電子レンジで加熱してはいけない素材といえばアルミホイルなどの金属が知られていますが、電子レンジは使い方を間違えると発火の恐れがあるので気をつけたいものです。
ところで、キッチンペーパーでくるんで電子レンジで調理するレシピが紹介されているのを見て、キッチンペーパーって紙だから燃えてしまうのでは?と気になりました。
ということで、今回の記事では、キッチンペーパーは電子レンジで使えるかについて解説したいと思います。
また、キッチンペーパーは電子レンジで燃えたりしないか、万が一燃えてしまった場合の対処法についてもご紹介します。
使い捨てができる布巾として開発され、台所で使用することを目的に作られた衛生的な紙のことをキッチンペーパーといいます。また、キッチンタオルとも呼ばれています。
キッチンペーパーは吸水性と吸油性にすぐれ、台所の水汚れや油汚れを拭くのに重宝します。
また、紙製ですが分厚くて水に溶けにくく、濡れても破れにくいといった点から、台所仕事には欠かせないキッチンアイテムです。
筆者は、調理中の手を拭いたり、食器洗いのあとの水拭きやガスコンロなどの油汚れ、フライパンに残った油を吸う時などによく使用しています。
キッチンペーパーは、ペーパーというだけあって紙が主原料ですよね?
電子レンジで加熱したら燃えてしまわないのか心配になり、キッチンペーパーを製造するメーカーを調べてみたところ、大王製紙では、キッチンタオルとキッチンペーパー全般について「電子レンジ機能で使用できます」との記載がありました。ただし、加熱しすぎないようにとの注意書きが添えられています。
■加熱しすぎない
キッチンペーパーは紙が主原料の製品が多いのですが、一部の製品にはプラスチックで作られているものがあります。
プラスチックは種類にもよりますが熱可塑性樹脂なので発火の可能性があり、長時間の電子レンジ使用は避けた方が無難です。
電子レンジでの調理中は様子をみながら時間調節を行うとよいでしょう。
■オーブン機能では使用しない
電子レンジはマイクロ波で食品中の水分を加熱します。水分が多い食品の温度上昇は約100℃ですが、油が多い食品では沸点が上昇して100℃以上、製品によっては120℃〜140℃になることがあります。
ですので、先述の通り加熱しすぎないことが大切です。
また、オーブン機能は電子レンジよりも高温で、最高で250℃に達することからキッチンペーパーは発火するため使用しないでください。
■粘性の強い食品には注意を
粘性の強い食品は加熱することで粘性が増すため、キッチンペーパーの紙の繊維が食品に付着する可能性があります。
キッチンペーパーとクッキングペーパーってよく似ていますよね?原料は天然のパルプで同じですが、製造と使用用途に違いがあります。
■エンボスタイプ
キッチンペーパーは表面がデコボコとした紙で、パルプが密に詰まって隙間が狭いエンボスタイプです。
水や油をよく吸収するため、食器洗いのあとの水の拭き取りやフライパンの油の拭き取り、キッチン周辺の掃除などに使われています。
■フェルトタイプ
クッキングペーパーは、パルプが立体的に絡み合って隙間が広いフェルトタイプです。
隙間が広いため、水や油をしっかり保持することができるほか、厚手で破れにくく、熱や水、油に強いのが特長です。
したがって、水切りや油切り、だし取り、落し蓋やアク取りをはじめ、根菜の下ゆでや火の通りにくいお肉の加熱といった電子レンジでの下ごしらえなどに向いています。
キッチンペーパーを電子レンジで使用する場合は、濡らして使用します。
例えば、野菜の蒸し料理では、電子レンジに対応した容器の中に食材を置き、その上にキッチンペーパーをかぶせることで食材の水分の蒸発を防ぐといった使い方があります。
クッキングペーパーを電子レンジで使用する場合は、キッチンペーパーと同様に濡らして使用します。
野菜や肉などを水で濡らして軽くしぼったクッキングペーパーをかぶせて包み電子レンジで加熱します。
蒸し野菜をはじめ、火が通りにくく時間がかかる大根や里いもなどの下ゆでが時短で簡単に済ませることができます。
また、お肉は下味をつけてからクッキングペーパーでぬらしてくるんで電子レンジで加熱することで、中までしっかり火が通ります。
参考元:ライオンLidea
こちらのブログ(春夏秋冬)に、キッチンペーパーを使用していて火事になったという記事がありました。
5分加熱→カリカリに乾燥したキッチンペーパーを再度3分加熱→燃えてしまった
このように、乾燥したキッチンペーパーを長時間、電子レンジで加熱すると発火しやすいようです。
電子レンジの取扱説明書に食品の加熱時間の目安が記載されていますので確認しておくことをおすすめします。
電子レンジのマイクロ波の出口カバーに食品カスが付着したままで加熱すると、マイクロ波がその汚れに集中してしまい発煙したり発火することがあります。
また、食品カスは焦げたり燃えたりすることがあります。
油汚れが残っている場合は、油が加熱されて発火しやすい状態になり、キッチンペーパーに引火して火事の原因になることがあります。
電子レンジの庫内は常にキレイにしておきましょう!
電子レンジの中でキッチンペーパーが発煙したり発火して燃えてしまったら、電子レンジのドアを開けずに庫内で鎮火するのを待ちます。
火は酸素に触れるとさらに燃焼する性質があるため、慌ててレンジのドアを開けてしまうと、庫内に酸素が流入して激しく燃えることがあります。
■電子レンジのドアを開けずに庫内で鎮火するのを待つ
■電子レンジの動作を停止させる
■電源プラグを抜く
■周辺に燃えやすいものがあれば電子レンジから離す
■鎮火しない場合は水などで消火する
参考元:独立法人国民生活センター
いかがでしたでしょうか?
キッチンペーパーは電子レンジで使用することができます。
ただし、長い時間の加熱は発煙や発火の可能性があるので注意が必要です。
お手持ちの製品の取扱説明書に記載された食品の加熱時間の目安を確認して使用することをおすすめします。
また、キッチンペーパーを電子レンジで使用する場合は、水で濡らしてから使用するようにしてください。
万が一、発火してしまった場合は慌てずに電子レンジの庫内で鎮火するのを待ちます。
発火させないためにも、電子レンジの庫内の食品カスや油汚れなどはキレイに掃除しておくことを心掛けましょう。
キッチンペーパーは電子レンジで使えるのか知りたい方にとって、この記事が参考になればと思います。