私自身はAppleユーザーではないのですが、職場の同僚や友人のAppleユーザーの間では、キャリアメールを使っている人はほとんどいないようでした。なんでだろうと思っていたのですが、理由を聞いてみるとなるほどなぁ、と思ってしまいます。デメリットがなにげに大きいですから、私がAppleユーザーだったとしてもキャリアメールは使わないでしょう。
Written By 猫俣 ミクスレート
iphoneやiPadを使っていれば、かならずApple IDを取得します。そして特に何も考えていなければ、携帯電話会社のキャリアメールのメールアドレスを、そのままApple IDとして取得しているでしょう。
ところがApple IDをキャリアメールのメールアドレスで登録すると、のちのち困った事態になってしまう可能性があるのです。
そこで今回はApple IDをGmailで登録するメリットや登録方法、また登録ができない場合の対処法などについてお伝えしていきましょう。
なぜApple IDにGmailのメールアドレスを登録しておくとよいのでしょうか。
Gmailはメールをオンライン上で管理している、クラウドサービスのひとつ。メールの内容だけでなく、メールアドレスや連絡帳などもオンラインで管理しています。
スマホなどには大きすぎる容量のデータも、オンライン上なら大丈夫。Gmailの場合は約10GBもの大量のデータを無償で保管しておくことができるのです。
またブラウザ上でメールの送受信ができるため、スピーディーにメールのやりとりを行うことができます。
Gmailのアカウントは一度作成してしまえば、こちらからアクセスしない限り変更されることはありません。
そのため機種変更をしたとしても、新しい端末でGmailにログインすればアカウント情報も、過去のメールもすべて残っているのです。
なぜApple IDを、携帯電話のキャリアメールにしない方がよいのでしょうか。
Gmailのメールアドレスは機種を変えても、携帯電話会社を変えても、変更されることはありません。
しかし携帯電話会社のキャリアメールの場合、別の携帯電話会社に変えるとメールアドレスが変わってしまいます。たとえばこれまで「~@docomo.jp」だったメールアドレスが「~@softbank.jp」に変わってしまうという具合ですね。
したがって携帯電話会社を変えた場合、それまでのメールアドレスに届いたメールは見ることができなくなってしまいます。
Apple ID自体は携帯電話会社を変えてメールアドレスが変わったとしても、これまでどおり使うことは可能です。
しかしApple IDに登録していたメールアドレスに届いたメールを受信できなくなってしまうため、パスワードのリセットなどが行えなくなってしまうのです。
またiTunesやApple StoreなどのサービスはApple IDと紐づいていますから、Apple IDに登録されたメールアドレスが変わってしまうと、これまで購入した音楽やアプリが使えなくなってしまう恐れもあります。
携帯電話会社が変わってもメールアドレスが変わらないメールソフトは、Gmailだけではありません。
Apple IDを取得するともれなく利用できるようになるのが、Appleが提供する「iCloudメール」です。
Gmailと同様にオンラインでデータを管理しているのが特徴で、他のオンラインサービスも含めてですが、5GBまでのデータをオンライン上に保管しておくことが可能。
もちろん、携帯電話会社を変えてもメールアドレスが変わることはありません。
Gmailに比べて、iCloudメールはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
こちらはGmailもiCloudも違いはありません。しいて言うならiCloudの方が利用者数が若干少なめなので、希望したアカウント(メールアドレス)名をちょっとだけ取得しやすいことくらいでしょうか。
プッシュ通信とは、サーバがメールを受信すると通知を送り、通知を受け取るとメールの内容をダウンロードするという通信方法。
ほぼリアルタイムでメールを受け取れる反面、常にメール受信の通知を受け取れる状態にしておかなければならないため、iphoneのバッテリー消費が激しくなります。
一方フェッチ通信とは、一定時間ごとにサーバに対して新着メールがあるかどうかを問い合わせ、それからメールを受信するという通信方法。
急ぎのメールを受け取るには向いていないかもしれませんが、サーバにアクセスするのは一定時間ごとなので、バッテリー消費を抑えることが可能なのです。
こちらは用途に応じて使い分けがききそうな特徴ですよね。Gmailのフェッチ通信はサーバに対する問い合わせの間隔を短くすることも可能。しかし短い間隔にするほどバッテリー消費が激しくなります。
こちらは一目瞭然ですね。とはいえ、よほど大量のメールを保管したり、容量の大きな画像つきデータを次々と足していったりしない限りは、5GBでも困ることはないかもしれません。
画像の引用元:O-DAN
これまでApple IDをキャリアメールのメールアドレスにしていた方は、Gmailのメールアドレスに変更してしまいましょう。ただし変更時はちょっと注意しないと、新しいApple IDでサインインできなかったりなど、思わぬ面倒に巻き込まれてしまう可能性があります。
Apple IDを変更する時は、「Apple IDでサインインしているすべてのAppleのサービスやデバイスからサインアウトする」必要があります。
まだOSがアップデートされていない場合は、あらかじめアップデート作業をしておきましょう。
スマホ内に残っている画像データなど、消えて困るものはバックアップを取っておきましょう。SDカードでもいいですが、PC上にバックアップデータを残しておくと、いざという時に安心ですよね。
普段から使っているアプリは、すべてサインアウトしておきましょう。
これでApple IDをGmailアドレスに変更することができます。念のためスマホなどを再起動し、その後iTunesやApple Storeなどにサインインしましょう。
Apple IDを忘れてしまい、アカウントページにログインできなかった場合は、以下の方法でApple IDを調べてみましょう。
Apple IDのアカウントページで、可能性のあるメールアドレスをいろいろと入力してみましょう。ひょっとしたらApple IDに登録していたメールアドレスに当たるかもしれませんよ。
iTunesやApple Storeなど、Apple IDでサインインしているサービスやアプリがあるかもしれません。もしサインインしていれば、それぞれの「設定」からApple IDを調べることができるかも。
またiTunes Storeの購入履歴からApple IDを参照することも可能です。
Apple IDをGmailのメールアドレスで登録したものの、「ご利用のApple IDは無効になっています」という表示が出るというケースがあります。
ログイン時に「無効」となる原因は、パスワードや秘密の質問などの情報を何度も間違えて入力した場合です。
セキュリティ対策のためですが、やっかいなのは自分だけでなく、不正アクセスをしようとしている他人が間違えた情報を入力することでも、Apple IDを「無効」にされてしまうこと。
なんとも迷惑な話ですが、Apple IDの「無効」状態を解除してから、Apple IDを変更するのがいいでしょう。
Apple IDの「無効」状態を解除する手っ取り早い方法は、パスワードを再設定することです。
ここで2通りの方法を選択できます。
どちらでもよいので進めていくと、新しいパスワードを設定する画面となります。
これでパスワードの変更が完了し、Apple IDの「無効」状態が解除されます。
Apple IDを忘れてしまってログインすることができなかったり、パスワードの再設定をしても「無効」状態が解除されなかった場合は、Appleのサポートに問い合わせてみましょう。
電話番号やメールアドレス、セキュリティ質問など、思い出せる範囲で用意しておくと手続きがスムーズに運んで便利です。
さて、Apple IDをGmailのメールアドレスに設定するメリットや設定方法、またApple IDが「無効」状態になった時の対処法についてお伝えしてきました。
Gmailのメールアドレスは、どの携帯電話会社に変更しても共通で変わることはありません。機種変更した後で困ってしまう前に、Apple IDはGmailのメールアドレスに変えてしまいましょう。
参考元:Apple公式