ダイソンというとサイクロン掃除機をはじめて開発した会社として有名ですよね。
そんなダイソンですが羽なし扇風機も有名な製品の一つではないでしょうか。この記事ではそんなダイソンの羽なし扇風機について取り上げていきます。
おそらく多くの人が「扇風機に羽がないのにどんな仕組みで風を送っているのだろう」と疑問を持っていると思いますのでダイソンの羽なし扇風機はどのような仕組みで、原理で動いているのか、またコアンダ効果とは一体何なのか説明していきます。
一般的な扇風機であれば羽を回転させることで後方にある風を前に送り出しているのですがダイソンの扇風機にはその羽がありません。
それでは一体どのような原理、仕組みで風、もとい強い風を送っているのか、その仕組みや原理について詳しく説明していきます。
ダイソンの羽なし扇風機はスリムファンというスタイリッシュな扇風機のジャンルに分類されます。
そして羽なし扇風機のようなスリムファンのメリットは何といっても「安全性」です。
一般的な扇風機のように羽が目に見えるところについているわけではありませんのでお子さんがいるご家庭でも安心して使用することができます。
そのほかにも「場所を取らない」という点もメリットとして考えられます。
名前に「スリム」と入っているようにお部屋にある他のインテリアを邪魔することや、余分なスペースを取ることがありません。また、サイズがそれほど大きくないことから収納スペースも小さく済むということもメリットの一つとして考えられます。
次にデメリットですがダイソンの羽なし扇風機などのスリムファンは一般的な扇風機と比べて「音が大きい」ということが挙げられます。実際に寝室でスリムファンを使用した結果、よく眠れなかったという事例もあるそうです。もちろん一般的な扇風機と同じように静かに風を送ってくれる製品もありますがやはりその分値段が高価になってきます。
ダイソンの羽なし扇風機などのスリムファンにはメリットも十分に存在します。しかし自分がどのような目的によりスリムファン及び扇風機を使用するのかよく考えたうえで購入を決めてみてはいかがでしょうか。
ダイソンの羽のない扇風機の正式な商品名は「エアマルチプライアー」といいます。日本で商標として登録されている名称は「AIR MULTIPLIER」です。
そんなダイソンの羽なし扇風機は一般的な羽のある扇風機とは違い、枠だけのフォルムが最大の特徴です。
そのような外観をしていながらどのようにして風を送っているのか、それは羽なし扇風機の円柱部分に埋め込められているモーターによる働きが関係しています。
羽なし扇風機の円柱部分には無数の穴が開けられており、その部分より空間に存在している空気を取り込んでいます。
そうして羽なし扇風機の内部に空気を取り入れた後に、そのまま内部を通り上部にある円形状の筒にあるスリットと呼ばれる部分から空気が放出されます。
以上のような原理、仕組みによりダイソンの羽なし扇風機は一般的な扇風機と同じように風を送っています。
また、この一連の流れを「エアマルチプライアーテクノロジー」とも言います。
それでは以下よりそれぞれについてより詳しく説明していきます。
次にダイソンの羽なし扇風機にも取り入れられている効果であるコアンダ効果について説明していきます。
このコアンダ効果というのは物理の流体力学に基づく理論で「粘性の効果により噴流(ジェット)が周りの流体を引き込む」という現象のことを言います。
出典:ウィキペディア
この理論は航空機にも応用されており、飛行に十分な揚力を翼に与えるために使用されています。
ただ一般的な飛行機において噴流は自然に発生することはありません。よって必ずしもすべての揚力がコアンダ効果に基づいているというわけではありませんのでご注意ください。
そしてこのダイソンの羽なし扇風機でも利用されているコアンダ効果が強い風を送風できる理由ともなっています。
ダイソンの羽なし扇風機は円柱部分にある小さな穴から空間に存在する空気を取り込み、その空気を上部にある円形状の筒に空いてあるスリットと呼ばれる部分より空気を送風するという風にお伝えしました。
しかしそのスリットと呼ばれる部分の大きさは1.3mmほどしかありません。それではどうやって強い風を送っているのだろう、と思う方もいるのではないでしょうか。
その部分を解決するべく使用されているのが上記より説明しました、コアンダ効果になります。
詳しい原理、仕組みについて説明していきます。
まず、ダイソンの羽なし扇風機では内部に空気を取り込み、16度になる翼型傾斜の上を通ることで円形の気流を生み出します。
そうして生み出された円形の気流は上記でも紹介したコアンダ効果が働くことにより周りに存在する空気を巻き込みつつ送風します。
この原理によりダイソンの羽なし扇風機では円柱部分より吸い込まれた空気量の15倍にもなる量を送風できると発表されています。
これがダイソンの羽なし扇風機が強い風を送れる仕組みになります。参考にしていただければ幸いです。
ちなみに従来の扇風機では羽を回転させて後方にある空気を前に押し出すという仕組みであったため、送風する量にムラが出ていました。
しかしコアンダ効果を利用しているダイソンの羽なし扇風機では周りにある空気を巻き込みつつ送風するため送風する量にムラが出にくいというのもポイントとなっています。
ここまでダイソンの羽なし扇風機の原理や仕組みについて説明してきました。
一般的な扇風機では羽の回転により後方の空気を前に押し出すことで送風しますが、ダイソンの羽なし扇風機では円柱部分より空気を取り込み、上部にあるスリットと呼ばれる穴から空気が放出されます。
その際にコアンダ効果により周りの空気を巻き込みつつ送風するので強い風を送ることができます。2009年にイギリスのダイソン社より発表されたダイソンの羽なし扇風機もといエアマルチプライアー。
この記事が仕組み、原理の理解に役立つことになれば幸いです。