テレビが突然消えてしまった、あるいは突然映らなくなるというのは最も一般的な故障の症状ですが、ケースによっては操作や設定が原因であることもあり、修理を依頼しなくてもよい可能性があります。
また、故障の場合でもどの部分が原因であるかで対処方法も変わり、ケーブルを一本買いなおせば直ることもあります。
テレビが映らない=故障と判断してしまう前に、ユーザー側で対処できるケースなのかそうでないのかを可能な限り判断することで、余計な時間やコストを抑えられる可能性があります。
この記事では、テレビが突然消える、または映らない時に考えられる原因を解説し、それぞれの対処方法をケース別にご紹介します。
故障の可能性を疑う前に、まずは設定の問題かどうかを確認すると、その後の作業がスムーズです。
故障ではないのにテレビが突然消えてしまう場合、考えられるのが設定の問題です。設定によりテレビが消えるものとして代表的なものが、自動電源オフ関連とタイマー機能の2つです。
前者は一定時間操作をしないことやテレビの信号がオフ(深夜の番組終了など)になった場合、あるいはテレビの前から人が居なくなって一定時間経った場合などを感知して自動的に電源が切れる設定にテレビがなっているケースです。
後者はオフタイマーやおやすみタイマーなど、操作の有無に関わらず時間によって自動的に電源が切れる機能がオンになっているケースです。
初期出荷状態でオン設定されている製品、あるいはご家族が設定を変更したことが原因であれば故障ではありません。
次に考えられるのがテレビ本体の一時的なエラー、あるいはケアレスミスとして電源ケーブルが抜けた、またはブレーカーが落ちたなどの電源周りの不具合です。
長い間テレビをつけっぱなしにすると熱や帯電が原因で電源が突然落ちることがまれにあります。たいていは一時的なエラーですが、テレビ本体がすぐに熱くなる時や焦げ臭い時は、排熱機構の不具合や経年劣化による漏電の可能性もあるので、温度と臭いには十分注意を払ってください。
次に考えられるのが故障関連です。とは言え、大きく分けても
以上6点が可能性としてあり、判断が難しくなります。
上の3つに関しては専門知識がないとユーザー側では何もできないため、テレビ本体の故障かそのほかの問題かを大まかに判断することが最も重要です。
テレビが突然消えた、または映らない時の対処方法として、まずは故障ではないと仮定し設定の問題をクリアにするとよいでしょう。
メーカーや年式によって自動電源オフ機能やタイマー機能の設定の方法はさまざまですが、たいていはリモコンの設定メニューから変更する場合が多いです。初期出荷状態で省エネ関連の機能がオンに設定されている時はユーザーの操作で設定を変更する必要があります。
リモコンによって設定メニューのボタンが普段は見えない場所に収納されていることもあり、リモコンにスライドできる部分がないかを探してみてください。設定メニューの映像もしくは機能関連の画面から進んで行くと設定のオン/オフが変更できるはずです。
この際、可能であれば取扱説明書が手元にあると操作がスムーズです。
設定関連の問題ではなかった場合、一度リモコンの電源をオフにすると電源ランプが赤くなるはずです。この状態では電源が完全に切れていないため、本体側の電源ボタンを押すことでランプが消灯し電源が落ちます。
次にコンセントから電源ケーブルを抜き、30秒~1分程度放置します。テレビ本体があまりに熱い場合は30分から1時間様子を見るとよいでしょう。その後電源ケーブルを挿し直して(できれば違うコンセントに)電源をオンにします。この際、延長ケーブルではなくコンセントに直接挿し込むと状況判断がスムーズです。
一時的なエラーであればこの操作で復旧する可能性が高いですが、すぐに熱くなる場合や症状が再発する場合は危険なので修理も選択肢に入れるべきです。
テレビが突然映らなくなった場合の対処法③ほかの機器と接続し、ケーブルを交換する
上記の2つの手順で改善しない場合、本体かケーブルの故障、接触不良の可能性が高くなります。このケースでは故障箇所を大まかに判断し、ユーザーで対処できるかどうかを確認します。
まずは受信状況や受信ケーブル、B-CASカードの問題かを切り分けるため、可能であればブルーレイプレーヤーや家庭用ゲーム機などと接続して映像が表示されるかを確認します。この状態で症状が改善されれば受信状況、ケーブル、B-CASカード、テレビ側の端子のいずれかの問題です。
可能であれば受信ケーブルを違うものに変え、地デジとBS/CS用端子に分かれているタイプのテレビであれば反対側に接続します。また、電源を切ってからB-CASカードを挿し直すことで改善することもあります。
受信状況は特に衛星放送において天候状況に左右されやすく、大雨や台風だと映らない場合が多いです。また、B-CASカードを頻繁に抜き差ししていると読み取り不良になりやすく、3年以内なら無償、それ以降なら2,050円で有償交換が可能です。そこまで強いパーツではないので一番最初に故障しやすい箇所でもあります。
外部機器を接続しても映像が表示されない場合はテレビ側の故障の可能性が高くなります。
レアケースなため上記では除外しましたが、テレビが突然消える、映らなくなる原因がリモコン側にある場合もあります。
内部基盤の故障などによる操作信号の誤発信が主な原因です。リモコンの電池を換えてみる、または逆にリモコンの電池を抜いてしまい本体操作で症状が再発するか様子を見るという方法もあります。
オフタイマーとオンタイマーを短い間隔で設定しているなどの特殊な状況を除いて、何も操作していないのに突然消えて勝手に点く場合は、電源の供給が不安定になっているか電源ケーブルの老朽化、テレビの内部機器間の接触不良が考えられます。
このケースでも一度テレビの電源を完全に落とし、コンセントから電源ケーブルを抜いて30~1分放置します。その後違う場所のコンセントに直接挿し込んで再度電源を入れて見てください。
電源ケーブルが独立しているタイプのテレビでは、可能であれば同じ規格の電源ケーブルに交換して確認できるとなおよいです。
上記の手順で改善がなかった場合、またはテレビ本体に問題があると判断した場合には修理依頼をすることになります。原則的にメーカーにテレビを送って修理をしてもらうことになりますが、B-CASカードの交換と受信状況の問題であればメーカーの管轄外になるので注意してください。
修理代金については、保障期間外の場合は全て有償修理になります。端子1つの破損、回路基盤1枚の交換などで済めば1~2万円(技術料、人件費含む)程度で収まる場合もありますが、複数の基盤交換、パネル部分の破損などでは10万円を越え、買い換えた方がよいケースもあります。
使用頻度や設置場所の温度、湿度などにもよりますがテレビの平均的な寿命は一般的に10年前後です。また、メーカーのパーツ保有期限が定められており、テレビの場合は8年間に設定されているため、古い年式のテレビだと修理自体ができないケースもあります。
経年によるパーツの消耗は仕方のない部分があり、家電製品の技術進化のスピードも早いので同サイズ、同価格のモデルでも性能は良くなります。思い切って買い換えてしまうのも選択肢の一つです。
今回は、テレビが突然消える、映らないという症状の場合に考えられる原因と対処方法をケース別に分けてなるべく簡単にご紹介しました。
対処方法を調べて理解しながら実行するのは時間もかかり、ストレスも溜まるものです。そんな時にこの記事が少しでもお役に立てば幸いです。