会社勤めをしていた頃から計算するともう10年以上使用し続けています。簡単な請求書やグラフの作成、関数を使用した管理システムの制作に携わっていました。
Written By ハラダ ケイ
今では高校生から会社員まで幅広い世代が触るようになった「エクセル」。
簡単な数式の記入で自動計算してくれたりグラフ表示で見やすいデータの作成に必須ですよね。
計算式の結果を見るとき、たとえば数字がマイナスになった場合は数字の頭にマイナス(-)は出るのに、
利益が出てプラスになった際には数字の頭にプラスがつかないですよね。
そんなちょっとしたテクニックを本記事でご紹介していきます。
※当記事でご紹介する説明画像はMacOSのエクセル(バージョン15.39)になります。WindowsOSとは画面が相違することがありますのでご注意ください。
たとえば損益計算書や実績表などにはどれだけ数字が増えたかや増加傾向であるかを示したいことってよくありますよね。
数字の頭にプラスが表示されることでより見やすい表の作成ができるほか、
見栄えとしてもプラスがあると「おっ、順調に伸びてる!」と実感ができるので、事務員だけでなく営業職の方も覚えておくと仕事できる感が出せるのでぜひ身につけておいてください!
エクセルでプラスを表示させる方法はなんと3種類もやり方があります。
順を追って説明していきますので、ひとつずつ丁寧にやっていってください。
数字の頭にプラスを表示させたい場合、一番手頃で手間の少ないやり方として「ユーザー設定」からあらかじめ事前に設定しておく方法があります。
このユーザー設定から設定をしておくと、セルひとつだけでなく範囲指定したセル内のすべての数字に対してプラスの表示をさせるようにできるのでとても便利です。
後ほどご説明するやり方ですとひとつひとつを手作業で行うので、作業効率の面から見るとこのやり方が一番ベターだと思います。
書式設定からのユーザー設定以外のやり方としては、プラスを表示させたいセルにアポストロフィを入力する方法があります。
半角のアポストロフィ(')とプラス(+)を入力してあげることでプラスが固定で表示させることができます。
それでは実際にやり方を解説していきます。
まずは「ユーザー設定」から入力前に設定する方法があげられます。
数字の頭にプラス表示をさせたいセルを右クリック、「セルの書式設定」をクリックしてください。
そのなかに「表示形式」のタブのなかの最下部に「ユーザー設定」があるのでクリックします。
この中に複数の表示形式の種類がありますが、単純に数字の頭にプラスを表示させる候補はありませんので自分であらたに表示形式の種類を作成します。
ユーザー設定内に「種類:」という項目と入力フォームがありますので、次のように入力します。
+#;-#;0
これを入力してOKボタンを押してください。
そうするとすぐに該当箇所のセルの数字の頭にプラスの表示が表示されるようになります。
ではアポストロフィを使用して数字の頭にプラスを表示させるやり方をご説明します。
まず、すでに数字が入力されているセルをダブルクリックして、セル内を編集します。
次にセル内の先頭に半角英数字のアポストロフィ(')とプラスを入力します。
こうすることで数字の頭にプラスを固定で表示させることができました。
ただし、アポストロフィでのプラスの表示には大きな問題があります。
それは、計算式の計算結果に使用することができません。
たとえば、該当セルにすでに固定の数字が入力されている場合はアポストロフィとプラスを入力すると表示させることができますが、
これが計算式であるとエラーを吐き出して設定をすることができません。
たとえば、
=A1+B1
このような簡単な足し算の数式がA3に入っていたとします。
A3には計算結果を出したいので、A3の数字の冒頭にプラスを表示させようとして以下のように数式を書いたとします。
='+A1+B1
実際の画面ではこのように表示されてセル内の数式は完成しませんでした。
(入力された名前は正しくありません。)
このように固定の数字のある場合に限りアポストロフィとプラスの組み合わせでプラスを表示させることができます。
アポストロフィ以外の記号との組み合わせとして、ダブルクォーテーション(")を使用するやり方も存在します。
ダブルクォーテーションの場合は、表示させたい文字列をダブルクォーテーションで囲ってあげることで数式内でも機能して表示することができます。
まず、ダブルクォーテーションは表示させたい文字列を囲んで使用します。
たとえば、A1セルに数字の「1」が入っていたとします。
このA1セルに以下のように記載をすると、「+1」という結果が表示されます。
="+"&1
アポストロフィの場合は、「'+」だけでしたがダブルクォーテーションの場合は「"+"&」を記載することでプラスを表示させます。
この記載の中にある「&」はプラス以降に表示させたい文字列が続くようになっています。
上記の数式の例でいくと、&以降の1を表示させよ、という数式になります。
ダブルクォーテーションでのプラスの表示の場合は、アポストロフィと同じように数式内での使用ができませんが、
すでに計算結果が出ているセルとプラスを表示させる専用のセルとに分けると実務でも使用することが可能です。解説します。
次のような表計算があったとします。
A2セルに数字の1、B2セルにも数字の1が入っており、C2セルにはA2+B2の足し算の数式が入っています。
この場合、C2セルにプラスの表示をさせたいのですが先ほどもご説明をしたとおり、C2セルのA2+B2の計算式内にダブルクォーテーションでのプラス表示をさせることはできません。
ではどうやって実務向けに数字をプラス表示させればよいのでしょうか。
答えはかんたんで別のセルにC2の計算結果を引用して、そこでダブルクォーテーションでのプラス表示の記載をしてあげればよいのです。
まず、D2セルにC2の値を引用します。
D2セルに以下の記載を行います。
=C2
すると、D2セルにはC2セルの値が引用されて表示されるようになります。
このままいったんエンターキーで確定するのもよいですが、編集状態のまま続けて次のように入力します。
="+"&C2
ここまでの記載ができたら、エンターを押して編集を確定してください。
するとD2セルには「+2」の表示がされるようになりました。
このように別のセルにプラス表示専用のセルを設けてあげることでプラス表示を行うこともできます。
なお、実務上でのエクセルの場合、余計なセルを表示させておくと見にくかったりすると差し支えがあるので、
最初の計算結果を出していたC2セルを含めたC列そのものに事前に基本的な計算式(当記事でいう足し算)を入力しておき、あとは列を表示させないを指定しておくとスッキリします。
これで必要のない情報は隠れてスッキリとした表にすることができました。
いかがだったでしょうか?
ユーザー設定で設定をしてあげることで表示方法を変更させるやり方はよく聞きますが、
アポストロフィやダブルクォーテーションでの表示方法で実践している人は少ないのではないでしょうか?
ちょっとしたコツとテクニックさえ身につければ、知識人として「仕事がデキる人」としての評価を得ることができるかもしれません。
ちなみに筆者はこのテクニックで上司から「エクセルマスター」と呼ばれていました。笑。
ぜひみなさんもこの小技を身につけてみてくださいね!