著作権法では、無料で他社の著作物をアップロードすることを禁じている上、それをダウンロードすることも禁止しています。しかしながら、それらのサイトのリンクを貼ることに関しては規制が難しく法整備が難航している現実があります。
Written By アテ ワン
フリドラというサイトをご存知でしょうか。このサイトは実に多くの映像作品を掲載していて無料でも見れるということでひそかに人気になっていました。今回はこのフリドラについて解説をしていこうと思います。
フリドラを見てみればわかりますが、フリドラとはおそらくフリー(無料)なドラマ(などの動画)を掲載しているサイトだと思われます。
実際に訪問してみると、確かにたくさんの動画タイトルが並んでいます。しかしながら、この手のサイトの中でも少し異型なサイトに思えます。
というのも、形式としては直接アップロードしているサイトではなく、来訪者が求めている動画を掲載しているサイトへのリンク先を掲載しているいわゆる「リーチサイト」と呼ばれるタイプのサイトであることがわかります。
画像取得先:フリドラ
そして、ここがミソでもあると思うのですが、どうやら公式サイトと違法サイトを同時に載せています。それによって集客し広告費を稼いでいるので著作権法に引っかかる可能性があります。
その意図はわかりませんが、とにかくこの両方載せているということがこのサイトをある意味でややこしく、また別の視点からみればより悪質だ、といわざるを得ない形にしています。
現在インターネット上では実にたくさんのサイトが違法アップロードと呼ばれる方法で著作物を掲載している現状があります。
これに対して日本政府は「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」として、大手通信社を対象にブロッキングの措置要請を行いました。簡単に言えば、違法アップロードを行い著作権を著しく侵害し甚大な被害を及ぼしていたサイト「漫画村」「anitube」「miomio」を指定しアクセスできないようにしました。
この措置が法律化せず一時的な措置とされたのにはいくつかの理由がありました。その代表的な例が憲法の侵害。憲法上では基本的に通信の秘密や、表現の自由など、ネット環境で大切な権利を保障していますが、政府が自由に海賊版サイトをしていし、ブロッキングすることはその権利を侵害しているのではないかという懸念がありました。
海賊版サイトの指定の線引きは難しく、特にリーチサイトは、違法なサイトへの行き先を示してはいますが実際に違法なコンテンツを掲載しているわけではないので、また示したサイトが違法かどうかの判断も実に難しいのです。
ですから違法サイトと公式サイトを一緒に載せているこのサイトは「本当に善意で動画サイトを集めた」のか「違法コンテンツに誘導したい」のかその真意を特定しにくいのです。
その点から考えると実に悪質なサイトといえるのではないでしょうか。
参考:知的財産戦略本部
しかしながら、画像でもわかるようにフリドラは確実に「違法サイト」のリンクも掲載しています。
政府はリーチサイトの対策としても、基本的にブロッキングを行う方向で有識者会議を開いていますが、既述のとおり、その法的な線引きが難しく、法整備にはいたっていません。
今後、通信技術の発達や、法整備かされた場合にこのようなサイトも何らかの変更が行われるかもしれません。
現段階では、法整備が行われている最中ですが、今後もその傾向は強くなると想定されています。
著作権侵害とは、著作物の権利を侵害した場合に対象となるので、リーチサイトでも指摘されれば十分に著作権違法になる可能性もあります。
フリドラで無料動画を見た場合に、ウイルスにかかる可能性があります。もっと詳しくいうとフリドラ自体には問題がありませんが、フリドラに掲載されている公式ではないサイトを利用した場合に、そのような可能性があります。
実際に海賊版と呼ばれる公式ではなく、何らかの著作物を勝手に掲載しているサイトの多くは、以下のようなことが起こる可能性があります。
前者は基本的にフィッシング詐欺、と呼ばれるものなので、そのまま閉じてしまいましょう。いかにも緊急を装って警告音なども出しますが、それであせらせて「ウイルス対策」と銘打った何らかのアプリやファイルをダウンロードさせます。それが危険です。
