スマホは歴代のXPERIAシリーズを使用しております。直近4年では「Xperia Z3 Compact SO-02G」と「Xperia X Compact SO-02J」を使用中。「IPコード」で裏付けされるそれらの防水性能について説明させていただきます。
Written By 立早 問十
今や我々の生活に欠かせないスマートフォン(スマホ)。国内ではiOSとAndroidが人気を二分しており、後者の代表格の一つにはSony Mobile Communications(以下SMC)が提供する「XPERIAシリーズ」があります。
かれこれ市場に登場して10年近く経ちますが、その間に多くの進化を遂げています。最新機種が出るたびにAndroidの最新バージョンへの対応はもちろん、高解像度ディスプレイへのアップデート、ワンセグやおサイフケータイ機能などの追加がされてきました。
本記事はXPERIAが持つ機能の中でも「防水能力」にフィーチャーしてご紹介していきたいと思います。
SMCのサイトで確認する限り、日本で発売されたXPERIAで最初に防水機能が搭載されたのは「Xperia acro HD SO-03D」だったようです。
参考元:過去機種一覧
ただし、防水機能と銘打たれていたものの、防水性能を表す「IPコード」は記載されていませんでした。IPコードでその性能が明確に表されたのはSMCのサイトを確認する限りでは「Xperia AX SO-01E」からのようです。
以下、当該機種と最新機種である「Xperia XZ premium SO-04K」との防水性能の比較です。
SMCのサイトでは「IPX5/7等級」と記載されています。
参考元:生活防水(IPX5/IPX7)
IPX5とは、内径6.3mmの注水ノズルを使用し、約3mの距離から約12.5リットル/分の水を最低3分間注水する条件であらゆる方向から噴流を当てても、電話機としての機能を有することを意味します。
IPX7とは、常温で水道水、かつ静水の水深1mのところに電話機を静かに沈め、約30分間放置後に取り出したときに電話機としての機能を有することを意味します。
「IPX5/8」と記載されています。
IPX8とは、常温で水道水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を有することを意味します。
それぞれシチュエーションごとに見ていきたいと思います。
いずれの機種も共通して「IPX5」の防水機能を有しているので、「雨が降ってスマホが濡れてしまった!」程度ならば問題はなさそうです。
いずれの機種も共通して「IPX5」の防水機能を有しているので、普通に水道水がかかった程度で問題になる可能性は低そうです。
前者は「IPX7」、後者は「IPX8」の防水性能を有していることから、水たまりに落とした程度では水没する可能性は低そうです。しかしながら、いずれの防水性能も「常温の水道水」という条件が付いており、水たまりの水質によっては話が変わってきます。また、落下したショックで本体が割れたりした場合も話は別で、そこから浸水してくる可能性があります。
前者は「IPX7」で水深1m、後者は「IPX8」で水深1.5mの防水性能を有しているので、そこまで深さがない池に落とした場合は耐えられる可能性はあります。しかしながら、いずれの防水性能も「常温の水道水」という条件が付いており、池の水質によっては話が変わってきます。合わせて落下したショックで本体が割れたりした場合も話は別で、そこから浸水してくる可能性があります。
いずれの機種も「IPX5」の防水性能は有しているので、意図的にお風呂場に沈めたりといった使い方をしなければ、おそらく問題になることはないかと思われます。
筆者も「IPX5」を有した「Xperia Z3 Compact SO-02G」や「Xperia X Compact SO-02J」を風呂場に持ち込んで通して4年ほど使ってきましたが、水没で故障に至ったことは一度もありません。
ただし、お風呂で使用するにあたっては注意すべきポイントが幾つかあります。
参考元:Xperia XZ2 主な仕様
【バスルームでの使用について】※本機は独自の試験基準に基づき高湿度条件下(浴室など)で利用できることを確認しておりますが、次の点に注意してご利用ください。※せっけんやシャンプー、入浴剤の入った水など水道水以外のものをかけたり、水道水以外のものに浸けたりしないでください。それらが付着してしまった場合、直ちに常温水道水で洗い流してください。※湯船(温水)につけたり、落下させたりしないでください。誤って落下させた場合は、直ちに取り出してください。※湿気の多い場所に長時間放置しないでください。※寒い屋外から暖かい浴室などに急に本機を持ち込まず、一度室内に置いて本体が温まってから持ち込んでください。浴室内では充電を行わないでください。
いずれの機種も「IPX5」の防水性能を有していることから、ポケットに入れていて汗にまみれたことによって故障する危険性は、そこまで高くはないのではないかとも思います。
しかしながら、あくまで筆者個人の経験ですが、かつて使用していた「Xperia Z3 Compact SO-02G」は、汗にまみれたことで「イヤホンジャック」が故障し、刺しても認識しなくなったことがあります。
従ってイヤホンジャックがある機種は、状況によってはそこから調子が悪くなるケースも考えられるので、注意が必要にはなってくると思います。
結局のところXperiaも「IPコード」によって保証される防水性能は、万能ではないということです。スマートフォン自体、そもそも水中で使われることが前提の機械ではないので、完全防水ではありません。
また防水性能の実験環境は「常温の水道水」で行っています。当然ながら風呂(お湯)や温泉(温泉水)、プール(塩素を含んだ水)や海(塩水)などとは、水質条件が異なっているものです。実験とは違った結果になることも、想像に難くありません。
何にせよ、防水性能のレベルが高さに依らず、水没するリスクの高い環境での使用を避けるのが無難な選択にはなってくると思います。
とは言っても、せっかくの防水性能を有しているのだから、日常のバスタイムなどでXperiaを使いたくなる気持ちもわかります。
そこでXperia自体の防水機能をアップさせる防水ケースを幾つかピックアップして紹介したいと思います。
Xperiaシリーズのみならず、6インチ(スクリーンサイズ)以下のスマホなら収納することができます。
こちらも6インチ(スクリーンサイズ)以下のスマホに対応。2枚セットなので複数台スマホを持っている方にオススメ。
さて、XPERIAシリーズの防水性能について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
日本向けモデルで初めて防水機能が搭載された「Xperia AX SO-01E」が登場したのは2012年。最新の「Xperia XZ シリーズ」では、もはや「IPX5/8」の防水性能が当たり前です。
しかしながら、スマートフォンはあくまで電子機器であり、水中で使われることが前提の機械ではありません。高い防水性能を過信せず、水没の危険性がある使用を避けていくのが、長く使い続けるためのコツではないかなとも思います。
スマホも、昔に比べると非常に高価にもなってきています。日常生活に欠かせないパートナーとして、大事に使ってあげましょう。