パソコンには「圧縮ファイル」という技術が広く用いられています。
圧縮ファイルはWindowsだけではなく、MacやLinuxにも使用されている一般的な技術です。
複数のファイルを一つのファイルにまとめたり、ファイルのサイズを抑えるために使用されています。
最も一般的なのはZIPファイルという圧縮形式。メールで複数のファイルを送信する場合や、ネット上でファイルを配布する時など多くの用途で使用されています。
こんなアイコンを一度は見たことがあると思います。
このフォルダーにファスナーが付いているアイコンが、Windows標準の圧縮ファイルのアイコンです。
Windowsではこのままフォルダとして開くことも出来ますし、右クリックから「すべて展開」を選択して圧縮前の状態に戻すことも出来ます。
パソコンが正常に動いている時には上記のアイコンが表示されますが、何かのタイミングで設定が狂ってしまい、圧縮ファイルのアイコンが変わってしまう場合があります。
先程のファスナーが付いた圧縮フォルダのアイコンから白い紙のようなアイコンに変わってしまいました。
どちらも同じファイルです。名前の変更もしていません。
もちろんWindowsの機能が正常に動いていないため、このまま開くことは出来ませんし右クリックをしても「すべて展開」というメニューは表示されません。
こうなってしまった時の対処法をご紹介します。
ZIPファイルに限らずですが、Windowsでは拡張子と呼ばれるファイル名の末尾に付けられた文字列でファイルを識別しています。
先程の画像の例では「圧縮.zip」というファイル名だったので「.zip」が拡張子です。
それぞれの拡張子に対応したソフトウェアが設定で紐付けられているため、クリックするだけで適正なソフトウェアが実行されファイルを開くことが出来るのです。
ファイルのアイコンは紐付けられているソフトウェアによって変わります。
先程の白い紙のアイコンはソフトウェアが何も紐付けられない状態。白紙を意味しています。
拡張子とソフトウェアの紐付けが解かれてしまった原因は、多くの場合ソフトウェアのアンインストールです。
紐付いていた適正なソフトウェアがパソコンから消去されてしまったため、ソフトウェアを元に設定されていたアイコンも非表示になってしまい、ファイルも開けない状態になっています。
対処方法はソフトウェアの紐付けをやり直すか、圧縮解凍ソフトウェアをインストールすることで修正が可能です。
繰り返しになりますがWindowsは標準でZIPファイルの圧縮・解凍に対応しています。
追加でソフトウェアをインストールせずとも設定を変更するだけでZIPファイルを開くことが可能です。
1.ZIPファイルを右クリックして「プロパティ」を開きます。
2.プログラムの「変更」を開きます。
3.アプリケーションの一覧の中から「エクスプローラー」を選択し、OKを押します。
これで紐付けが出来ました。
新しく圧縮解凍ソフトウェアをインストールすることで、圧縮解凍ソフトウェアがZIPファイルと紐付けされ開けるようになります。
Windowsの標準機能よりも高性能な圧縮解凍ソフトをインストールしておけば様々な圧縮形式に対応しており便利です。
日本で開発された超有名な圧縮解凍ソフトウェアLhaplusをインストールしてみましょう。
Lhaplus 公式サイトから最新版をダウンロードします。
ページ中腹のプログラム名をクリックするとダウンロードが始まります。
ダウンロードが完了したら今ダウンロードしたプログラムをクリックしてインストールを開始します。
ユーザーアカウント制御のポップアップが表示されるため「はい」を選択します。
このポップアップは新しいソフトウェアをインストールする際に必ず表示されるもので、Lhaplusにセキュリティリスクがあるという意味ではありません。
インストール画面が表示されます。「次へ」で進んでいきインストールを完了させましょう。
「完了」を押してインストール完了です。
インストール完了後には設定画面が表示されます。
対応している圧縮形式のどれを紐付けるか設定が可能です。分からない場合はこのまま「OK」を選択します。
これで設定も完了しました。
ZIPファイルのアイコンもLhaplus独自の物に変更されました。
これでダブルクリックすることで圧縮前の状態に戻すことが出来ます。
それでもZIPファイルが開けない時には、ファイルの形式を確認しましょう。
ZIPファイルを右クリックして「プロパティ」を開きます。
ファイルの種類がzip形式となっているか確認しましょう。
他の圧縮形式になっていた場合には対応する解凍ソフトのインストールが必要です。
前述のLhaplusであれば多くの圧縮形式に対応しているためおすすめです。
最近はめっきりと減りましたが、ZIPファイルのアイコンでファイルの種類がアプリケーション(.exe)となっている場合にはZIPファイルに見せかけたマルウェアの可能性が高いため実行しないようにしてください。
圧縮ファイルを解凍するためにLhaplusをインストールし、用が済んだ後で元のアイコンに戻したいという人もいると思います。
その場合にはZIPファイルの紐付けを外すもしくはLhaplusをアンインストールすることで元の状態に戻すことが出来ます。
紐付けを外すのは前述の【対応1】ZIPファイルにWindowsの標準機能を紐つける対処手順と全く同じ操作手順です。
ここではLhaplusのアンインストール手順を紹介します。
スタート内の設定を開きます。
アプリを開きます。
表示されたソフトウェアの一覧の中からLhaplusを探し、アンインストールをクリックします。
ユーザーアカウント制御のポップアップが表示されるので、「はい」を選択します。
削除する確認ポップが何度か表示されるので全て「はい」を選択。
必要があればパソコンの再起動がかかり、アンインストールが完了です。
ZIPファイルのアイコンが元に戻っているか確認してください。
紐付けが外れてしまっている場合は前述の【対応1】ZIPファイルにWindowsの標準機能を紐つける対処手順を行ってください。
「ZIPファイルは正常に開けるのにアイコンがいつもと違う」ということが稀にあります。
Lhaplusを使用している場合は氷のアイコンになるはずがLhaplusのロゴマークが表示されてしまう、など。
システムのレジストリを変更することでアイコンを元に戻すことが可能ですが、操作に失敗するとWindows自体が起動しなくなる可能性もあるため操作は自己責任で行ってください。
画面左下の「スタート」を開き「regedit」と入力します。
表示されたレジストリエディター(regedit)を開きます。
コンピューター\HKEYCURRENTUSER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\FileExts.zip
に移動して中のファイルを削除します。
削除完了後にパソコンを再起動し上記の対応1・対応2を実施してください。アイコンが戻ります。
解凍圧縮ソフトが既にインストールされている場合は再起動後に一度アンインストールし、再インストールしてください。
ZIPファイルのアイコンが変わってしまう原因とその対処法をご紹介しました。
Windowsの標準機能は手軽で便利ですが、対応形式の多い解凍ソフトがおすすめです。
Windowsが標準でZIP形式に対応したのはWindows XP以降なので、もし業務用途でWindows2000以前のOSを使用している場合は必然的に解凍ソフトのインストールが必要となります。