今回の記事作成にあたって、私自身もたいへんオイシイ思いをさせていただきました。ウチのPCはCドライブとDドライブが完全隔離されているタイプで、Dドライブの容量をCドライブに移せないんですね。Cドライブも残り5GBを切ってヤバいなと思っていたところで、今回の記事のとおりWindows Installerの中身を削除。Cドライブの残りが12GBまで回復いたしました。これでしばらくウチのPCも、まだまだ現役で活躍できそうですw
Written By 猫俣 ミクスレート
Windows Installerというフォルダをご存じでしょうか。
普通に探しても見つからず、隠しフォルダを表示するようにしても表示されないので、その存在すら知らなかったという方も多いかもしれませんね。
それだけWindowsでは重要なファイルであり、勝手に削除されては困るから、普通の手順では表示さえできないようにしてあるのです。
ところがコイツが結構ムダなデータを抱え込んでいるのです。しかしWindows Installerを探し当てて余計なデータを削除しようと思っても、どれを消していいのかわからないという困ったもの。うっかり削除してしまったがために、PCが正常に機能しなくなるなんてこともあるかもしれませんから、うかつに手が出せないんですよね。
そこで今回は、Windows Installerとはそもそも何なのか、Windows Installerの中の不要なデータを削除する方法や、うっかり消してはいけないデータを消してしまった時に再ダウンロードしたり、復旧する方法についてお伝えしていきましょう。
Windows Installerは、Windows Updateなどの更新ファイルやパッチなどを保存しておくためのフォルダ。
PCにとって重要なデータが入っているフォルダですから、うっかり削除してしまうのを防ぐために、通常は表示することすらできないようになっています。
しかしアップデート後、もう使わない不要なデータがWindows Installerに残ったままになっていることがあり、これが積もっていくと相当なデータ量となってPCを圧迫する原因になります。
どれだけ容量を圧迫しているか見てみましょう。ただ、通常ではWindows Installerフォルダを見ることはできないので、設定をいじる必要があります。
「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」をクリックします。
「システム」をクリック。
「ツール」タブから「フォルダオプション」をクリックします。
フォルダオプションが表示されたら、「表示」タブをクリック。詳細設定のメニューのいちばん下にある「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」のチェックをはずしてしまいましょう。
すると「Windows」フォルダの中に、「Installer」というフォルダが出現しています。右クリックして「プロパティ」を開くと情報を確認できますが、この「Installer」のフォルダ、なんとサイズが11.4GB!もちろん人によって変わってきますが、長いこと放置しておくとこんなにも容量を圧迫してしまうんですね。
とはいえ、うっかり削除してしまうとPCが正常に作動しなくなったりしてしまう危険性もありますから、困ったものです。
では、Windows Installerフォルダの中身を安全に削除する方法はないのでしょうか。
海外のフリーソフトに「Patch Cleaner(パッチクリーナー)というものがあります。
簡単にいうとWindows Installerフォルダにある、すでに必要性のないデータを抽出し、そのデータだけを移動したり削除してくれるというもの。
この移動というのがミソで、もしも抽出したデータが本当は必要なものだった、もしくは後に必要となることがわかった時に、別の場所へ保管しておくことで元に戻すこともできるのです。
論より証拠、さっそく試してみましょう。
ダウンロード:こちら
上記のurlからPatch Cleanerをダウンロードし、インストールしましょう。海外のフリーソフトなのですべて英語表示ですが、わからなくてもなんとかなります。私もなんとかなりましたのでw
PCにインストールし、Patch Cleanerを立ち上げると、このような画面が表示されます。
だいたいこんな意味ですかね。2.27GBのファイルは使っているけれど、7.61GBものファイルが使われずにいるということです。そしてPatch Cleanerの削除対象は、下段の7.61GBのファイルたちということになります。
しかし削除するのは不安なので、今回は容量に余裕のあるDドライブに移動させようと思います。「Move」のボタンをクリックしましょう。
「移動してもいいですか?」と聞かれているので、「Yes」と答えます。
今回は削除するデータが多かったので少し時間がかかりましたが、無事に削除が完了しました。「OK」をクリックして終了します。
Windows Installerから無駄なファイルをすべて移動させたので、下段に表示されるデータ量がゼロになっていますよね。
あらためて「Installer」フォルダのデータ量を見てみると、11.4GBだったWindows Installerフォルダのデータ量が、3.83GBまで減少しています。ちなみにこの作業をしたことで、5GBを割り込みそうだったCドライブの容量が、12GBにまで回復しました。こりゃ嬉しい!