後者は、ファイルに紛れ込ませて何らかのウイルスをダウンロードさせます。違法アップロードされたファイルをダウンロードしているので、これは擁護できません。くれぐれも触らないようにしましょう。
フリドラで掲載されているサイトの中には違法アップロードを行っているサイトもあるとお伝えしました。画像でみればわかりますが、実際に政府の規制対象になったサイトも普通に掲載されています。
これらのサイトで動画を利用するときには気をつけなければなりません。
著作権法はもともと「私的理由での複製(ダウンロード)」は罰則を設けていませんでした。しかしながら2012年10月から著作権法が改正になり録音録画されたコンテンツを違法アップロードすることはもちろんダウンロードすることも禁止になりました。
ですのでフリドラから公式の無料動画を見た場合、違法には当然なりませんが違法アップロードを行っているサイトからコンテンツをダウンロードした場合、罰則を受ける可能性があります。その場合「2年以下の懲役か200万円以下の罰金または両方」の刑罰を受ける可能性があるので注意しましょう。
参考:政府広報
Abematvは株式会社サイバーエージェントとテレビ朝日が協力して提供している24時間放送のインターネットテレビ局です。オリジナルのすこし尖った面白いコンテンツが多く、無料で見れることから人気があります。基本的に無料でコンテンツをみることができ、過去の動画を見たい場合は有料会員登録することで見ることができます。
GYAO!も無料で動画使用をすることのできるサイトです。基本的には無料で見ることができますが、会員登録することでより多くのコンテンツを視聴することができ、有料会員になると、プレミアム会員だけがみられる仕様になっています。10万本を超える動画数を配信しているので無料でもかなり多くの動画をみれます。中には1時間を越える動画もあるためかなり充実しています。
ニコニコ動画はyoutubeのようにアップロードされた動画を視聴できるサイトです。もちろん無料で利用することができます。プレミアム会員(月額540円)があり、プレミアム会員は動画広告の非表示ができたり、各種機能の上限数のアップ、低画質モードの回避といった機能を追加できます。またニコニコ動画は動画上に視聴者のコメントが表示できる仕様になっているのが有名で、それを楽しむユーザーも多いです。
バンダイチャンネルはバンダイの提供する動画サイトで無料会員と有料会員があります。バンダイが親なのでアニメに特化しており3,175作品以上の作品があります。月額1,000円(税抜)でアニメ・特撮見放題サービスを利用できますのでファンにとってはたまらないサービスとなっています。
やはり、一番のデメリットとしてはコンテンツを使用することで少なからず料金がかかってしまうのはデメリット、と考えることも可能かもしれません。基本的に無料で視聴できるサイトはその分制限をかけています。しかしながら、違法コンテンツの無料ダウンロードの法整備が進んでおり、ウイルス感染をはじめとするあらゆるリスクを回避できるとするならば月数百円の費用は果たしてデメリットかは疑問です。
合法動画を無料で見ようと思うと、当然なんらかの制限がある場合があります。多いのは昔の動画は見れない、一部コンテンツしか見れないなどです。また広告が出てくるといった場合もあるでしょう。これらのデメリットは無料かつ、安全に見れる上での最低条件として受け入れるしかないでしょう。
これに尽きるでしょう。違法サイトでも、ダウンロードをしなければモラルに触れることはあっても法に触れません。また、リスクにも触れずにすみます。違法コンテンツをダウンロードし保存してしまうと、(それが違法と知らなかった場合を除き)いかなる理由でも違法になってしまいます。絶対にやめましょう。
フリドラは違法サイトも掲載していますが、しっかりと公式サイトと書いて掲載しているサイトがあります。これらのサイトを使うようにしましょう。
間違っても、違法アップロードのサイトに手を出してはいけません。
いかがでしたでしょうか。今回はフリドラというサイトの安全性、悪質性をご紹介しました。今一度ポイントをおさらいしていきましょう。
以上が今回のポイントになります。違法アップロードは、明らかな著作権違反でありながら、規制が追いつかない難しい問題です。今後も規制は強くなるでしょうが、一番はこれらのサイトを利用しないユーザーのモラルにかかっています。できるだけ利用をするのはよしましょう。