法あれこれ」についてご紹介しました。
もともとiOSにしろAndroidにしろ、システムの中に組み込まれているため、それをそのまま使うのがBEST。
ときどきファイル全体を整理するという方法が、効率も、本体の寿命のためにも最適だとわかりました。
とはいえ、スマホ端末は、データ書き換えになかなか時間もかかるもの。
頻繁にソフトを入れ替えたりアップデートするという方なら、3~6か月に1回をめどに。
それ以外なら1年に1度程度でも、かなり快適+ファイル操作という一番時間を無駄にしてしまう作業による時間のロスともバランスしながら、スマホが利用できるはずです!