もし同じようにハードディスクの容量に悩んでいるのなら、ぜひ試してみてください。
容量不足に苦しむあまり、Windows Installerフォルダそのものを削除してしまったなんて方もいらっしゃるかもしれませんね。その場合はWindows Installerフォルダそのものを再ダウンロードすることが可能です。
まずはPC内のWindows Installerが本当に削除されているのか、あるいは長く同じPCを使っている方はWindows Installerのバージョンを確認しておくといいでしょう。
ウィンドウズキーとRボタンを同時押しして、「ファイル名を指定して実行」を呼び出します。名前の欄に「cmd」と入力したら、「OK」をクリックしましょう。
コマンドプロンプト画面になりますので、カーソルが合っている場所に「MSIExec」と入力し、Enterキーを押します。
Windows Installerが正常であれば、画面のような表示が出ます。最上段がWindows Installerのバージョンです(画面ではバージョン5)。もし表示が出なかったり、バージョンが2や3など古いバージョンであった場合は、Windows Installerを再ダウンロードしましょう。バージョン4.5までは再インストールが可能です。ちょっと面倒ですが、Windows10であればOSそのものを再インストールすることでWindows Installerを復活させることもできます。
ここではWindows Installerのバージョン4.5をダウンロードすることにします。
ダウンロード:こちら
上記のurlからダウンロードページへ移行しましょう。
無難にすべてチェックを入れておきます。全部ダウンロードしても、50MB弱くらい。あとは指示に従ってインストールまで終わらせればOKです。
Windows Installerフォルダには、Windows Updateのデータだけでなく、ソフトをインストールするために必要なデータも含まれています。ですから、Windows Installerフォルダを削除してしまうと、インストールする時に不具合が出て正常にインストールできないという事態になってしまいます。
Windows Installerを再ダウンロードするのも手段ですが、そこまでしなくてもWindows Installerフォルダを復元する方法があります。
今回は「ファイルを指定して実行」ではなく、スタートメニューのファイル検索からコマンドプロンプトを開きます。検索窓に「cmd」と入力し、検索結果に「cmd」が出てきたら、これを右クリックします。メニューの中から「管理者として実行」を選択しましょう。
コマンドプロンプトに移ったら、「sfc/SCANNOW」と入力し、Enterボタンを押します。
システムスキャンが始まりますが、これはちょっと時間がかかります。5分くらい見ておいてください。破損したファイルで修復可能なものを修復しておいてくれますね。
システムスキャンが終了したら、「msiexec/unreg」と入力し、Enterボタンをおします。
さらに「sciexec/regserver」と入力し、Enterボタンを押します。ここまで終えたらコマンドプロンプトを閉じ、PCを再起動させることで、Windows Installerの復旧が完了です。
さて、Windows Installerフォルダとは何なのかについてや、フォルダの中身を削除する方法、またWindows Installerフォルダを削除してしまった時に再ダウンロードする方法や復旧する方法について、お伝えしてきました。
Windows InstallerフォルダはWindowsで必要なデータが含まれている一方で、無駄なデータの温床にもなっている、非常に扱いづらいフォルダといえます。しかし安全に不要なデータを削除する方法もありますので、ぜひ試してミッションはいかがでしょうか。
参考元:
マイクロソフト公式