こんにちは犬Pです。
前回レビューしたshure SE215 Special Editionに続き、今回はSE315をレビューしたいと思います。
本機は、SHURE独自のバランスド・アーマチュアドライバーである「MicroDriver」を1基搭載したカナル型イヤホンで、SHUREのバランスド・アーマチュアドライバー採用モデルラインナップの中では、最もシンプルかつ価格面でも手に届きやすいモデルです。
そこに今回は、ケーブルを純正ではなくnobunaga tr-se3を使用したカスタムver.を紹介します。
・高域☆☆☆★★
バランスド・アーマチュア型の特徴であるカマボコなサウンドです。(「かまぼこ」とはボーカル帯域を中心にした中域が強く、低音と高音を抑えたサウンドのこと。周波数特性グラフを見ると、まるでかまぼこを切断したようなU字形に見えることからそう呼ばれています。)
なので少々出力不足を感じるのは否めないのですが、極端な高音をカバーしないので、音が柔らかく刺さらず、サウンドの聴き疲れが少ないのがメリットです。
・中域☆☆☆☆★
中音域の解像度の高さこそ、このイヤホンの最も特筆すべき点で、抜群に音質が良いです。
中音域ボーカルの音声が綺麗に聞こえ、とても臨場感があるのでボーカルホンとして最適と言えます。
スッキリとして音の抜けがよく、余計な味付けの無い、shureらしいモニターライクな音ですが、冷たい印象は無く、明るく鳴ってくれるので、歌モノを中心に音楽を聞く人に向いているモデルです。
・低域☆☆☆★★
高音の欄に書いた通り、全体のチューニングがカマボコなので、若干の出力不足感はあります。
ですが、極端に低音が出ないということは無く、音の締りが良く、輪郭もハッキリしている為、正直気にはならず、〝音〟を聞く、所に注目すれば、SEシリーズの中でも、一番優しく、ストレス無く聞ける音に仕上がっているモデルです。
・音の透明感☆☆☆★★
全体的な音質としては、前回レビューしたSE215 Special Editionに比べると、このSE315のほうが解像度は高く、音声の聞き取りやすさなどはSE315の方が良く聞こえます。
これは補聴器にも使われるという、バランスド・アーマチュアドライバーの特徴が出た音です。
カマボコの音なので出力不足感は否めませんが、高・中・低の音のバランスが非常によく、柔らかく刺さらない音なので、聴き疲れはほとんどなく、高級イヤホンとしての仕事はしっかりしているように感じます。
本機、SE315は現在、¥16000程の価格ですが、それでこの音質なのはコストパフォーマンスはかなりいい方だと思います。
SEシリーズの特徴である遮音性の高さもあり、併せて細くて柔らかいnobunagaのケーブルtr-se3を使用しているので、タッチノイズは全くというほど気になりません。
ケーブルも¥4000と安価なので初のリケーブルに使用するのも良いコストパフォーマンスのケーブルだと思います。
SE315のカラーはクリアーとブラックの2色展開となっています。
私は、ロゴの刻印がアクセントになっているブラックを選びました。
造型としては、前回レビューした下位モデルのSE215 Special Editionに似ていますが、SE215のロゴは平面の印刷仕様であるのに対し、本機SE315は凹状の刻印風という点が大きな違いとなっています。
それにより高級感が増し、これぞ、高級イヤホン!、というクールなデザインに仕上がっています。
マイク:無
Bluetooth:無
充電の必要性:無
"SHUREといえば"、のSHURE掛け(=耳掛け)をすることにより、タッチノイズなども軽減されます。
また、イヤーパッドが全4種類、その内2つが3サイズ用意されているため、自分の耳に負担のかかりにくいフィット感を調整することができます。
ふいに耳から外れてしまう心配もないので、移動しながらでも安心して使用できます。
元々はイヤーモニターとして開発されたため、激しい動きでも外れない安心感があります。
遮音性
SEシリーズの特徴である遮音性は、今回も遺憾無く発揮されています。
ある程度の音量にすれば電車内のアナウンスも聞こえないほどの遮音性で、音漏れを心配することも少なく、自分の音楽の世界へどっぷりと浸ることができます。
周囲の音をシャットアウトするため、車などの周囲の音も聞こえないことも多々ありますので、その点は注意が必要です。
通勤、通学は当然ながら、数種類あるイヤーパッドにより、フィット感を調節できるので外れにくく、ランニング、ウォーキングなどのスポーツシーンにも適しています。
先述の通り、遮音性も高いので、集中して作業に没頭したい時にもオススメです。
ソフト・フォーム・イヤーパッドにより耳への負担が軽減されるので、どんなシーンでも、長時間の利用にもストレスを感じません。
勿論バンドマンのインイヤーモニタリングシステムとしても最適です。
¥10000以上の高級イヤホンとしての入門機にあたる本機SE315ですが、正直値段以上の音を出すイヤホンだと思います。
shureのSEシリーズは各モデルごとに音の特徴が違うのですが、本機は一番フラットな音を出し、入門機として最適かつ申し分ないクオリティだと感じます。
今回は、ケーブルを純正ではなくnobunaga tr-se3に変更したカスタムver.でのレビューをすると、ほんの少々音の解像度が上がったかと感じる程度で、爆発的な音質の向上は認められませんが、¥4000程の価格ながら純正ケーブルと遜色ない音質です。
ケーブル自体は細めで柔らかく、絡まりにくいです。またねじれの癖もつきにくいです。
ここから更に良い音を求めて高級イヤホンに行くか、本機で十分満足し長く愛用するイヤホンになるか、イヤホン好きな方の分岐点になるモデルだと思います。