dwm.exeという単語を聞いたことがある人は、Windowsを使っていてPCの動作が重くなったか、「dwm.exeは停止しました」といったエラーが出た方が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、dwm.exeに関わる問題は、メーカー修理を依頼しなければならない故障である可能性が低く、ほとんどはユーザーで修復可能なシステム関連の問題です。
この記事では、dwm.exeとは何かを解説し、役割や問題が起こった時の対処方法などを解説して行きましょう。
dwm.exeは、正式名称を「デスクトップウインドウマネージャー」と言い、主に画面表示の際の描画を担当しています。Windowsを使用する際の基本的なプログラムで、通常はC:¥Windows¥System32フォルダに格納されています。
.EXEというのは、実行ファイルのことです。ゲーム環境を思い浮かべてもらうと分かりやすいですが、家庭用ゲームをプレイするためにはゲーム機とソフトが必要です(モニターは簡略します。)ソフトに収録された音や映像を読み込むにはゲーム機が必要であり、ゲーム機を起動させるためには電源ボタンが必要です。
この電源ボタンに当たる部分が.EXEファイルであり、.ダブルクリックして実行することでプログラム(ゲーム機)が起ち上がり、プログラム上でファイル(ゲームソフト)を開くことができるようになっています。
つまり、dwm.exeファイルとは、デスクトップウインドウマネージャーを実行するファイルです。
もう一つ重要なのが、dwm.exeは、原則的にスタートアッププログラムに設定されているという点です。スタートアッププログラムは常駐型プログラムとも呼ばれ、Windowsを起動した際に自動的に一緒に起ち上がるプログラムのことです。
Windowsの基本動作に関わる各種設定プログラムは通常スタートアッププログラムとして設定されており、ほかにはアンチウイルスソフトや任意でダウンロードしたソフトが初期設定でスタートアッププログラムとして設定されていることがあります。
dwm.exeは基本動作に関わる設定プログラムに属していて、主に画面表示を担当しているため、非常に重要な実行ファイルです。
デスクトップウインドウマネージャーは画面表示そのものや、マウスをクリックする、ウインドウを開くといった際のエフェクト(アニメーション)を担当しています。
例えばインターネットエクスプローラーを起動してWEBサイトを閲覧しており、ほかのプログラムと併用するためいったん最小化ボタンをクリックしたとします。この際に滑らかに縮小していき左下のタスクバーに収納されますが、細かい話こうしたエフェクトにもデスクトップマネージャーが関わっています。
ユーザーインターフェースのデザイン性を狙ったものですが、本来の最小化するという機能とは関係のない装飾的なものです。しかし、より複雑な描画処理の命令を出す分、dwm.exeによってPCのメモリを圧迫し動作が遅くなる要因になることがあります。
メモリとはPCが一度にどれだけの作業を並行して行えるかを表わす数値で、高いほどより多くの複雑な作業が可能です。2018年10月時点の現行のPCであれば4~16GB程度、ハイスペックな製品で32GBを越えるといったところです。
ユーザーが認識しているよりもさまざまなところでメモリは消費されており、使用メモリが搭載メモリの70パーセント以上を越えた辺りから動作に影響が出る可能性があり、動作が遅くなる、画面が固まる、最悪の場合ソフトやWindowsそのものが強制終了するケースもあります。
手持ちのPCのメモリに対してどの程度のメモリが消費されているか、それがdwm.exeが原因でないかを調べるには、タスクマネージャーを起動させます。
1.Windows7を例に挙げると、キーボードのCTRLキー+ALTキーを同時に押しながらDELキーを押し、画面表示が切り替わったら一番下のタスクマネージャーの起動を選択しクリックします。
上手く行かない方は画面左下のウインドウズボタンをクリックし、表示されたメニュー左下の検索ボックスに「タスク」と入力したあと、タスクマネージャーでの実行中のプロセスを表示を選択することで同じ画面が表示されます。
2.タスクマネージャーが起動したら、上部のパフォーマンスのタグをクリックすると↓の画面になります。
画面中段左にあるメモリの項目で、どの程度のメモリを消費しているのかを視覚的に確認できます。満タンに近いほど動作に悪影響が出る可能性があります。
次に、メモリの消費内訳を確認します。
3.プロセスのタグをクリックすると現在実行中のプロセスの一覧が表示されるので、dwm.exeを探します。イメージ名をクリックしアルファベット順にソートすると探しやすいでしょう。
この例では約16MB分のメモリを消費しています。
dwm.exeの設定を変更することで、メモリ使用率を下げることは可能です。そのためにはシステムの設定を変更する必要があります。
1.画面左下のウインドウズボタンをクリックし、メニュー右側のコンピューターにカーソルを合わせて右クリックします。
2.表示された項目の一番下のプロパティをクリックすると、システムのウインドウが表示されます。
3.画面中段左のシステムの詳細設定の項目をクリックします。
するとシステムのプロパティの画面が表示されるので、画面上段のパフォーマンスの設定をクリックします。
そうするとパフォーマンスオプションのウインドウが表示され、デフォルトではコンピューターに応じて最適なものを自動的に選択するのラジオボタンにチェックがついているはずです。
原則的にチェックの数が多いほど視覚エフェクトが多くなり、メモリをたくさん消費します。この画面でパフォーマンスを優先するのラジオボタンをクリックすると、チェックが全て外れます。これは、余計なエフェクトを一切使わずにメモリを極力消費しない設定です。
この状態でウインドウ下部の適用→OKの順にクリックします。
お待ちくださいとメッセージが表示され、30秒ほど待つと画面構成がシンプルなものに変わっているはずです。この状態で再度タスクマネージャーを起動し、dwm.exeのメモリ消費を確認します。
先ほど約16MBを消費していたメモリが、3MB弱まで抑えられています。以上の操作でメモリの節約を行うことが可能です。
元に戻したい場合は再度設定を変更することで初期設定に戻ります。
dwm.exeは画面表示を管理する実行ファイルのため、任意で停止する、あるいは予期しないエラーで停止してしまうと画面表示がおかしくなってしまいます。
色表示がおかしくなったり画面が真っ暗になってしまうことがあるため、可能な場合は再起動が必要です。
アイコン表示が変わる、ほかのソフトが表示されなくなる、落ちるといった症状を引き起こす場合もあります。この場合も再起動、あるいはデスクトップウインドウマネージャーの設定を見直す、メモリの消費量を確認する必要があります。
dwm.exeは、原則的にCドライブのWindows→System32フォルダに格納されています。移動した覚えがないのに違う場所にある場合、ウイルスがdwm.exeに偽装している可能性も疑わなければなりません。
今回はdwm.exeとは何か?という点や役割を解説し、問題と対処方法を考察しました。基本的に重要なファイルのため、設定画面以外では触らないように注意してください。